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つないだ手  作者: あつこ
9/23

2‐7

入学してあっという間に二ヶ月が経った。


早く感じた授業も、今じゃ6コマもあって、あーとうとう始まったかという感じ。

まだしわのつかない教科書と真新しいノートに蛍光ラインとシャーペン文字を並べる。


お昼ごはんを終えると、ほとんどの生徒はお昼ねタイムと移り変わる。


大石も、そのひとりだ。


しかもこいつは隠そうともせずに、机に寄りかかり寝息すら聞こえる。


先生の一定の声の音も相まって、こっちが眠くなる。

いつも、顔隠してるんだよなぁ~。

なんて、時々覗き込むけど、今日も寝顔は拝めなかった。


「大石、寝過ぎっしょ」


こそこそと隣の彼が言う。

千葉くんだ。


けらけら笑いながら、消しゴムのカスを丸めて大石に投げてる。

でも大石は気づかないで、かみのけに白のつぶが貯まってく一方だった。


「寝る子は育つってゆうけど、大石寝過ぎだよ。」


呆れながらあたしが言う。


「こいつ、中学んときからそう。」


またけらけらと笑って千葉くんが続けて話す。


「でもさ、要領いいからこいつテストとか外したことないんだよね。実は寝てるふりしてこっそりメモしてたりして。」


まさかぁ、とあたしが笑うと千葉くんは続けて大石の話をした。


小学校からの友達だってこと。

小4のときに、大石が引越ししてきたってこと。

昔から小さくて、一番前でいつも腰に手を添えていたってこと。

でも、運動も勉強も出来て、昔からクラスの中心で笑っている子だったってこと。

そして、学年で一番じゃないかって子に既に告白されてるんだってこと。


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