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つないだ手  作者: あつこ
4/23

2‐2

「やった!同じクラスだね!」


舞が顔を赤らめて、あたしに話しかける。

あたしと舞は顔を見合わせて飛ぶように喜んで、玄関へと足を運ばせた。


馴れない玄関。

中学生の頃とは比べ物にならないくらいの数だ。


佐伯、さえき…。


古びた靴箱にはられている真新しい名前が書かれたシールを追って開けてみる。



「あ゛!!あぶ…っ!!」



靴を下駄箱に入れて立ち上がろうとしたときだった。

聞きなれない、その声に気づいた時は遅かった。


ガンッ…ーー!


「…ったぁーーい!!」


あたしは、下駄箱の開き扉に頭をぶつけたのだ。



「ちょっ!なつき大丈夫?!」


慌てて駆け寄る舞。


状況を把握するのに時間はかからなかった。

あたしより上段の開き扉が開いていることに気づかず、その扉に運悪く頭をぶつけてしまったのだ、


正直、大丈夫じゃない。

血は出てないし、なんていったって今日は記念すべき初登校なわけだし、お互い嫌な気分にはなりたくない。

どんくさいあたしが情けないのやら、朝から不運なスタートに気が落ちてしまいそうやらで、複雑な気持ちに襲われながらも、必死に笑顔を作って「大丈夫、大丈夫」と返事をした。



「うわ、まじごめん。」


パッと見上げると、あたしより少し背の高い男の子が気まずそうに立っていた。



「こっちこそ、ごめん。」


なんて、返事をしていいのやら。

とにかく、恥ずかしさで早くその場から立ち去りたくて、あたしはそれを伝えて舞と一緒にその場を去っていった。

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