予告編
タイトル通りの予告編なので、過度な期待はしないでね。
ネタバレ全開・短くても問題ねえ!それでもOKという人はどうぞ!
*追記 この後の話を全て投稿してから再び上げたので、過度なネタばれが含まれます。9月4日改訂
人の一生を語るにあたり、まずこれだけは知っておいて貰いたい。
人の一生は物語であり、歴史である。人の数だけある物語の中では自分自身がその物語の主役。周りを脇役が固め、己を題材にした一つの舞台として進んで行く。しかし自分もまた、他人にとっては脇役である。今ここにいる私も、そしてあなたも…
そして人の生み出す物語もまた、多種多様を極めている。激しい動乱の中を生きる物語もあれば、争いとは無縁の物語を紡ぐものもある。
―――国の王として民を導く者
―――王の剣となり、戦場を駆け巡る騎士
―――莫大な富を得る商人
―――舞台裏の歯車として生きる者たち、そして…
膨大な数で繰り広げられる舞台のなか、静かに光を放つもの。今はまだ、花咲く前の蕾のように。
―――奇貨、居くべし―――
物語とは過去現在未来、全てを知ってこそというもの。これから『先』 を語るためにも、まずは彼の昔を語る必要があるでしょう。
◇◆◇◆◇◆◇
物語の始めは遙か昔のこと。燃え盛る村、倒れ逝く者たち。そして、彼らを倒す者たち―――――――
少年が鬼に命を救われてからはや6年。人間としての自覚が芽生え、人と妖怪の違いに苦悩し始めた少年の前に一人の妖怪が現れます。
「魔法使いという存在はね、不老になることだってできるの。だから、貴方の夢は叶うのよ」
それは、まるで甘い誘惑のようだった。妖怪にそう囁かれ、導かれた少年は新たな世界へと足を踏み出させる。しかし少年の夢は遙かに遠く、たった一人で手に届くようなものではなかった。その事実に少年は失意の底に沈みかける。
しかし天は少年を見放さなかった。苦悩する少年を救ったのは、少年に惹かれた二人の妖怪
「力になりたい」
きっかけを得た少年の物語は加速していき、そして遂にはその拳が鬼にも届いたのです。
そして少年は大空のもと歩みを進める。今のように、昔のように
母親を下した少年は山を下り、一人都を目指す。どのような出会いが待っているのだろうか。新たな出会いの予感に心を躍らせた少年の前に現れたのは、この世の者とは思えぬ髪を生やした少女。
「お前、弱すぎ」
山で培った常識は通用せず、力も通用しない。少年は自身の弱さを再び自覚させられる
「この本はどうやら大陸から渡ってきたらしい」
手に入れたのは一冊の魔道書。求め続けた夢への扉が僅かに開いた瞬間、少年は何を思ったのか?
「妖怪を憎みはしても、好むやつなどおらん」
人と妖怪。自身の考える範疇を越えた問題に直面する時、少年の出した答えとは…
「伊吹萃香、お前の相手は僕だ!」
これは、小さな少年の物語
――――――さあ、物語を紡ぎましょう