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東方伊吹伝  作者: 大根
第五章:幻想となった故郷
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幻想郷での日々3

輝夜、永琳、大和&てゐと言ったところです

~再会 月の民たちの宴~



「!? …気のせい…じゃないよね、確実に見られてる」



季節は冬。辺り一面銀世界となり、冬独特の夜の静けさが周辺を包み込む…とは言っても、魔法の森の前に家を建てている僕の周りは常に静かなんだけども。近頃はにとりがくれた『魔力式こたつ』 とかいう暖房器具の中に入ってゴロゴロすることが日課になっていたりする。これがまた温かいんですよ。魔力喰うけど。でも前みたいに面倒を見る相手がいないのはいいことだ。ビバ★1人暮らし。


ところが最近僕の周りが騒がしい。実際に喧騒とかが有るのではなく、どこに言っても見られていると感じたりする。一応心当たりはあるけど。何時も僕を見ているのが兎とか兎とか兎とかだったら嫌でも察しがつくものだ。今回もその類だろう。



「だがしかし、まだそうと決まった訳じゃない。うん、決めつけるのはよくない」



師匠とか輝夜とか師匠とか決めつけるのはまだ早い。兎=師匠たちだなんてそんな超理論が成り立つなんて



「こんばんわ~。伊吹大和さんに伝言ウサ」


「ガタッ(ビクゥッ!?)」



突然の来客に動揺してしまった。それでも物音一つ立てないように注意して居留守を使う。大丈夫だ、問題無い。これはただの幻聴だ。じっとしていればいずれ聞こえなくなるなずなんだ。



「居留守つかっても家の中に居ることくらい既に調べがついてるウサ。だから伝言を言うよ。『月の見える日に竹林へ来い』 以上。それじゃあ待ってるよ」



そう聞こえた後扉の向こうの気配が消え、再び静寂が辺りをしめた。どうやら本当に帰ったようで、この家を覗こうとする視線も完全に消えた。けれど問題発生。いや、問題じゃなくて久しぶりの再会を喜ぶべきことなんだろうけど…



「師匠と輝夜、僕が避けてたこと知ってたとすると、これはマズイことになった…」



何と言っても相手はあの2人だ。特に輝夜が機嫌を損ねていたりすれば最悪だ。なんせそのしわ寄せが師匠にいくわけだから、比例して師匠も不機嫌になっていく。そうなればひょこひょこ現れた僕は生贄になることになってしまう。それだけは阻止したい。



「よし。お土産を持っていこう」



少しでも機嫌を損ねさせないために貢物を持って行こう。輝夜に貢物…まるで昔にいた求婚者みたいだね…。でもよく輝夜に求婚する人がいたものだ。実際に話したことあるんだろうか? あの我儘姫と。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




月の見える夜、と言ってもほぼ毎日月が見えていたので満月の夜に、前もって人里で買ってきた高い一升瓶を片手に竹林の中に入った。するとどういうことか、今までまっすぐに生えていた竹がふにゃりと曲がり、一本の細い道を作りだした。真っ暗闇の中で竹が曲がる光景は少し恐怖を与えてくる。まるで生きているかのように僕が通った後の竹は真っ直ぐ元通りになっているからだ。



「ここか」



竹の作りだした道を進んでから少し経った後、開けた場所に出た。そこには一つの大きな家屋もあり、人が生活している様子が見てとれる。しかし大きい。姫が住む家には十分な大きさを誇っている。



「伊吹大和、参上しました」


「いらっしゃい。2人がお待ちかねウサ」



御出迎えはピンク色の服を着た兎耳の少女。声からしてこの子が僕に伝言を伝えた妖怪で間違いないのだろう。



「因幡てゐ。古い兎妖怪さ」


「あ、これはどうもご丁寧に。僕は伊吹大和。魔法使ブッ!?」



玄関を跨いだ状態で握手の為に右手を差し出されたので、その握手に応えようとしたらいきなり扉が閉まって挟まれた。…地味にイタイ。



「悪いね、これ自動扉なもんで」


「へぇ~、これが最新式ってやつなんだよね?」


「そうそう、最新式最新式(2人の言う通り騙されやすいウサ)」



流石は元月の賢者の住む家。少し驚いたけど、最新式の設備が整っているんだね。2人の部屋に案内されるまでも最新設備とやらを身体で感じることができた。いきなり穴が開く廊下や、外から飛んで来る矢などなど。ほとんどは防犯の為らしいけど。僕の家にも取り入れたいね。最近は吸血鬼とか鬼とか蓬莱人とか天狗が断り無しに入って来るからどうにかしたいと思ってたところなんだ。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「大和の魔力を竹林内で感じたわ。てゐもそれらしき人物を見たって報告があったから間違いないわね」



かぐやが永琳からその知らせを受けたのは少し前のこと。なんでも蓬莱島で別れてから音沙汰無かった大和が見つかったとの話を聞いた。その知らせを聞いた時、自然と笑みが生まれた。永琳も笑みを浮かべていたけど、それは母性や、弟子の姿を見つけたからだろう。でも私は違う。



      ――――私は大和に恋している――――



何故だかは分からない。でもはっきりとそう思えたし、別に驚いたりもしなかった。今まではただ気がつかなかっただけ。それに気がついた私の顔に笑みが浮かぶのが分かる。会える。また大和と会えるのだ。


私に求婚してきた男は数知れず。でも大和は今までの男たちとは全く違った存在だった。上辺ではなく、本当の私と向き合ってくれた人。今となっては失うことの許されない特別な存在なのだ。



それから数週間、てゐに大和を監視させた。驚いたのは大和の周りを妖怪たちが闊歩しているということ。てゐ曰く、誰もが並々ならぬ実力の持ち主らしい。妹紅もたまに飲みに誘っているのを知った時は驚いた。その次に妹紅とヤリ合った時はボコボコにしてやったわ、ふん! アレは私のだ。誰にも渡すもんか!



そして今日、大和が此処えいえんていにやって来る。既に敷地内にその存在が感じ取れるから、もうすぐ会えるだろう。恋する乙女となった私は想い人の到着を待つ。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「や…やっと着いた…」



最新式の設備のせいで必要以上に体力を消耗してしまった。もう限界だけど、本番はこれからだ。てゐちゃんに案内されて豪華な襖の前に立つ。この扉の向こうに2人がいるのだろう。始めは嫌々だったけど、今となっては胸の高鳴りのほうが大きい。なんだか凄く緊張してきた。



「大和です。入ります」



豪華な装飾の施された襖を開ける。軽いはずなのに、何故か重く感じた。



「いらっしゃい大和。待ってたわ」


「久しぶりね。元気だった?」


「あ…うん、2人とも久しぶり」



上から輝夜、師匠。師匠は何時も通りの赤青の服装だけど、輝夜は最後に宴会をした時を思い出すような豪華な服装、所謂お姫様の服装をしている。なんだか嬉しいのと恥ずかしいのとで顔を見ることが出来ない。



「あら? 大和は何で私を見ないの?」


「う………別に………」



穏やかに微笑む輝夜が綺麗過ぎて直視出来ない、なんて言えるわけない。そ、そう! これは服が豪華だからだ! そうに決まっている!



「ねぇ、私を見て?」


「うぅ………」



にじり寄って来る輝夜にたじろぐ。出来ればこれ以上近づいて貰いたくない。僕がおかしくなってしまいそうだから。



「大和、久しぶりに会ったのにその反応はないんじゃないの?」


「……………だから」


「何?」


「輝夜が綺麗だから、見るのも見られるのも恥ずかしい……」


「あ………うん、ありがと///」


「い、いや別に…」



そう言って華が咲いたように笑う輝夜をみて、僕は再び鼓動が早まるのを感じ取った。



「はいはい、お見合いもいいけどそろそろ始めましょうか」



師匠が手を叩くと部屋の外から兎の妖怪が料理とお酒も運んできた。豪華な料理の数々が机に上に並べられ、上等なお酒もどんどん置かれていく。僕の持ってきたお酒が霞むほどの逸品ばかりのようだ。



「さあ、再会を祝って宴会を始めましょう」


「大和、今夜は私が御酌をしてあげる。楽しんでいってね///」


「わ、わかりました!」



何故か敬語で応えてしまうほどに僕は動揺していた。師匠との会話も覚えていないほどまでに僕は酔ってしまった。それほどまでに輝夜は綺麗だったし、見惚れてしまっていたんだ。注いでもらったお酒の味も分からないほどに、その日の月は輝いていた。

もしかしてブラックコーヒーが必要でしたか? GW突入に伴いテンションの可笑しいじらいです。そのテンションのまま出たネタを形にしたら結果がコレだよ! 何か頭沸いてるのかもしれませんがそれは何時ものこと。生温かい目で見守って下さいw


そしてまもなくPV50万です。そして今回はPV記念でもない。…もうわかりますね? アレですよ。はるか遠い未来でのif話がやって来ます。今回のターゲットは映姫様です。人気があったのでww


そして感想が100件行くかも。100件目を踏んだ人、おめでとうございます。何かしたほうがいいですかね? 踏んだ人に任せることにします。そしてこれほどまでに感想を送って下さった皆様に感謝感激雨嵐です!! ありがとうございます!!


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