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男子高校生1-10

 ルーシエはこれまで先祖返りとしての自覚なしに生きていたせいで、獣種として当たり前の知識がほとんどない。それは、赤ん坊の状態でなぜか誘拐されていたチャットも同じである。獣種として同じ族でありまったく縁がないともいえないことから、せめて獣種やハーフの知識を身につけるまで、一緒にこの山で暮らしましょう、という話になったらしい。


 街にはおりないのかと首をおとして落ちこんでいたが、ルーシエとチャットがいるからこれからは街におりて買い物をすることになったためなんとかもちなおした。とはいえ、俺たち子ども組が街におりていいのは、もう一段階成長してからだけども。次かその次の満月のときには進化(?)の時がくるそうなので今から楽しみである。成長したら人種の姿のとりかたも習って、それから街におりることになるらしい。


 今回はエマお姉ちゃんの帰りを待ってからシェイお兄さんがルーシエたちと街におりて当面の間必要になるだろう生活用品や食料なんかをたくさん買ってきた。基本的にいつも人種化している知り合いがたまに訪れるときに過ごす家が俺たちの住処の近くにあったようで、ルーシエたちはそこで暮らすことになった。ルーシエはもともと山奥で暮らしていたから特に問題もなく、むしろ頼もしさを感じるほどその家での生活に馴染んでいった。



 エマお姉ちゃんはルーシエたちを見てすごく驚いていたけど、女の子がふえたことがうれしいらしく、ルーシエに対してかなり甘い。最初は困惑していたルーシエだったけど、いつの間にか頼れる姉のように感じるようになったらしく、エマお姉ちゃんにはちょっぴり甘える様子も見せるようになった。


 エマお姉ちゃんが帰ってきたその日の晩、俺たち子ども組はわくわくしながら進化(?)ののを待っていたが、結局進化したのはチャット一人だった。え、そっち?! と大人組をのぞいた俺たちやルーシエの混乱をよそに、月の光をきらきらと体中にまとってチャットは赤ん坊から一気に保育園児くらいまで成長してしまった。

 獣種のほうの血が強いハーフのなかには獣種と同じように成長していくタイプもいるらしく、まったく動じないシェイお兄さんたちの様子から、獣種の奥深さ(?)をなんとなく察した。



「シュウー! もふもふしていいー??」

「もふもふ、もふもふ!!」

「ふわー、顎のしたのもふもふさいこー!」


 赤ん坊だったころは判別できなかったけど、成長したチャットは明るく元気なかわいらしい女の子だったようで、今日も赤ん坊のころから仲の良かったシュウともっふもっふとじゃれあっている。


 幼女と子犬(中身は狼)の組み合わせは非常にほほえましく、シェイお兄さんの優しい笑みが頻繁に見れるようになって、ミイやリトと一緒にきゅんきゅん悶える頻度もふえてヴィス兄やルーシエに心配されるようになった。



 ルーシエたちが来てから二度目の満月の晩、子ども組は全員進化して一回り大きくなることができた。といっても、ようやく子犬サイズから大型犬に近いサイズになっただけで、シェイお兄さんたちのようなかっこいい狼としての風格まではまったく身についていない。


 人種化することができるようになった喜びでついはしゃぎすぎてしばらく人種化を禁止されたのは記憶にあたらしい。変な踊りをしてみんなにひかれた記憶ははやく抹消したい。ちなみに人種化したときの姿は前世で保育園児だったころの俺にそっくりだったが、月狼族としての色の特徴が違和感なく残されていたせいで前世よりは容姿に補正がかかっていた。


 ルーシエは俺たちとは逆に獣種化することができるようになった。先祖返りの特殊な性質らしい。俺が前世で知っている先祖返りとはかなり違うような気がしたけど。

 先祖返りは俺たちとは逆で、普段は人種の姿で獣種としての姿もとれる、そのためには魔力がたくさん必要、先祖返りというよりはふつうの獣種の裏返しのような生き物らしい。もちろんかなりレアだ。さすがにシェイお兄さんたちも初めて先祖返りの性質をまともに見て驚いていた。




 本当にこの世界の生き物はなんでこんなに面白い性質をしているのか、この異世界にも神様がいるならそこのところ詳しくいろいろ聞きたいところである。




 異世界転生して、なんだかんだと楽しく毎日を過ごしているけど、前世の記憶がなまじあってそれを使う機会にめぐまれないせいでじれったい思いをすることも多い。



 ――――けどまあ、


 けものになってしまったようで


 兄妹おおめで楽しめの毎日おくっています。

 ばばばっと説明口調で最後まとめちゃいましたが、これでいったん男子高校生編1は終了です。

 リュカ(そういえばほとんど主人公の名前がでていない)は、なまじ知識があるせいで小説とかマンガみたいな展開を勝手に想像して全然違う!!とセルフツッコミしてしまう残念なやつです。


 もふもふが書きたいと思って書き始めたはずなのに、一応ファンタジーな狼さんが七匹とけもみみも登場したのに、なんか世間でのもふもふとのズレが。

 いや、もふもふとはもふもふがメインではいけないのだとか意味のわからないことを考えてしまった時点でなんとなく察してはいたんですが。

 小説情報のほうを近々編集することになりそうです。



 ここまで読んでくださりほんとうにありがとうございました。

 次はちょっと二つ三つ間章てきなものをいれてから幼女編に行きたいと思っています。

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