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転生記  作者: 河童王子
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火炎山の地下通路!?


何やら八戒と因縁のある天界の武神候補生玄徳との天蓬元帥の称号をかけた戦いは、なんとか八戒が勝利を掴んだのだった。



ハイ!沙悟浄です~!



突然ですが私達の大ピ~ンチなのですよ!!



孫悟空「うぎゃあ~!」


八戒「うぐぉお~!」


三蔵「もう我慢出来ん!なぁ…脱いでも良いか?」


沙悟浄「三蔵様までぇ~イャン!あん!激しいの~」



《パコン!》




私は孫悟空兄貴に頭を殴られたのでした。



イタタ…




孫悟空「気持ち悪いわ!くそ~!それにしてもマジに暑いぜぇ!」


八戒「こりゃ~オラ焼豚になっちまうらよ…」


沙悟浄「私の皿の渇きが尋常じゃないでふよ~」




私は殴られた頭を摩りながら、頭の皿に水筒の水をかけようとすると、



孫悟空「おおお!バカヤロー!貴重な水を何て事に使うんだよ!この河童!」



沙悟浄「仕方ないじゃないですかぁ~!」



八戒「オラによこすら~!」




と、水筒の奪い合いをしている私達に向かって、三蔵様は空を見上げながら言ったのです。実は私達が今いる場所は気温が40度以上あったのです。まさに異常な暑さなのでした。



三蔵「猿!本当にどうなっているんだ?ここは??この暑さは尋常じゃないぞ?」



孫悟空「えっ?あ…えっと…そのな~いや?何でもないかな?あはは…」



その時、孫悟空兄貴の様子が見るからにおかしい事に気付いたのです。



八戒「猿?お前何か知っているらか?」


孫悟空「俺様は何も知らん!」


三蔵「言わなければボコる!言わずに後から解れば…どうなるか解るよな?」



三蔵様の脅しに孫悟空兄貴は観念して話始めたのです。



孫悟空「実は、この辺りには俺様の昔のダチが住んでいてな…」



沙悟浄「友達と暑いのと何か関係あるんですか?」


孫悟空「いや…昔、そいつと喧嘩した時に…悪戯心でアイツの家に火をつけたんだよ…」


八戒「はっ?馬鹿らか!喧嘩で火をつけるらか?普通?」



孫悟空「いや…アイツが焼き肉を食いたいとか言うから…牛にするか豚にするかで喧嘩になって、じゃあ…まとめてて焼いてやるぜぇ!てな勢いで…つい…」


沙悟浄「ついっ…て…そこで何故家ごと焼く必要が??」



孫悟空「それは勢いだ!勢いで、ボワッとな?あはは!」


八戒「でもよ?火を点けたって、いつの話らよ?」


孫悟空「う~ん…そうだな?俺様が封印される前だから…三百年以上前だったかな?」



沙悟浄「アハハ…そんな昔の話…」


八戒「そうらよ!いくら大火事だったとしてもらな~」




私達が笑っていると、



孫悟空「ほら!見えてきたぞ!」


孫悟空兄貴の指差した方向の更に山を一つ越えた先に見えたのは!


辺り一面燃え盛る山!山!山!山!



しかも、燃え盛る炎は雲を突き抜け、天上にまで昇るかのような勢いで噴き出していたのです!



私達は目の前に広がる有り得ない光景に、口を広げた状態で硬直しまったのです。



八戒「どんだけ燃やせばこうなるらかぁーー!」


沙悟浄「いくら何だって!度が過ぎてますよ~!」


孫悟空「だってよ!もともとこの辺り一帯はガスが多い場所だったみたいでよ?俺様も知らなかった訳だし…」


沙悟浄「解ってたら普通火なんかつけませんよ!」



三蔵「つまり…何にせよ!この暑いのはすべて貴様の責任って訳なんだな?猿!」



孫悟空「やっぱし…そういう事になるのかな?アハハ…」



(ゴクリ…)



孫悟空兄貴は冷や汗をかきながら、三蔵様の怒りの矛先が自分に向いているのを直感したのでした。



三蔵「豚!河童!」


八戒&沙悟浄「オッケー!ボス!」



ちなみに、この掛け声は三蔵様から教わって、私達のマイブームになっています。



孫悟空「あわわ…待て!お前達?話せば解る!あわわ…」



《ドカスカ!バカスカ!ドカンドカン!》



孫悟空「うわぁ~殺生なぁ~!!」




私達は孫悟空兄貴をリンチしたのでした。





三蔵「とにかく、この山を越えない事には先へは進めん!お前達の力で何とかならないか?」



「オッケーボス!」




私達は三蔵様の命令に従い、山の火を消すために水術を試みたのです。



孫悟空「いでよ!ニョロ!」


孫悟空兄貴の身体から小さな蛇が出て来ました。これは水の聖獣らしく、孫悟空兄貴の水の法術を補助し倍増させるのです。



八戒「来るら!水の精霊達よ!」


沙悟浄「精霊さん達来て下さいよ~!」



そうそう!八戒兄貴と私はもともと水属性であり、水の精霊さん達に力を借りて水法術を使う事が出来るのです。私達は三人で一時間ほど鎮火作業を試みたのですが、やはり炎の力はおさまらなかったのでした。





三蔵「やはりダメか…」


八戒「どうするら?オラこれ以上は力出ないらよ!」



孫悟空「俺様もクタクタだ~!ん?河童どうした?」



沙悟浄「…………」



八戒「ん?おおっ!気付かない間に河童が干からびてるら~!」



私は脱水状態でミイラ化していたのです。



面目ないです。



私は先程の水筒の水を頭にかけて頂き命拾いしたのでした。




三蔵「さて、迂回するにもどうしたものか…」



孫悟空「地下通路から行けば良いんじゃねぇか?」




三蔵&八戒&沙悟浄


『はっ?地下通路???』



私達は孫悟空兄貴を睨むと、何事もないように平然と説明する孫悟空兄貴。



孫悟空「ん?どうしたよ?」



三蔵「猿…地下通路があるのか?」



孫悟空「そりゃあ~?こんな暑い場所にいたら俺様達妖怪でもたまったもんじゃないからな?昔、地下通路を作って俺様達も行き来していたんだぜ?」



三蔵「そうか…話は解った…」


孫悟空「そりゃあ良かった!」


三蔵「では、もう一つ聞く…」


孫悟空「何だ?」



三蔵「何故、地下通路があった事を先に言わなかったのだ?」



孫悟空「えっ?聞かれなかったし…あれ?怒ってたりしてますか?もしかして??」



孫悟空兄貴は冷や汗をかきながら、三蔵様の怒りの矛先が再び自分に向いている事に気付いたのでした。



てか、この説明二回目!




三蔵「豚!河童!」



八戒&沙悟浄「オッケー!ボス!」



孫悟空「あわわ…待て!お前達!話せば解る!あわわ…」



《ドカスカ!バカスカ!ドカンドカン!》



孫悟空「うわぁ~殺生なぁ~!!」





私達は再び孫悟空兄貴をリンチしたのでした。




暫くしてから私達は孫悟空兄貴に連れられて、隠し地下通路のある入口へと向かったのです。孫悟空兄貴は私達に殴られたタンコブを摩りながら、トボトボ先頭を歩いていました。



すると?




孫悟空「着いたぞ!」


私達の目の前には巨大な岩があったのです?


八戒「ここらか?」


孫悟空「おぅ任せろ!」



すると孫悟空兄貴はそこにあった巨大な岩を持ち上げ放り投げると、物凄い轟音を立てて地面に穴が開いたのでした。



三蔵&八戒&沙悟浄


「………?」




そして確かにその穴の奥から見える空洞には、人口的に作られた通路があったのです。



沙悟浄「ん?」



孫悟空兄貴達がその通路に入って行き、私達も行こうとした私の目に入ったのは『火炎山地下通路入口』と書かれている門が見えたのです。




あっ…入り口[門]があったんだ?


地面に穴を開けた必要なかったのでは?



しかも、この山は『火炎山』と言うのですね。



私達は火炎山の地下通路の中を進んで行くと、奥に進むにつれて通路の中は人工的になっていきました。まぁ、人工的と言っても妖怪の住処なので、妖怪工的?みたいな?


それにしても素晴らしい仕事していますね?美しい大理石で張り詰められた床、壁にも光る粉が撒かれ、ぼんやりと通路が照らし出されていたのです。



…ただ、至る所に人骨らしき物も転がっていたので、やはり妖怪の使う通路に間違いなさそうですが。




沙悟浄「なんか不気味ですねぇ~」


八戒「オラ…寒気してきたらよ…オラの野生の勘が危険らと言ってるらよ~」


孫悟空「アハハ!お前達そうビビるなよ~心配ないって!」


三蔵「猿、この通路は後どのくらい続くのだ?」


孫悟空「そうだな~?えっと…確か…」




『!!』





孫悟空兄貴が言いかけた時、私達は何者かが向けた強烈な妖気と視線[殺気]を感じたのでした!



八戒「なんら?この妖気は!」


沙悟浄「うわ!妖気に押し潰されそうですぅ!」


三蔵「ぐぐぅう!」


孫悟空「はっ!三蔵!」


孫悟空兄貴が叫ぶと同時に、何処からか異様な音が聞こえて来て、何かがこちらに向かって飛んで来たのです。




《ギュゥン!ギュゥン!ギュウン!ギュウン!ギュウン!》



何?何?通路の奥から…巨大な…巨大な!?



オゥ!ノォーー!!



じゃなかった…



巨大な斧が飛んできたじゃ、あ~りませんか!?



沙悟浄「うわぁ!こんな狭い場所で逃げ切れないですって!」


孫悟空「くそっ!如意棒!」



孫悟空兄貴は三蔵様の前に出ると、飛んで来た大斧を如意棒で受け止めたのです。



孫悟空「うぉおおお!」


しかし大斧の威力はおさまらない?



八戒「オラが力を貸すらよ!」


沙悟浄「私も!」



三人「うりゃああ!」


私達が孫悟空兄貴を支え、何とか飛んできた大斧を弾き返したのでした。



孫悟空「誰だ?隠れてないで姿を現せ!」



その時です。今度は轟音とともに何者かがこちらに向かって近付いて来たのです!



《ドシン!ドシン!ドシン!ドシン!ドシン!ドシン!》



それは、黒き鎧を纏った見上げる程の巨体の黒牛頭の妖怪だったのです!



黒牛「ヌォオオオ!」


黒牛の妖怪は転がっていた先程の斧を軽々拾い上げ、孫悟空兄貴に向かって振り下ろして来たのです!


その大斧を八戒兄貴が刀を抜き両腕に筋力倍加の術で受け止め、孫悟空兄貴が大斧を躱して黒牛妖怪に向けて如意棒を突き付けたのです!よろける黒牛頭の妖怪に向かって、私と八戒兄貴が孫悟空兄貴に加勢しようとしましたが、黒牛妖怪は大斧を払い、その突風だけで私達は吹き飛んでしまったのです。




三蔵「ぐぅ!」



しかも、その圧倒的な威圧感で三蔵様も身動き出来ないでいたのです。



孫悟空「ぐぉおおお!」


黒牛妖怪「ヌオオオオ!」



そして、孫悟空兄貴と突如襲って来た黒牛妖怪の二人は突然雄叫びをあげて!





『義兄弟!!』



と、お互いにガッシリと抱きしめ合ったのでした。




「はっ???」




一体全体どうなっているのですかぁ~?


沙悟浄「え?何事なんですか?今回の話は?」


孫悟空「だから~あいつの登場だろ?西遊記の話じゃ知らない奴はいないだろ?」


八戒「ちょっと待つらよ?西遊記ってなんら?」


孫悟空「はて?そう言えば?」





三蔵「ネタバレは許さん!」



三匹「オッケー・ボス!」

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