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第4話 「臆病である事と慎重である事も違う」

えー、期待していた方はすいません。


まだ戦闘には入らないのですよ…ではどうぞ。

「で、その大百足と言うのはどんな魔物なんだ?」


日が落ちかけた頃、命達はギルドの支部長と一つのテーブルに座っていた。


命の隣はアスカで、命の向かいが支部長。斜め前にカガミが座っている。


テーブルの上には様々な料理が置かれていた。


様々な野菜が入れられた野菜に大きめのステーキにスープの中に焼かれた豚足が入った物やパンやソーセージ等だ。


飲み物もあり、命とカガミとアスカは水だが支部長はジョッキに入ったビールだ。


「ん…まあ見た目は名前通り巨大な百足じゃな。堅い外殻を持ち武器での攻撃はあまり効果が無い…しかし外殻の隙間は柔らかいから効果があるぞい。後麻痺性の毒を煙を吐くから気をつけぇよ?」


そこで一度言葉を区切り、支部長は手に持っていたジョッキの中のビールを喉に通す。


「…ぷはっ!えーと、何処まで話したかの?」


「毒煙の所までです」


すかさずアスカが教える。


「あぁー、そうじゃったのう。まあ外殻は火や風にも強いが水と雷の魔法には弱いぞい…まあお主等は魔法はメインではなさそうじゃがな」


「ああ、俺が前衛でカガミが白魔法で補助、アスカは…まあ遠距離で援護だ」


命はスープの中にある豚足を取って噛りつきながら答える。


「じゃがお主からは妙な…と言うか神々しいまでの力を感じる。必ず討伐できると信じておるぞ」


自分の使う力の片鱗を感じ取った支部長に命は少し驚く。流石は年の功と言う所か。


「まあ、引き受けたからにはやり遂げる。アンタは報酬だけ用意して待っていればいい」


「随分な自信じゃが勇敢である事と無謀である事は違うぞ?」


「臆病である事と慎重である事も違う」


「はっはっは!こりゃ一本とられたの!」


そう言って食事の手を進めていると、先ほど命が蹴り飛ばして気を失っていた男が目を覚ました。


「う…ここは…?」


男は、周りを見渡して自分がどんな状況だったのかを思い出す。


「そ、そうだ…!あのガキに俺は…あのガキ何処に行きやがった!?ぶっ殺してやる!」


そして視線を辺りに向けると、不意に命と目が合う。


「テメェ!」


男が此方に向かってくるが、命は気にせず食事を続ける。


男は命の背中に立った所で、アスカが男を止めようとするが、命が視線で止めろと伝えるとアスカは大人しく座ったまま男を見ていた。


「み、命さん~!後ろ…」


カガミもあたふたしているが当の本人は涼しい顔で座っている。


何故か支部長も全く動かない。


「無視してんじゃ…」


男が剣を鞘から抜き、振り上げ…


「ねぇよ!」


振り下ろす。その行動に流石に周りもギョッとした声を出す。


勿論、殺せば犯罪である。


しかし一瞬、ピリッとした空気が辺りを包む。


次の瞬間、剣の軌道が逸れて命から外れ、テーブルに食い込む。


「…どうした?狙わないのか?」


「あ…う…くそっ!覚えてろよ!」


男は何故か慌てた様子で剣を収めてギルドから逃げていく。


「ふぁふぁふぁ!まさかお主のような若い者にあんな芸当ができるとは流石に思わなかったのう」


「別に…面倒だっただけだ」


当事者の命を含め、この2人は何をしたのか分かっているようだ。


「…あの~…命さんは何をしたんですか~?」


「マスター命、私にも教えて頂きたいのですが…」


どうやら仲間の2人にも分からなかったらしい。


「今、後ろから剣を振り下ろされたじゃろう?あの男もギルドランクCC、素人なら防御しようとするが恐らく死ぬじゃろう。そして熟練者なら何とかして防ぎ、達人ならば僅かに動いて回避するじゃろう…」


命の代わりに支部長が答える。


「しかし、今マスター命は動きませんでしたが…?」


「そう、少年は動いておらん。今のはあの男が自分で剣を逸らしたのじゃ」


「何でですか~?」


「殺気、というものを少年はあの男にぶつけたのじゃ。その殺気であの男は少年に剣を当てるのが危険だと本能で悟ったのじゃよ」


そう、さっきの男は、命に剣を当てる事を本能的に恐れたのだ。


「命さんはそんな事ができるんですね~」


「本当に強い相手には効かない。忌々しい事に俺の爺くらいになると逆に俺が恐れちまう」


「お主のお爺さんか、相当な化け物なのじゃろうのう」


「ああ、アイツは間違いなく化け物の中でも最上級の部類に入るだろうな」


チッと舌打ちをすると、命は立ち上がる。


「どうしたんじゃ?」


「明日の朝出発するから今の内に装備を整える。行くぞカガミ、アスカ」


「はい~。では支部長さん、失礼します~」


「では」


命はそのまま出口に向かい、カガミは支部長に律儀に頭を下げてから命を追い、アスカも口だけで断り出口に向かった。


するとカウンターから先ほど命達の部位を換金した女性が支部長の元へやって来る。


「支部長、あの少年達はやってくれるでしょうか…?」


「ふむ…彼らが無理なら、この町は終わりかもしれんの…」


「そうですよね…鉄の大地にあるのはよく分からない鉄で不純物が多く混ざっているから価値はありませんしこの町も何か特徴があると言うわけではないし…国にとってはどうでもいいんですよね…」


受付嬢の女性は顔を伏せ、声が少しずつ小さくなっていく。


「まあ大丈夫じゃろう。あの殺気は本物じゃ。あれは本物の達人にしか発す事は出来んからな」


「そうですか…?」


「まあワシらには祈る事しか出来んよ」


笑いながら酒を飲む支部長に、受付嬢の女性は溜息を吐く事しか出来なかった。




「あ、そう言えばあの人達お勘定が…」


「…そう言えばそうじゃのう」


「では支部長が払って下さいね」


「わ、ワシが!?」


「支部長も料理食べてたじゃないですか」


「…はて、メシはまだかのう?」


「ボケたフリしても駄目です」


「…」


一方、傭兵ギルドを出た命達は…


「命さん、これからどうするんですか~?」


「武器屋に行って武器の調達をする」


そう、武器屋に向かっていた。因みに場所は先にギルドを出た命が人に聞いておいた。


「え~?でも命さんは創造で作れますよね~?」


首を傾けて不思議そうにするカガミ。


「ああ。だから買いに行くのはお前達の武器だ」


「私達の…ですか~?」


「カガミは杖くらい持っていた方がいいだろう?アスカには…まあ銃があればいいんだが、無ければそれでいいだろう。っとここだな」


辿り着いた建物の前には剣と盾が描かれた看板が置いてあり、武器屋と書かれていた。


そして命達はドアを開けて中に入る。


店の奥にはふて腐れた顔をした店主のようなオッサンが1人いたが、命達を見ると目を輝かせてやって来た。


「いらっしゃいませ!さぁどうぞ見て行って下さい!」


いやらしい笑顔を浮かべて詰めて来て、手もみもしている。


「魔法使い用の杖と鎧を見せてくれ」


「はいはい只今」


奥から幾つもの長い魔法の杖を持ってくる。


鉄製の物や木製の物、中にはキラキラと綺麗な装飾が施された物もあった。


「お勧めはこのダイヤロッドですよ?魔法効果を高めるダイヤが埋め込まれた杖で…」


「カガミ、お前に任せる。俺は魔法の事は分からないからな」


「は~い、分かりました~」


店長を完全に無視し、カガミが前に出て杖を見ていく。


「あ、あの…」


「ん~、私はこれにします~」


カガミが手に取ったのは木製で、長さは120cmほどの杖だった。


「そ、それはウッドロッドですが…お勧めは此方ですよ?」


店長はさっきのダイヤが埋め込まれた杖を前に出すが…


「いえ~、私の力ではあまり重い物は持てないので木製でいいんです~。それにそのダイヤは魔力が表面に塗られただけのただのダイヤですよ~?ダイヤそのものが魔力を持っている訳じゃないから効果はありませんよ~」


「うっ!?…で、では次は魔法使い用の鎧です…」


無理矢理誤魔化した。


「まあ鎧と言ってもほとんど軽くて服に近い物ですが…」


次に店主が奥から持ってきた物は、様々な色の布製の服のような物だ。


「さあ!お勧めはこのゴールドローブ!服に魔法防御力を高める金が仕込まれていまして…しかも金が入ってるから物理防御力も上がるという…」


「これにします~」


そう言って手に取ったのは白い修道服のような物。


「え?それは修道者の衣…ゴールドローブは?」


「いりません~」


「ガーン!」


ガックリと項垂れる店長を見て、よほど高いものを売りたかったんだろうな。と、命は思い、一応壁に立てかけられている剣を見ていた。


木箱に入っているロングソードを手に取り、刃をじっくり見るが木箱に戻し、壁に掛けてある宝石が刀身と鍔、柄に埋め込まれたキラキラした剣を手に取った。


「おぉ!お客様はお目が高い…その剣は彼の有名な鍛冶師のダリウス・ワーナックの作品です。少々お値段は張るのですが…それに答えるだけの性能はあります」


説明を受けながら刃を見る命だが、その顔は良くない。


「駄目だな。こんなナマクラじゃ数回打ち合っただけで刃こぼれする。それに宝石が無駄だ」


一蹴して乱暴に剣を壁に掛け直す。


「あ、ああ…」


店長はまたガックリと項垂れている。


「フン、少しは見る目のある者が来た様だな」


突然、誰もいない部屋の隅から声が聞こえる。


「…何だ?」


「はぁ…お前は黙ってろ!この屑鉄が!」


「誰が屑鉄だ!私は騎士の中の騎士!剣の中の剣!名をレグオンだ!」


何故か店長も部屋の隅に叫び、口げんかになっている。


「…まさかな」


命は部屋の隅まで行くと、棚の陰になっていて見えなかった所に一本の剣を見つけた。


「意思を持つ剣、インテリジェンスウェポンか?」


その剣を鞘から抜こうとするが、何故か抜けない。


「そうだが…私を抜こうとするな。私は主と認めた物以外に刃を見せるつもりは無い」


レグオンと名乗った剣は命を拒むように言葉を放った。


「てめっ!お客様になんて事を言うんだ!」


「フン!私を扱いたければ弱き者の為に、仕える主の為に、そういった騎士道を持たない奴に振られるつもりは無い!」


どうやらこの剣は根っからの騎士らしい。


しかし命は口元をニヤリと歪めてこう言った。


「…気に入った。おい、これもくれ」


「へ?」


「は?」


店長と剣の気の抜けた声が出る。


「な…!?私は騎士道を持たない者に振られるつもりは無いぞ!」


「別に振られなくていい。俺の腰にいて話し相手になれ」


「ふ、ふざけるな!」


「大真面目だ。店長、銃は取り扱っていないか?」


ニヤリとした笑顔を浮かべたまま店長に聞く命。


「へ、へぇ…銃ってのはあのマスケット式の銃ですか?」


「マスケット…単発式か…他には無いのか?」


「はい、家が取り扱っている銃はマスケット式が数個だけです…」


「なら杖と服とこの剣でいい。勘定してくれ」


カウンターにレグオンと杖と服を置くと、命は金の入った袋を出す。


「全部で4200ギルになります」


「…アスカ、頼む」


「はい」


命は一旦下がり、アスカが前に出て勘定をする。


金貨1枚を払い、銀塊5つと銀貨8つをつりとして貰った。


何故命が下がったのかと言うと、金の単位が分からなかったのだ。


カガミは着替え用の個室で服を着替え、背中に杖であるウッドロッドを背負い、命はレグオンを腰に挿して店を出た。


「マスター命、これからどうしますか?」


「宿を探そう。日も落ちたしな」


そう、武器屋を出た時点で外は日が落ちて暗くなっていた。


「すまない、この辺りで宿は何処にある?」


命は近くにいた女性に声をかける。


「え?アンタ達宿を探しているのかい?」


「ああ」


「なら家においで!あたしの家は宿をやってるんだ!」


何かとパワフルな女性は、笑顔で命達を誘う。


「なら泊まらせて貰おう…まあ1日だが」


「今この町は不況だからね!少しでも稼がないと駄目なのさ!あたしの名前はダーナって言うのさ。さあおいで」


そして命達はダーナに付いて行く事にする。


「最近バグラの谷の大百足のせいで客足がパッタリ途絶えちゃってね…元々こんな最西端の町に来る人は珍しいからね…」


「そうなんですか~、なら明日は必ず成功させましょうね~」


「成功って…何をだい?」


「明日、私達はその大百足の討伐に向かいます」


アスカの言葉に、思い切り目を見開いて驚くダーナ。


「ば、バカ言っちゃいけないよ!?今までにこの町から大百足を倒すために何十人も傭兵や騎士がバグラの谷に行って、誰一人として帰ってきちゃいないんだ!」


焦った様子で言うが命達は涼しい顔をしている。


いや、カガミだけは顔に冷や汗が浮かんでいるが。


「今までの奴らは、だろう?アンタから見れば俺達は若いだろうが実力は知らない。自分の物差しで他人を判断するな」


初対面の年上にそこまで言える人はそういない。流石は命の毒舌。


「で、でもねぇ…」


「俺達の進む道は、俺達が決める。ただそれだけだ」


ダーナの目を見てキッパリと答える命に、ダーナは諦めたような顔をした。


「分かったよ、もう何も言わないさ。さあ着いたよ」


目の前の宿は、少し小さかったがしっかりとした造りの建物だった。


看板には、宿屋・月の屋根と書かれている。


「さあ入りな。ほらアンタ!客が来たよ!」


中に入ると、1階は酒場のようなテーブルと椅子がたくさん置いてあり、カウンターの向こうには小太りのオッサンが座っていた。


「あ?客?」


「そうだよ、さっさと仕事しな!」


「分かった。いらっしゃい!宿屋・月の屋根へ!」


笑顔を浮かべて挨拶をするオッサン。


「ああ、3人が泊まれる部屋を借りたい」


「あいよ、じゃあ2階の205室を使ってくれ!お代は5ギルだ」


カウンターの下から部屋の鍵らしきものを取り出すと命に渡す。


そしてアスカが袋から銅貨を5枚取り出してカウンターに置いた。


「ああ、それからヤル時はできるだけ静かにな!」


その一言に、命は軽く転びそうになり、カガミは顔が真っ赤になる。アスカはいつも通りの無表情だ。


「そんな事はしない」


「またまた~、そんな綺麗な姉ちゃん2人も侍らせて…」


「2人は仲間だ。恋人と言うわけじゃない」


「こらアンタ!余計な事言うんじゃないよ!」


そんなオッサンの頭をガツンと殴るダーナ。


「いだっ!何すんだ!」


「折角の客にそんな事言うもんじゃないよ!悪かったね、食事はどうするんだい?」


「既に食べてきたから要らない。明日の朝の食事だけ頼む」


「分かったよ。食事は別料金だからね」


「ああ、お休み」


それだけ言うと、命達は2階に上がり205と書かれたプレートの部屋に入った。


中にはベッドが3つに丸テーブルが1つ、椅子が3つで窓があるという普通の部屋だった。


「明日は大百足と戦うし、早めに寝ろよ」


「はい~、では私はもう休みますね~」


カガミはベッドの1つに潜り込み、すぐに眠ってしまった。


「…アスカは寝ないのか?」


「はい、私は眠る必要が無いので。一応スリープモードはあるのですが魔力や傷を癒す時意外は使いません」


「そうなのか…所でレグオン、何故お前は抜けないんだ?」


「…」


腰に挿したレグオンに問いかけるが、返事は無い。


「どうした?喋れなくなったのか?」


「…貴様と喋る筋合いなど無い」


「言ってくれるな、店長の言っていた通りだな。抜けない剣は鉄屑だ」


「フン!私は店でも言った通り、騎士道を持たない者に扱われるつもりは無い。私を使いたければ貴様の騎士道を聞かせ、実行してみせろ!」


「…じゃあ俺にお前を抜く事は出来そうに無いな。まあ話し相手になってくれよ?」


命はそう言うとレグオンを腰に巻いていた上着から外すと、乱暴に壁に立てかけた。


「もっと丁寧に扱え馬鹿者!」


「考えておくよ。俺も寝る。お休みアスカ」


「お休みなさい、マスター命」


夜の挨拶を済ませると、命は静かに眠りに落ちた。


「…貴様、確かアスカと言ったな?」


「…」


「無視をするなっ!」


「…マスター命からカガミの質問には答えろと言われましたが貴方からの質問に答えろという命令は受けていません。従って貴方の質問に答える義務はありません」


淡々に答えるアスカに、レグオンは少し唸ると静かになったが、また喋り出す。


「フン…こんな小僧を主と呼ぶとは酔狂な奴だな」


「私に設定されたマスターはマスター命です。なら私はマスター命の命令に従うまで…」


「本当に酔狂な奴だな…」


「…」


「…」


その後、2人…いや、1人と1本の間で言葉が交わされる事は無かった。



□□□□□


翌朝。


最初に起きたのは命で、その後いくら起こしてもカガミが起きないので、頭に拳骨を落とした。


アスカは寝ておらず、レグオンも剣であるので眠る事は無かった。


命は腰にレグオンを挿し、準備を整えると1階に降りた。


「やあおはよう」


1階に降りると、そこにはダーナがいて、テーブルの1つにはサラダとパンとグラタンが置かれていた。


「朝食だよ。代金は2ギル」


アスカは、袋から銅貨を2つ取り出してダーナに渡した。


「では頂こう」


命達はテーブルに座り、食事にありついた。


「…そう言えばアスカ、お前飯は食べるんだな?」


「はい、私の人間で言う血液の流れ…私の場合はオイルですが、それらは食事を取る事で生成されるのです」


眠らないのに食事を取るロボットとは珍しい。


そして食事を終えた命達は立ち上がり、宿の出口に向かう。


「行くのかい?」


ダーナから声がかけられると、命は振り返らずに立ち止まる。


「ああ、また少し準備をしてな」


「死ぬんじゃないよ…」


「…分かっている。行くぞ」


ダーナから言われた言葉に、フッと笑顔を浮かべる命は、宿のドアを開けた。


「ダーナさん、お世話になりました~」


カガミはお辞儀をして別れを告げる。


「では」


アスカも無表情ながら別れの挨拶をした。


そして宿から出ると、日はまだ昇りきっておらず、少しだけ肌寒い。


「命さん~、もう大百足討伐に行くんですか~?」


「ああ。だがその前に薬を買ってからな」


今度は宿の向かいにあった道具屋に入る3人。


中にはまだ若い青年がいた。


「いらっしゃいませ。本日はどのような品をお求めで?」


「傷を治せる薬品と麻痺毒を解毒できる薬、後地図を」


「はい、回復薬と麻痺消し草と地図ですね?幾つですか?」


「それぞれ10個ずつ」


そう言うと、青年は後ろから緑色の液体が入ったビンと、数本束ねられた草を持ってきた。


「全部で32ギルになります」


アスカが前に出ようとするが、命は自分で袋から銀貨を1枚取り出した。


「これでいいな?」


「はい、100ギルお預かりします。おつりは68ギルです、ありがとうございました」


回復薬と麻痺消し草を袋につめると、命は店を出た。


「命さんお金の価値を覚えたんですか~?」


「ああ、銅貨が1枚で1ギル、銅塊1つで10ギル、銀貨1枚で100ギル、銀塊1つで1000ギル、金貨1枚で10000ギル、金塊1つで100000ギルだろう?」


「正解です~!でもそれ以上の白銀貨は1枚で1000000ギルで白銀塊は10000000ギルですよ~。でも白銀なんて王族か公爵家以上の貴族しか持っていませんけれどね~」


「そうか、じゃあ準備も整ったし、バグラの谷に向かうぞ」


地図によると、ここから東に向かった場所がバグラの谷である。


命達は、町の東門から出ると、バグラの谷を目指したのであった。

三点「どーも!今回は命が購入した意思を持つ剣、レグオンさんに来ていただきました!」


レグオン「フン!こんな所へ呼びおって!」


三点「そう言わないで下さいよ~!テンション上げていきましょう!」


レグオン「仕方のない奴だ」


三点「じゃあ質問なんだけど…レグオンさんって作られてから何歳くらい?ってかインテリジェンスウェポンなんてどうやって作るの?」


レグオン「インテリジェンスウェポンは、専用の魔法陣内に、憑依させる武具と人間を入れて上位魔法使い数十人で呪文を唱えるだけだ。私はこの体になって100年ほど経つ」


三点「へぇ~、結構大変なんですな。まあぶっちゃけた話インテリジェンスウェポンはいろんなマンガやアニメに出てるよね」


レグオン「そうだな。例えばテ○ルズオブデス○ィニーやゼロの○い魔とかな」


三点「…なんで知ってるの?」


レグオン「…秘密だ!…って待て!何処へ持って行く気だ!?おい待て!私は剣だから水に落とされると…ってギャアアアアアアアアア!?」


三点「さて次回は…


とうとう大百足討伐の為にバグラの谷へ向かった命達…


谷に住み着いた巨大な主に、今神の雷が落ちる!


次回、「あいつ等、どうしてるかな…」をお楽しみに!」

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