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第10話 「神々の戦いに約束の地か…」

どうもこんちわ、三点リーダです。


今回は刹那と、命が異世界に来るきっかけとなる転生者が登場します。


まぁ、転生者は噛ませ臭がプンプン匂いますが…。


とにかくどうぞ。

「だから俺は攫われて売られそうだった仲間を助けに行っただけだ!いい加減にしろ!」


只今命は、石壁に囲まれた部屋で取調べを受けていた。


その部屋には質素な椅子とテーブルしかなく、まるで檻にでも入れられているかのようだ。


「証拠や証人はいるのか?」


「だから1人で来いって言われてたからいないっての…大体そんな闇市に行く奴が証人になる訳ないだろ」


鎧を着た兵士が問うが、至極当然のように返す命。


因みにカガミとアスカ、紅葉にクリナも別室で取り調べ中だ。


「…現場の情報を待つ、お前の身柄を暫くの間預かるから付いて来い」


「チッ…」


命は腕に手錠を付けられて兵士に付いて行く。


鎖を引きちぎる事ができる命ならば、手錠は簡単に外せるが今は他の仲間の事もあり、大人しくしていた。


辿り着いたのは牢屋部屋。


此処の1番奥の部屋に、命は入れられた。


「此処で大人しくしていろ」


鍵が閉められて部屋から兵士が出て行くのを確認した命は、腕に力を込めて手錠を引きちぎり、外した。


「ったく、囚人扱いか…ぶっ殺してやろうかあいつ等」


檻の中に入れられてもこんな口が叩ける人物はそう居ないだろう。


暫く檻の中でジッとしていたが、誰かが部屋の中に入ってくる。


「ほら、此処に入っていろ」


反対側の檻に入れられたのは、カガミとクリナの2人だった。


「よう、反対側だな」


「あ、命さん~」


「全く…そっちの方は信用して貰えた?」


「いいや、全く」


命がそう答えると、クリナもため息を吐いた。


2人も信用して貰えなかったようだ。


「あの兵士達は頭が固いと言うか何と言うか…」


「で、でも私達は何もしていないんですし…きっと出して貰えますよね~?」


「さぁな、人身売買の会場は吹っ飛んだし…証拠が出てこなかったら難癖つけて捕まえてくると思うぞ」


確かに、此処まで来て何も見つけられなければ八つ当たりでこのまま捕まる可能性も有る。


「その場合は力尽くで脱走するからな」


「指名手配とかされてしまうんでしょうか~?」


「そうなったらほぼ間違いなくされるわね」


そうして3人で話していると、再び誰かが入ってくる。


アスカと紅葉だ。


2人は俺の隣の部屋に入れられた。


「お2人はどうでしたか~?」


「まるで話しにならんでござるよ…」


「申し訳ありません、マスター命」


アスカも紅葉も信じて貰えなかったらしい。


「まあ、結果が出るまで待ってみよう…それで駄目そうだったら俺は問答無用で脱走するからな」


「とんでもない事此処で宣言しないで頂戴」


暫く5人で話して待っていると扉が開き、あの時副団長と名乗った男…リゼル・ハルヴァヤーが入ってきた。


あとその部下っぽい人が2人。


「お前は…」


「悪かったな君達。先ほど黒ローブの女を捕らえたんだが、その女を少し脅したら全て吐いた」


どうやら、命の力尽く脱走大作戦(仮)は実行されずに済んだようだ。


檻が開けられて全員出る。


「チ…だが良く捕まえられたな」


「そいつが言うには闇市の様子を見て来いと言われていたらしい…そこを捕らえたんだ」


「その女1発殴らせろ」


拳をポキポキと鳴らしてリゼルに詰め寄る。


「殴らせるのは流石に駄目だ…だが会う程度は出来るぞ」


「ならそっちでいい…ちょいと聞きたい事がある」


「喋るとは限らないぞ?」


「いいから連れてけ」


この口調では頼み事と言うか強制である。


その後、命達はリゼルに連れられてその女が拘束されている場所まで案内された。


「此処だ」


リゼルが扉を開けると、なんとそこには見知った顔があった。


セミロングの黒髪に質素な服…そして頭からは猫の様な耳に、猫の様な尻尾もある。


それは見間違う事は無かった…何故なら最近見た顔だからだ。


「アノン…」


そう、あのラモスの奴隷だった半獣人の女であるアノンだった。


「皆さん…」


アノンは驚いた風もせずに此方を向いた。


手は後ろで手錠をせれていて拘束されている。


「お前…なんで此処に…と言うか…」


「順を追ってお話します…」


そう言われたので、命達は向かいの椅子に座る。


「…アノン、何故此処にいるの?」


「私は昨日…あの人身売買の会場にいました」


「っ!?」


命とアスカ以外の全員が息を呑む。


「何故なら、ご主人様…いえラモスは奴隷を売りに来たからです」


紡がれる言葉に、命は眉を顰める。


「貴方達が護衛してくれた荷物の中身には、フェルナードで攫った娘が2人いました…それをこの街に売りに来たのです」


「でも…門を通る時に荷物の検査をしたんじゃ~?」


カガミの言うとおり、門番は怪しい物は無かったと言っていた。


「門番は人身売買の協会に買収されています…合言葉と金を渡せば簡単に通る事が出来ます…そこでラモスは、容姿の優れたカガミさん、アスカさん、クリナさんを攫ったんです。紅葉さんは、侍で腕が立つので…」


「…む?ではラモス殿はあのレッド・ジョーカーとグルという事でござるか?」


「私はそこまで情報を貰っていませんが…恐らくそうです」


そこまで聞いて命は考える。


あの時ブラックとレッドは命令を受けて自分を殺そうとしていた…なら上司のような人物が居る筈。


この話を聞く限りラモスが2人の上司である可能性が出てきた。


「あら、いやに主人の情報を喋ると思ったら首輪が外れたのね」


クリナが言ったのを聞き、皆アノンの首を見ると確かに首輪が外れている。


「首輪が如何したんだ?」


「命さんは知りませんでしたね~、あの首輪は隷属の首輪と言いまして~…あれを付けていると魔力効果で契約した主人の言う事には絶対服従させられるんです~」


「何故かは分かりませんが、私が捕まった後に暫くして魔力が消えたんです…」


命は再び考える。


何故魔力効果が消えたのか…。


アノンは既に用済みなのだろうか?しかし自分の情報を話す人物の契約を簡単に解除するだろうか?


「おい、その首輪…他に魔力が消える方法はあるか?」


「え~と…確か主人が他の人物に権利を渡す時と~…主人が死んでしまった時です~」


そして、命は1つの仮説に至った。


「マスター命、私の考えでは…」


どうやらアスカも命と同じ考えに至ったようだ。


「言わなくて良い。アノン、ラモスは何処に居る?」


「街の繫華街の傍にある宿屋ですが…」


「行くぞ」


アスカは理解しているのですぐに命に着いて行くが、カガミは戸惑っているようだ。


「ラモスさんの所にですか~?でももう逃げちゃってるかもしれませんよ~?」


「俺の予想だと…まだ居る…少し遅いだろうがな」


「如何いう事ですか~?」


「リゼル、アンタも来てくれ」


カガミの質問には答えずに、リゼルも連れて宿に向かった。



□□□□□


命、カガミ、アスカとクリナに紅葉…アノン、そしてリゼルとその部下2名の計9人で宿屋に辿り着いた。


「此処の316号室です」


アノンが先導して部屋の前に到着する。


「…皆、一応警戒しておけ」


それぞれ武器に手をかけておく。


そしてゆっくりと扉を開くと……


「これは…」


「酷い…わね…」


「く…外道め…!」


部屋の中は惨劇…壁には黒ずんだ赤い血がべったりと付いている。


床にも大量の血痕と斬られたかのように切り刻まれた肉片。


そして部屋の一番奥の壁にはかつて人であった物体と、その傍に血で文字が書かれていた。


文字はこう書かれていた。


「異界人よ、彼の者の末裔が望みし闘争…それは神々の戦い…約束の地にて待つ…。どういう意味だ?」


リゼルが読み上げるが、命以外は首を捻っている。


カガミは口を押さえて嘔吐を抑えているので見ていなかった。


「命殿…この死体はやはり…」


「判別し難いが…恐らくラモスだろうな」


酷い殺され方だ…四肢を切り刻まれて体を抉られている。


「死体と血を見る限り殺されたのはついさっきだな…おい、至急この宿に泊まっている人に話を聞くんだ!それから門では厳戒態勢を取れ!」


リゼルの部下は急いで部屋を出ていった。


「神々の戦いに約束の地か…」


命はカガミが何か知っていないか聞こうと思ったが、まだ吐き気を抑えていたので後回しにすることにした。


「皆はこの状況を如何思う?」


リゼルは皆の意見を聞きたくなったのか質問する。


「さっきのアノンの話と統合して考えると、何処かの組織の一員だったが用済みになって始末された…って所か?」


「私もマスター命と同じ意見です」


「そうか…」


やはり…そう思ったような顔をするリゼル。


「皆悪いが…もう少しの間だけ捜査に協力して欲しい…」


皆に頭を下げて頼み込むリゼル…。


「…少しの間だけだからな」


「うむ、拙者も協力しよう」


「そんなに時間を取らないなら…考えてあげるわ」


「すまん…」


こうして、命達はもう暫くの間だけ協力する事になった。



□□□□□


此処は何処かの城にある大きな広場。


カキィンと剣と剣がぶつかり合う。


だが片方…青年の持つ剣は吹き飛ばされてしまう。


そしてもう片方の剣を握る顔に髭が生え、髪の毛も白く染まり始めた初老の兵士は蹴りを繰り出して青年を吹き飛ばした。


「うぐっ!」


「俺の勝ちだな」


初老の兵士は青年に剣を突きつけるとそう宣言した。


「くっそ…今回はいけると思ったのに!」


仰向けに倒れながらそう叫んだ青年は宮里刹那だ。


此方の世界風に言うと刹那・宮里。


彼がこの世界に呼び出されて既に2週間が経過した。


「刹那様、お疲れ様でした」


刹那と初老の兵士に近づくのは白いドレスを身に纏った少女。


白銀の長い髪はサラリと揺れて、青いサファイアのような瞳は大きくて美しい。


正に絶世の美女とはこの人の事だろう。


「あ、ソフィア…」


「今日は惜しかったですよ」


そう言いながらソフィアと呼ばれた少女は刹那にタオルのような布を渡した。


「ありがとうソフィア」


刹那はタオルで汗を拭って笑顔でお礼を言うと、ソフィアは顔を僅かに赤くして俯く。


「い、いいえ…//我等を救っていただく英雄の刹那様の為に働くのはこの国の姫として当然です…///」


そう、ソフィアはこの国の姫だ。


此処は南大陸のほぼ中央にある国…ノーランド王国だ。


「それにしても…まだガリアンに勝てないんじゃ…俺戦いに勝ち残る自信無いよ…」


「そうでもない…初日と比べれば雲泥の差だ」


初老の男…ガリアンは刹那に近づいてそう言った。


「でもなぁ…」


1週間前、この世界に魔法によって呼び出された刹那と縁…。


呼び出されたその理由はこの南大陸で勃発された戦争が原因だ。


南大陸の最西端にある巨大な国のガーランド王国と、南大陸の最東端にある大きな国…帝王国によっての巨大な戦争だ。


だが、2つの巨大な力を誇る国の戦いの被害は、南大陸の内陸の国に被害をもたらした。


戦場となるのは内陸の国々の領土で、作物は魔法によって燃え、人々も巻き込まれて死んでいく…。


それを止める為に、異界から救世主を求める事になったのだ。


遥か太古の時代にも、異界の住人によってこの世界が救われたという伝承が残っていたのだ。


そしてこの世界に呼び出された刹那と縁は、国を救って欲しいと懇願された。


刹那は頭を整理して判断した結果、帰るための魔法は存在しないという事なので、できる事をするために引き受けたのだった。


縁も、しぶしぶながら引き受けた。


「そう言えば橘は?」


「魔法の訓練を裏庭でしています…あの方の魔法の才能はずば抜けています」


「そう言う意味では、刹那も剣術はかなりの速度で成長しているぞ」


そう、この世界に来て基本的な能力も上昇し、刹那も縁もスポンジが水を吸うように技術を吸収していったのだった。


「さぁ刹那、もう一試合するか!」


「ようし今度は負けないぞガリアン!」


剣を持ち直しながら向かい合う2人を見て、ソフィアはクスクスと笑う。


「おーおー、雑魚同士で無駄な努力ご苦労さん」


そう言って広場に近づいてくる男が1人。


服は旅人のような軽装の鎧で、背中には槍を背負っている。


紫色の短髪を靡かせ、その顔はかなり整っている。


「クロス様!その様な言い方は失礼ではありませんか!」


「なんだよ、事実を言っただけだろソフィアちゃん?」


「貴方は確かに私達の恩人ですが、その様な言い方は許しませんよ!」


「…チッ、分かってるって」


この紫髪の男の名はクロス・キングハーツ。


旅の魔法戦士であるが、詳細は不明。


刹那達が呼び出された時に複雑そうな顔をしていた男だ。


槍の腕はかなりの物であり、魔法に関しては世界でも5本の指には入る実力者。


「いいんだよソフィア…俺が弱いのは事実だし」


苦笑いを浮かべて受け入れる刹那だが、その表情は少し悔しそうだ。


「かっかっか!分かってりゃいいんだよ!じゃあ俺は部屋に戻るからな…精々頑張れよ!」


そう言ってクロスは城へ行ってしまった。


「すいません刹那様…」


申し訳無さそうに謝罪するソフィアだが、刹那は笑顔を浮かべた。


「いいんだよ…だってこれから強くなっていけばいいんだしね。さぁ!やろうガリアン!」


「ああ、行くぞ!」


そしてまた、城の広場に剣と剣がぶつかり合う音が響いた。



□□□□□


「ったく、ソフィアちゃんは刹那ってのに肩入れし過ぎだぜ」


そう文句を言うのは城に厄介になっている旅人のクロス・キングハーツだ。


彼は割り当てられた部屋に戻ると、部屋に鍵をかける。


「よーし、魔道具発動…(ゲート)の鍵!」


懐から黒く輝く鍵を取り出すと、何も無い空間に鍵を回す。


すると光が現れて不思議な門が形成される。


その門を、クロスは何の躊躇も無く潜った。


門の向こうは壁に囲まれた薄暗い部屋だった。


クロスはその部屋の奥へと進んでいくと、1番奥にはまるで鉄格子の様な扉があった。


「さぁて、そろそろ折れたかね?」


そう言って扉を開けて向こうに行くと、牢屋部屋のような場所だった。


廊下の左右には幾つもの牢屋があり、中には質素な服を着せられた女性、少女、更には幼女までもが鎖で繋がれていた。


彼女達はクロスを見ると、怯えたように身を寄せ合った。


だがクロスは彼女達には目もくれずに1番奥にある更なる部屋に繋がる扉を目指した。


そして次の扉を開けると、そこは今までで1番広い部屋だった。


だがその奥にはやはり牢屋があった。


この牢屋の中には1人しかいない。


紫色の肩の下まで伸びる美しい髪だが、手入れされていないせいで少し痛んでいる。


キリッとした目つきで、髪の毛と同じ紫色の瞳はクロスを睨んでいる。


見た目の最大の特徴は人間とは違う長くとがった耳。


服装は先ほどの牢屋に入れられていた女性と同じく、質素な服を着せられており、鎖で後ろ手に縛られている。


足も同じく、鎖で縛られており、胸を縛っている鎖は天井に伸びており鎖で吊るされている。


尚、肌は褐色で妙に色っぽいが鎖で縛られていて赤くなっている部分もある。


「よう師匠…そろそろ折れてくれねぇか?」


「くっ…クロス…何時になったらワシを開放する気じゃ!」


クロスは軽い感じで話しかけるが、吊るされている女性は敵意の眼差しを返す。


「そりゃアンタが折れて俺に不死身の薬の作り方を教えてくれる時まで開放はしないさ…」


下品な笑顔を浮かべて女性を見ると、女性は更に強くクロスを睨む。


「ククク…大賢者ともあろう者が俺みたいな小僧に負けて捕まるなんて滑稽だな!アハハハハ!」


「くぅ…おのれぇ~!!!」


女性は怒り、体に力を入れるが鎖がジャラジャラと鳴るだけで動けない。


囚われている女性の名はイヴ・クリスティア。


魔法を得意とするエルフの亜種…ダークエルフだ。


世界にたった1人だけの大賢者。


そしてクロス・キングハーツ。


大賢者イヴ・クリスティアの1番弟子であり、修行の末に彼女を打ち倒した大魔導士にして…。


命達の追う転生者でもあったのだった。



□□□□□


「態々済まなかった…4日も付き合わせたな」


命達がリゼルの捜査に協力して、もう4日が経った…。


捜査の協力を終えた5人はフォルティシアの東門へと辿り着いていた。


「本当だ…だがもう行っていいんだな?」


「ああ、全員済まなかったな。これは俺の個人的な謝罪だ」


そう言ってリゼルが差し出したのは皮袋。


中を覗いて見ると、そこには金が入っていた。


「1人10000ギル用意した…遠慮なく使ってくれ」


命、カガミ、アスカ、紅葉、クリナの5人分を個人的に用意するとは、かなりの金である。


「いいのでござるか?」


「ああ、これからの旅賃にしてくれ…それからこの事件に関わったお前達を奴等は狙ってくる可能性もあるから十分に注意するんだぞ」


「分かったわ」


リゼルの後ろから、アノンが前に出てくる。


「皆さん…ご迷惑をおかけしました…」


深々と頭を下げるアノン。


今回の事件で、アノンは大した罪にはならなかった。


アノンは自ら、騎士団に入って償いたいと言い、リゼルの計らいでリゼル直属の部下になる事になったのだ。


「気にしてないわ…これから頑張ってね」


「そうでござる…慌てずゆっくりと償いを頑張るでござるよ」


「ありがとうございます…では」


金を受け取ると、リゼルとアノンは事件の捜査の後始末があるとの事で行ってしまった。


「良い人でしたね~」


「ま、そうだな」


義理堅く、真面目…確かにリゼルは信頼性ある男だ。


「命殿達はこれからどうするのでござるか?」


「…俺は探している奴と情報が一致した男が南大陸のガーランド王国に居た形跡がるらしいからそこに向かう」


「え~?そうなんですか~?」


「酒場で小耳に挟んだんだ…さっさと行くぞ」


命はそれだけ言うとさっさと道を歩いていく。


「あ~ん!待って下さい~!」


「…」


それを追うカガミとアスカ。


3人の背中を、クリナと紅葉は見送っていた。


「不思議な人でござったなぁ」


「そうね…(結局何もできなかったわね…私は)」


俯いて、少しだけ後悔の念を抱くクリナ。


「クリナ殿はこれから如何するでござるか?」


「1度家に戻るわ…後はそれからね」


そう言ってクリナも道を歩き始めた。


「むぅ…拙者も1度故郷に戻るとするでござるか!」


最後に残された紅葉も、そう決めて内陸へと歩を進めたのだった。

三点「どうも~、今回は刹那君に来ていただきました」


刹那「どうも」


三点「ねぇ、ぶっちゃけ異世界に呼び出された時如何思った?」


刹那「え?まぁ驚いたけどソフィアは良い人だし城の人たちも優しいから慣れるのに時間はかからなかったよ。それに命も此処にいるかもしれないって少し希望も沸いたし」


三点「前向きだねー…まあ刹那はこの小説の第2の主人公みたいなもんだから頑張って頂戴ね」


刹那「うん、じゃあ次回予告ね…。


世界の中心に存在する聖なる島に行くために命達は巨大な橋である大鉄橋を渡る。


そして辿り着いた聖なる町…そこで調べ物をする命一行だが突然のトラブルに泥棒まがいの行動を…


次回、「カテドラル…通称闇無き聖なる都です」をお楽しみに」

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