病弱だった幼女の場合
けほけほ、けほけほ
のどがいたい。なんだかあたまもいたいきがする。
でもこれくらいだったらいつものこと。
だいじょうぶ。がまんできる。
まどのおそとをなんとなくながめていると、しろいものがちらほらおちてきた。
ゆきや!
さわってみたい。でも、かってにおそとでたらおこられる。
がんばってがまんしようとしたけど、どうしてもがまんできなくて、うちはゆっくりベッドからおりた。
まどのそばにいすをおいて、それをあしばにしてまどのかぎをはずしたら、ガラガラとまどをおもいっきりあけた。
ヒューっとさむいかぜがあたたかいへやにはいりこんでくる。
それといっしょに、ちらほらゆきもへやのなかにはいってきた。
「ゆき、すごいきれいや……」
いつもいえのなかからしかみえなかったゆきは、まどをとおさないってだけでとてもきれいにみえた。
「きらきらしとる。すごい! すごい!」
ちょうどてのひらにおちてきたゆきにこうふんしたけど、ゆきはあっというまにとけてきえてしまった。
それでも、はじめてふれるゆきにうちはこうふんしっぱなしになった。
っけほけほ、けほけほ
ひゅー…ひゅー…
さむさでせきがまたつらくなってきて、これいじょうはいけないとおもってまどをしめた。
もういちどいすのうえにのって、しっかりまどもしめる。
ふつうにいすからおりようとしたとき、なんだかあたまがふらっとしていすのうえから大きなおとをさせておちてしまった。
あ、こんなおおきなおとたてちゃったら、おかあさんにちゃんとやすんでなかったことがばれちゃう。
そうおもって、いそいでたちあがってベッドにもどろうとしたけど、うまくからだにちからがはいらない。
あれ?
なんだかあたまがずきずきしてすごくいたいのに、でもあたまがぼーっとする。
うちはなんとなく、やばいなっておもった。うちしんじゃうんじゃないかなっておもった。
テレビでよくみる「ねたきり」のひとみたいに、もうにどとめがさめなくなっちゃうようなそんなきがした。
それはたぶん、たしかな予感やった。
うちは最後、ベッドの横にいるはずのない子狐の姿を目にして、小さく笑みをうかべていた。
頑張って標準語を使おうとするけど語尾とかアクセントにはどうしても方言が残っちゃう的な感じの両親のもと育てられた感じの幼女です。
今度こそもふもふ!って感じのもふもふがかきたいところです。