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久しぶりの手料理

「アムアム、うん!朝一番のお味噌汁は最高だね!」


「・・・そうだな」


あれからというもの気絶するかのように眠りに入った明を菖は数十分の間に料理を作っては起こした、そして起こされた明は寝惚けた顔から一気に顔を真っ青にしては顔に手を付いた、どうやら先ほどの事を思い出したらしい、そして今菖が作った料理を食べている


「・・・不味い?」


「・・・いや、久しぶりに菖の手料理を食べられて嬉しいとは思ってるんだけど・・・ね、さっきの事を思い出すと頭が痛くてな・・・」


そう言い明は味噌汁を口の中に入れた、口の中に広がるしょっぱいような、でも薄くて丁度体に良いような、そして暖かさに体の中が温まり安らぎが広がる感じがした


「・・・ふぅ」


「あ、あはは・・・大丈夫だよ明兄、別に特に何かされたってわけでもないし、ただ抱きしめられただけだからさ」


茶碗を手に取ってはご飯を箸に取っては口に入れてはそう菖は言った、ただ抱きしめられただけ、これが服を着ていたとすれば別に特にないわけだが下着だけというのがなんとも致命的な傷を明は負っている


「・・・それが服を着ていたらどれだけ助かったか・・・」


「あはは・・・これからもうないようにするから、ごめんね?」


「・・・別に僕は特にどうこう思ってるわけじゃなくて、菖が嫌な思いしてないかって事で一番悩んでるんだけどな・・・」


いくら兄妹、双子と言えど仮にも異性、好きでもない人に抱きしめられる、これはかなり心に来るものがある、しかもほぼ生身で抱きしめられたと言ってもいい、そう明は考えていた


「えっ、わ、私は全然嫌じゃなかったよ?逆に久しぶりに明兄と一緒に寝れて、しかも抱きしめられてすごく安心したというか、・・・っど、どうせなら明兄も下着一枚で抱きしめてくれたら良かったなぁ、って、あはは」


箸を口に入れては舐め、ほんのりと頬を赤く染めてはもじもじとしながらそう言った、そんな菖に明は呆然、または唖然とした


「・・・っ!い、今のは聞かなかった事にするから早く食べよう、せっかく作ってくれたんだし、温かいうちに食べないと」


「!えぇ・・・せ、せっかく恥ずかしい思いして言ったのにそんな反応・・・」


「一か月合わない内に随分と変態が増したんだね、としか言えないんだけど・・・」


はぁ、とため息を吐きながら目に涙を溜めご飯、そしておかずである鮭を口に乱暴に入れている菖に明は苦笑いしながら言った、ちなみに今更すぎる事だが二人は準日本人の為当然黒髪である、が微かに髪の色素が薄いのか微妙に鼠色のような、そんな色をしている、理由は両者とも不明


「!菖は変態なんじゃんくて、明兄、ううん、明の事が大好きだからこう言ってるんだよ?」


「っ・・・面と向かって言われると照れるだけど・・・まぁ、僕も菖の事は大好き、だし、うん」


そしてもう一つ、菖が明兄、または明と使い分けている事には理由がある、特に何か真剣に伝えたい時じゃない時は明兄、でも真剣に自分の思いを伝えたい時は明、と呼び捨てしている、なぜ明、なのかそれは妹としてじゃなくちゃんと双子の同い年の者として、と菖は考えている、理由はよくわからない


「!!う、うん・・・そ、そうだね、面と向かいあって言うと、恥ずかしいね・・・」


「っう、うん・・・」


「・・・!あっ、そうだ明兄」


「ん?どうしたの?」


菖蒲は食べるのを中断しては明の後ろ、布団の傍まで寄っては袋を掴み、その袋を明に渡した、渡された事に唖然とするも聞いた


「?これは?」


「昨日ね、明兄がいきなり寝ちゃって、その時天羽さんが帰る前にお祝いって事でくれたの、明兄服とか持ってないじゃん?後お祝いってのは多分明兄が能力者自警団に入るお祝いって事だと思うよ」


肘に手を当てては人差し指を口元に伸ばしてはそう苦笑い気味に言った、そしてその話を聞いた明は昨日起きた事を思い出していた


「・・・あ、そっか、僕昨日いきなり寝ちゃったんだっけ・・・」


「うん、そうだよ、いきなり寝ちゃったらからすごい心配しちゃったよ」


「・・・そっか、ごめん」


「ううん、大丈夫、特になにかあるわけじゃなかったから安心した」


菖はそう言いもう一回座りなおしては食べ始めた、そんな菖を見ては明は微笑みその袋の中の服を取り出し確認した、入っていたのは服上下に靴下、そして靴一足だった、そしてそれを確認した明は立ち上がりその服に着替えた


「んしょっと、菖、どうかな?」


「もぐもぐ、ごくっ、ん、似合ってるよ明兄、へぇ、一応動きやすい恰好にしてくれたんだね」


「?動きやすい恰好?」


「ん?うん、能力者自警団は基本的に動くからね、動きやすい恰好してないとだめだから」


「!あ・・・そっか」


そこで明は思い出した、能力者自警団の仕事、それは危ない犯罪を抑える、またはその犯罪を犯す者を捕獲する、そして稀にいる能力者との戦い、それを思い出した明は唾を飲んだ、緊張からかもしれない


「・・・その、菖はここの仕事してて怪我とか、したのか?」


「ううん、してないよ?、基本的に犯罪だとか起きた後に警察の人達の手伝いをしたりだとかそういう事だけしてるし」


「!そ、そっか」


もしかしたら菖がこの一か月の間で深い怪我をしたかもしれない、そう思った明は不安げに聞いた、だが菖からの返答は特に何もない、その返答は特にウソがある表情でもない、そうわかった明は安心した、そして一方で菖はそんな明の反応に


「・・・もしかして明兄、心配してくれたの?」


「!も、勿論そうだよ、化野さんに聞いた限りじゃ危ない事件ばかりだったし・・・」


「・・・そっか、ありがとう明、心配してくれて嬉しい」


菖はそう言っては立ち上がり笑みを浮かべ、明に抱き着いた、そして明はそんな菖を優しく微笑み抱き返した、その菖からの抱き着きに明はなんの下心とかはなく、本心から思って抱き付いてきたのだろうとわかり不思議と明も安らぎを覚えていた、そしてまたもう一つ思った事があった


「・・・菖がいるのといないとのじゃこんなにも違うんだな・・・この一か月間合わないのとじゃかなり違うよ…」


「・・・うん、そうだね…私も明がいるのといないとのじゃこんなにも違うって事がわかったよ…」


互いに互いの心がふれあい、安らぎが生まれている事に気づいた二人は照れ臭そうに微笑んだ




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