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登校という名のマラソンと瞬間移動

作者は頭が悪い上に地味に多忙なので、投稿はかなり不定期になると思います。

どうか気長にお待ち下さいm(_ _)m

都立東都西和南部北斗高等学校。

念の為にふりがなをふっておくと、

"とりつとうとさいわなんぶほくとこうとうがっこう"

通称"東西学校"は、

その奇妙な名前とは裏腹に偏差値は意外にも少し高く、都内でも有名な学校で、

学校の校訓は"自由におおらかに"

その校訓が示すとおり、部活動や文化祭が盛んな、名前以外はどこにでもある自由な校風の学校だった。





・・・・というのがこの学校の本性を知らない人達の評価である。

そんな評判を信じて色々なことを高校に入ってやろうと思っていた俺、武井和之は、列車に揺られながら登校していた。

(やばいなー、始業式だってのに超眠い)

都内から少し離れたところにあり、かつ東西学校へはモノレールで行く必要があるため、

朝のラッシュの時間帯にも関わらず席がまばらに空いていた。

(どうしよ、あと到着まで15分くらいあるし少し寝るかな・・・)

そしてそのまま寝入ってしまった。

そして・・・

「・・・次は~終点~附田~附田~」

「・・・は?」

車掌の声でようやく目覚め、恐る恐る携帯の時計を見る。

現在8時25分。

あと5分で始業式だというのに駅を3つ乗り過ごしていた。

「・・・」

携帯の液晶画面を見ながら固まる。

(夢かなこれ・・・)

椅子に座りながらそんな事を思っていると、

「うわああああああ!」

と、隣りの男の子が叫んだ。よく見ると自分と同じ、東西学校の制服を着ていた。

そしてまた、

「きゃああああああ!」

と、今度は反対側の女の子も叫んでいた。

こっちの人も東西学校の制服を着ていた。

(もしかして・・・)

俺のように乗り過ごしたのかと思っていたら

向こうの男の人もこちらに気づき、

「あれ、もしかしてあんたも・・・?」

男の人は顔面蒼白で、唇か震えていた。

俺はそれに無言で頷き、二人で立ち尽くしていた。

「え、待って、君たちも東西学校?」

と、女の子も聞いてきた。よくよく見れば結構可愛い子だ。だが今そんなことはどうでもいい。

「・・・・・」

3人の間に重い沈黙が漂う。

「と、とりあえず外に出ようか」

と、提案する。

そして

「あと5分か・・・走れば間に合うか」

と、驚きの事を男の子が言った。

「はあ!?」

と、思わず言ってしまった。

「いやいや、いくらなんでも東西学校まで5キロはあるぞ!?無理に決まって・・・」

初対面の人にずいぶん失礼かと思ったが、つい口に出して言ってしまった。

「ああ?5キロぐらい3分で行けるだろ」

さっきの蒼白な顔はどこへやら、準備体操を始めているのでどうやら本気のようだ。

「じゃあ二人とも学校で」

「あ、ちょっ、まっ」

止める前にすごいスピードで走り去ってしまった。

「すごい・・・あれなら本当に着いちゃうかも・・・」

と、女の子が言った。

(あんなスピードで走ったら体力もたないだろ・・・大丈夫か・・・?)

人の心配をしてる場合じゃないと思い、どうしようかと考えていると、

「うーん5キロならどうにかなるかな・・」

と、女の子が呟いた。

「・・・は?」

彼女を見てみると、かがみこんで地面に何かを書いている。

「あの・・・何してるの?」

できるだけやんわりと聞くと、

「え?ああ、魔法陣書いてるんですよ〜」

「・・・・・・」

もう関わらないようにしようかと思っていたら、

「よし、出来た〜」

とのんきな声が聞こえてきた。

なんとなく振り返ってみたら、彼女の体が光っていた。

俺が何も喋れないでいるのを見ながら

「それじゃ、学校で」

本気なのか?

「ま、まって」

「?」

「その・・・本当にいけるの?学校まで?」

「ええ、それがなにか?」

全く表情を変えず平然と言った。

もう始業式まで3分を切っている、どのみちこのままじゃ遅れる。なら・・・

「じゃあ・・・一緒に連れてってくれたりは・・・」

自分でも何言ってるんだと思ったが、女の子は、

「いいですよ〜」

とのほほんとした顔で言った。

「マジで!?」

「ただし・・・」

「?」

「死んでも責任とれませんよ?」

「は?」

それってどういう・・・と聞く前に腕を掴まれた。

「それじゃぁ行きましょうか」

しゅいん!という音がしたと思ったら意識を失った。






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