男子高校生の場合
はじめはもふもふを楽しめればいいやーという軽い気持ちで書き始めましたが、自分にとっての「もふもふとは」を追及するうちにもふもふとはもふもふがメインではいけないというよくわからない結論になりました。
精一杯頑張ってもふもふを書いていく予定ですが、自分にとっての最上のもふもふを目指していく予定なので、そこのところをご了承ください。
テスト週間明けで久しぶりの朝練のせいか、登校中はいつにもまして頭はぼーっとしているしあくびがとまらない。自転車をのんびりとこぎながら、自分以外誰もいない道をいやいや進む。
十月の早朝六時過ぎ。まだまだ夏休み期間と変わらず暑くて仕方なかった九月が過ぎると、寒くて寒くて仕方のない冬の訪れ的なものを感じる。
というか、ほんとうに寒い。
親にちょっとばかしあきれられた顔をされたけど、マフラーを持ってきてて正解だった。だいたい運動部だからって寒さに強いとか元気がいいとかそんなふうに勝手なイメージをつけないでほしい。ローテンションな運動部とか、けっこういるじゃん。ほら、スポーツマンガのなかとかによく。
こんなに寒いならジャージも冬用のにすればよかったと後悔していると、目の前の信号が青から赤になった。いくら早朝で車がほとんど通らない道であってもきちんと横断歩道前でとまる。自分えらい。
なんて思っていた俺がバカだったんだろうか。
死ぬ間際に確認できたことは、右からくるトラックの運転手が不自然にうつぶせになっていたことと、なぜか横断歩道の手前でとまる俺に向かってトラックがスピードをおとさず近づいてくること。
あと、自分の自転車のかごのなかに、いつの間にか小さな子犬がいたことだった。