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つないだ手  作者: あつこ
6/23

2‐4

大井町~、大井町~…


聞きなれた駅の名前にハッとする。


寝てた。

時間にすると一瞬。

なんだか、懐かしい夢を見た。


のろのろと席からたって改札を抜ける。

改札を抜けたら、ポケットに入れていた携帯が震え出した。


「もしもし。」


もはやこうなると声を出す動作でさえ、面倒くさい。


「なつき、元気?」


懐かしい声。


「あ、舞!」


画面を見ずに電話を出たから、驚いた。


「ラインしたのに、既読つかないから電話しちゃった!」


そういえば、書類作りに必死で携帯、見ていなかったな。


「急にびっくりしちゃった。ライン、読んでなくてごめんね。どうした?」


懐かしい声に心が弾む。

眠気がふっとんでしまった。


「実はね…」


彼女の照れた声で切り出した話は、4ヶ月後結婚が決まったとのことで、なんとか出席できないかとのお誘いだった。

なんとも急なお祝い事は、どうやら彼女が妊娠したからだという。


「ずっと子どもほしがってたもんね。相手は?」

「ほら、同じクラスだった角谷くん。」

「あ、野球部の?え、え。え、なんで?」


なんで?だなんて、冷静に考えると失礼な切り替えしかただ。

角谷くんは確かに優しいしいい人だけど、二人の共通点が思い付かなかったからだ。


笑いながら、二人の馴れ初めを聴いて、あたしは首を縦にふった。


どれくらいぶりだろうか。

あの場所に帰るのは。

その会話のお陰か、家に帰ってからの記憶はほとんどない。

夢も、見ていない。

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