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大切な人との再会

「明兄~~」


「・・・これはいったいどういう事なのか説明してくれませんかね?化野さん・・・」


双子の妹、平盛菖が生きていた事に今、明は顔を苦そうにしては化野を睨み付けている、そして睨まれている当人、化野はニコニコとしていて生きていた妹、菖は菖で明に抱き着いては離れないでいる


「う~ん、どういう事なのかなぁって言われてもなぁ、ねぇ?」


「私は明兄と再会できた事に今凄く感動しています、だから説明もなにもいりません!」


「っいやいや!そんな事ないから!化野さん!ちゃんと説明してくださいよ!」


抱きついてくる菖を押し返しては明は腕を机に叩き付け言った、叩き付けた事による反動で腕が痺れたようだが特になんとも思わないらしい


「・・・はぁ、明君、一つ言わせてもらいたい事があるんだけど、いいかな?」


「!は、はい?」


「・・・確かに妹さんの事についてはさっき話をしている途中で言わなかった事については謝るよ、でも、今こうやって大切な妹さんと再会できたわけだ、なにかしてやる事があるんじゃないのかい?明君が心配していた一方で菖ちゃんも心配してたんだよ?」


「!・・・菖・・・」


自分の事ばかりで菖の事なんて何も考えていないと認識した明は菖を見た、そして菖の顔を見ては心が痛んだ、暗い顔ばかりか微かに目の下は黒く隈が出来ていて顔色もあまりよくなさそうに見えた、その顔色はあの酷い家の中で暮らしていた時なんかよりも酷いような


「…あの火事日、私が忘れ物をして家に戻ったらお父さんがたばこを吸っててね…、それでなんかよくわからなかったんだけどお母さんと喧嘩しててね、そこまでは毎日ある事だから無視して私の部屋に行って忘れ物を取ってバイトに行こうとしたんだ…でもね、その時だったの…すごい焦げ臭くて、なんだろうと思って下に降りたらお母さんが床に倒れてて、それでお父さんはお父さんで何故か油をばらまいててね、なにしてるのって、聞こうとする前にたばこをそこに投げつけたの…そしたら一気に火がまわっちゃってね…まさか家全体に油を垂らしてたなんて気が付かなくて…私は急いで家から出たんだけど…気づいた時にはもう・・・夜になってて・・・それで、雨が降ってて・・・丁度化野さんに声を掛けられてね・・・あはは、なんか説明すごい下手だね、ごめんね」


話を進める度に表情が暗く、そして辛そうな表情をしている菖を止めそうになったがそれはできなかった、何故ならそれは自分も知らなきゃいけない事実だから、そう明は思った、そして目に涙をため、微笑んでいる菖をそっと明は優しく抱きしめた


「…そうだったのか、ごめん菖心配かけて…探してやれなくてごめん…一人にさせてごめん…」


「…ううん、大丈夫だよ…今、こうやって明兄と再会できた事に私はもう救われたよ…?それに一人じゃなくてここのみんなもいたし…」


菖はそう言い周りを見渡した、そこで明は追うように見た、それはここの仕事のみんなだった、そして明は思った事があった、それはみんながみんな仕事に集中しているわけではなくこちらを見て集中しているのだと、ある女の人は子供を見守るような笑みを浮かべ見ていて、そして一方はどこか真剣そうな顔、またもう一方は無表情、でもどこか優しそうな、そんな人達に明は納得した、一人じゃなかったと


「・・・そっか」


「…うん、それよりも明兄の方が一人だったんじゃない…?こんなにボロボロになってるし…」


「!あぁ、これは、まぁ…あはは…」


服を触っては心配そうな、でもどこか呆れたような、そんな表情をしている菖に明は苦笑いしてしまう、そしてそんな二人を見ている化野は


「さっきから二人だけで勝手に話が進んでは目の前で抱き合ってラブラブして、勝手に二人だけの空間を作って、私になにか恨みでもあるのかい??」


化野は笑みを浮かべそう言う、そんな化野に気付いた明と菖は互いに見つめ合っては吹き出し、笑った、その笑い方はどこか悩みが晴れたかのような、そんな笑みを浮かべている、そしてそんな二人を見た化野は唖然とするも笑みを浮かべた


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