第2話:墓地
最近やりたいことがたくさんあって、1日24時間じゃ足りなくなっている闇太郎です。この『君がやり残した事』の第1話ですが、途中で切れてしまいました。本っ当に申し訳ございません(>_<)…なんか前にもこんな事あったような。とにかく、今回はこの2話にその1話の続きも入れました。みなさん、これに懲りずにドンドン読んで下さい!そんなわけで、闇太郎でした。では本編もお楽しみ下さい♪
僕をふんづけた彼女は生きていないのだ。
そんなバカな話があるわけない、と思う人も絶対にいると思う。
というより大部分がそうだろう。
でも本当の出来事だ。
それが僕と彼女の出会いなのだから。
えーっと、確かあれは一週間前。
僕は母さんに頼まれた卵やらパンやらを買いに行き、家路へと歩いていた。
しばらく歩いた後、僕は立ち止まった。
家はもうすぐだ。
でも僕は立ち止まった。
なぜなら目の前にあるのは墓地。
昼間ならどうって事はないが、今は夜。
かなり怖い。
しかし、ここを通らなければ僕の家にはつかない。
本当は他にも道があるのだが、とても遠回りになってしまう。
時間も時間なので、そんな事はしてられない。
僕は意を決して前に進んだ。
ここを通るたびに、自分の家がお寺である事を呪いたくなる。
僕の家は代々そういう家系だ。
じいちゃんが言うには、とても由緒正しい家系らしい。
だが、そんな事を言っているじいちゃん自身がちょっとうさんくさい。
まぁそれは置いといて。
僕は早くこの場所を通り過ぎたい。
別にお寺の息子だからって霊が見えるわけではないし、しんじているわけでもない。
でも怖いものは怖いのだ。
ちなみに僕は霊を信じてないが、ゾンビは信じる。
だから、もしここにうめられている骨とかが蘇ったら……と思うとますます怖くなってくる。
時折風で揺れる樹々の音が恐怖を駆り立てる。
あ、もう少しでここを抜けられる。
よかった。
僕は足を早め出口へと急いだ。
しかし、
ガッ ズデッ
急ぎすぎて石につまずいてしまい、転んでしまった。
いきなりの事だったので顔面直撃だ。
「いてて……」
僕は鼻を押さえ、上半身だけを起こした。
そういえば卵とかはどこ行ってしまったんだろう。
自分自身に問いかけた時初めて、手から袋を離している事に気づいた。
周りをキョロキョロ見ると、丁度横に落ちていた。
幸い中身は無事だった。
僕は安心の言葉を口にしようとした。
「ふー、よかったよかっぶっ!!」
しかしそれはとぎれた。
なにかが上から僕の所に落ちてきたからだ。
顔の前で持っていた袋のおかげで、今度は顔面直撃を避けられた。
その代わりに卵はつぶれてしまっただろう。
グシャッというイヤな音が聞こえた。
僕は首を動かし上に乗っているものを見た。
ものではなく人だった。
それも女の子。
彼女はショートヘアーで、蒼い目をしていた。
暗闇でもはっきり分かるほどキレイな瞳だった。
彼女のそんな美しさのためか、上から僕に乗ったという理不尽さは感じなかった。
彼女はキョトンとして、自分と僕をみくらべていた。
「あの、君は誰…?」
彼女は少し考えた後、ニッコリ笑った。
「……。私?幽霊♪」
「え?」
この時、不思議と怖さは感じなかった。
もちろん、これから始まるハチャメチャな日々など、予想できるわけもなかった。