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雑草ダマシイ


高い壁 遮られた

限界まで 上げた叫び 消えた

負けたのか自分

心折れる音

欠片集めようにも

触れることができない

音もなく崩れゆくのは

ぼくの自信か

自尊心なのか


震える肩

嘲笑う膝

立ち上がる気力を

奮い起こすことへの恐怖

挑まなくてもいいだろ

別に

苦しいの分かりつつ

負けて悔しいのなんて

だって

一時の感情じゃないか


渦巻く言い訳と釈明

負け犬のにおいのする

喉の奥の言葉

吐き出したらここで

もう立ち上がらないだろうな

屈服したくないから

膝を折ってかしずくんだろうな


負けるのは イヤだな

だって

自分殺してまで

負けたことにしてやる

ほどに

壁なんか好きじゃないぜ


踏みつけられた

へし折られた

だからどうした

ぼくはまだ生きてる


顔についた泥を

はたき落としもせずに

眼光唸らせ雄叫びあげろ

ぼくはまだ死んでないぜ


壁が立ちふさがる

矛はぼくを向く

盾は行く手を阻み

つぶてが空を覆う

たとえ地雷原を

進みそれに挑むとしても

歩み出すことに

躊躇う必要がない


つぶてを払え

地を踏み砕け

爆風よりも疾く飛べ

盾を貫け

矛を引き裂け

星の数ほど踏まれるだろう

上には上が いるのだろう

ぼくが下でも構わない

さあ登ろうか

道を開こう

踏まれようとも止まらない

世界の形がこうであるなら

これが正しい道ならば

外れず行こう

真っ直ぐゆくぞ

さあ打て阻め 塞いでみせろ

ここには手負いの獣しかいない

この牙が届くその前に

仕留められるなら試すがいい


だが図らずも

愉快なことだ

ぼくは勝とうという気もない

行きたいとこへ 在るべきとこへ

踏まれることのないとこへ

行きたいだけの狼さ

道を開こう

塞ぐのならば

踏まれた数の

牙を生やして

ぼくは世界へ楯突こう

この世に生を

受けた証に

踏みつけることを良しとしない

獣の傷を遺してやろう


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