表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

第7話:日曜

今日は日曜日。

だから何時までも寝ていられる。

でも世の中はそんなに上手くいかないもんで、

「あ〜き〜ら〜ちゃ〜ん〜!!」


優ちゃんが僕を起こそうとする。

僕はせめてもの抵抗として、毛布を体にくるまらせた。

でも優ちゃんは僕を起こそうと無理矢理毛布をはぐる。

「ふわっ!!」


「明ちゃん起きてよ!」


「ぅ〜ん……今、何時なの?」


「えーっと、九時ちょっと前だよ。」


まだ早いじゃないか。

僕の日曜日の平均起床時間は十一時なのに。

「あと…二時間〜」


僕は優ちゃんから毛布を取り、もう一度くるませた。

「なに言ってんの!起きてよ〜!」


優ちゃんは僕を転がした。

それはもうゴロゴロと。

右へ転がしたと思ったら左へ。

左に転がしたと思ったら右へ。

あまりにも思いっきり転がすもんだから、僕は次第に気持ち悪くなってしまい、ついにギブアップした。

「もう起きるからやめて〜……」


「よろしい♪」


僕は開放されてホッとした。

目を開けると、まだパジャマ姿の優ちゃんがいた。

「アハハ、明ちゃん。」


「な、何?」


「髪の毛がピョンッてはねてるよ。」


「そう?でもそのうちなおるからいいや。」


それが僕の髪の毛の特徴だ。

特にいじらなくても元通りになる。

僕の数少ない自慢だ。

それから僕と優ちゃんは一階に降りて行った。

リビングではすでに母さんが朝食を作っていた。

というよりもう食器を運ぶだけのようだ。

「あら、二人ともおはよう。珍しいわね、明がこんな時間に起きるなんて。」


「私が起こしたの♪」


「そうなの?ありがとう優ちゃん♪」


「どういたしまして♪」


なんだか優ちゃんと母さんは妙に仲がいい気がする。

女同士だからかな。

ま、なんにしてもいい事だと思う。

「ねぇ明ちゃん。あのさ、今日ヒマだよね?」


「ん〜、はぁほうはへほ?」


一応

「まぁそうだけど?」

と言ったつもりだ。

しかし、朝食のパンを口に含んでいたので上手く舌がまわらなかった。

それでも優ちゃんには通じたようで、

「よかった〜♪」


といつもの笑顔で言った。

「それがどうしたの?」


「実はね、この街を案内してほしいなって思ったんだ。」


なるほどね。

優ちゃんの住んでいた所はここではない。

別の所だ。

優ちゃんがここに来たのはほんの2日前。

外に行ったのもせいぜいデパートぐらいだ。

「分かった。じゃあ行こうか。」


「ありがと♪」


「よかったわね、優ちゃん。」


「うん♪」


そんなわけで、僕は優ちゃんを案内する事になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ