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7日目の満月  作者: 井ノ上 成也
8/12

親友の謎

今日も雨だ。

空が涙を流すように降っているこの雨は、止みそうにもない。

今日だ。今日は僕にとって最高の一日となる。

もちろんあいつにとってもね。



鳴り響いた1件の通知。

健介には受け入れられない事実が書かれてあった。

「妹は元気かい

知春ちゃんだっけ?今日も学校行ってるみたいだけど、ほんとにちゃんと行ってるのかな?


悪い子にはお仕置きしないとね」

そのメッセージの送り主は...



達也だった...。


まさかとは思っていたが、達也だったなんて。

悪い夢ならさめてほしい。

健介は目の前に起こってる現実を受け入れられなかった。

知春!?そういえば知春は今朝学校に行ったはずだが!?

まさか達也に捕まって...。

健介はすぐに知春の携帯に電話をかけた。

「おかけになった電話は電波の届かないところか...」

「くそっ!なんで出ないんだよ!」

健介は雨の中で家を飛び出した。

頭から当たる雨は氷水のように冷たく感じたが、それすら無視して走った。

知春...里紗の次は知春かよ!

これ以上大切な人を失ったら俺はどうすればいい!

達也...本当にお前なのか...?

だとすればなんで...?

様々な思いを巡らせ健介は学校へと向かった。


久しぶりに学校に来た健介。

が、そんな余韻に浸っている暇などなかった。

健介を呼び止めようとするクラスメイトの間をくぐり、職員室へと向かった。

「中野!心配したぞ!どうだ調子は?」

担任が声を掛けてきた。

「先生!達也は!?

達也は来てますか!?」

「どうしたんだ中野?

白石なら今日は体調不良で休むそうだが...」

体調不良?嘘だ。

達也は知春と一緒にいるはずだ。

達也が行く場所...どこだ...?

「中野!どうしたんだ!何があったか...」

心配する担任の言葉をかき消すように、健介は職員室を後にした。

靴をとるため下駄箱へと向かう健介。

下駄箱を開けると、1枚の紙が出てきた。

「知春ちゃんは本当に可愛い子だ

会いたければ多嘉島4丁目公園に来い」

知春!?誰が入れたんだ?

さっき靴を入れた時にはこんな紙なかったはず...。

やはりあいつなのか...?

健介は紙を握りしめると、再び降り続く雨の中へと入っていった。


健介は書かれていた場所に心当たりがあった。

多嘉島4丁目公園は健介と達也が小さい頃によく遊んだ場所だった。

公園に着いた健介は、入口に向かった。

中に入ると目の前にはジャングルジムと滑り台、公園の隅には砂場がある。

勿論、雨の中遊びに来ている子供などいない。

それどころか人の気配すら感じない。

「くそ!知春はどこだ!?」

あたりを見渡す健介。

そのとき、後ろにふと気配を感じた。

振り返ろうとしたその瞬間、健介は何者かに殴られてしまった。

濡れた地面に叩きつけられる健介。

意識が遠のいていく。

健介の目に映ったのは、フードをかぶった謎の男だった。

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