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東方伊吹伝  作者: 大根
第四章:動乱の大陸
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超番外 4月1日

※注意 遙か未来での話です。本編とまったく関係ありません



ブラックコーヒーをお手元に置いて下さい。無い人は直ぐに買いに行くんだ!


・・・準備はいいですか?



 ~嘘吐きはだれ?~




幻想郷の一角にある城。吸血鬼と魔法使いとメイドと門番が住んでいる真っ赤な城を紅魔館という。その城の当主、レミリア・スカーレットは今日も暇を持て余していた。



「はぁ、今日も暇ねぇ。神社にでも行こうかしら?どうせアイツもいるだろうし」



その意中の人はもう紅魔館に住んでいない。自らの行いと彼の希望によって今は神社で過ごしているからだ。秘かに恋する乙女を続けている彼女も500年以上生きた身だが、一向に身体が成長しない。そのせいなのかは知らないが、想い人にまったく相手にされていないことが彼女の最近、といっても長年の悩みである。自分からアプローチをするのもいいが、彼を慕う者も少なくない。彼女たちを刺激するのもよくないし、自らなんてプライドの高い彼女ができるわけもなかった。


更にそんなことをすれば幻想郷が軽く揺れる。間違いなく揺れる。主に彼の母親が暴れることによって物理的に揺れるだろう。そして一番被害を被るのは彼なのだ、それは私も望むところではない。以前に月の姫が少しちょっかいを出しただけで血の雨が降った。あんなのはもう沢山だ。



「とりあえず図書館で読書でも・・・」



そう思って紅魔館の誇る図書館に足を運び、扉を少し開けたところで話声が聞こえてきた。



「ねえねえパチュリー知ってる?ヤマトお見舞いするらしいよ?」


「それを言うならお見合いよ。大和もそろそろいい歳だし、身を固めても不思議じゃないわ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?



「ヤマトのお母様も賛成しているって聞いたよ?」


「伊吹萃香も認めた相手と言うわけね。これはひょっとするかもしれないわ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ!?



「ええ!?ヤマト結婚しちゃうの!?」


「おそらくね」



聞き終わるや否や、扉から手を離し、全力で廊下を飛ぶ。メイドの能力で更に長くなった廊下が今はとても鬱陶しく感じる。途中、急ぎすぎて曲がり切れず、壁に身体を打ちつけながらも飛ぶ速度は落さない。溢れだしそうな涙をこらえ、それでもクシャクシャな顔で駆け抜ける。メイドと門番が私を見つけて何かを叫んでいたが、耳には入ってこなかった。ただ一分、一秒でも早く彼の元へ。



























「・・・・・・・・レミィ、行ったわね」


「そうだね」


「よかったの?本当は貴方も・・・」


「いいの。私はお姉様が大好き。だから、お姉様が幸せなら、私も幸せなの」


「・・・・・・・・・・・・・馬鹿ね、貴方」


「・・・・・・・・・・・・嘘吐き。『も』が抜けてるよ」


「今日は嘘を吐いていい日なのよ」
































何時もの倍は速く飛んだはずだが、神社に着くまでにいつもの倍以上の時間がかかってしまった。忌々しい日光が出ていたせいで木の間を飛行するしかなかったからだ。その間にも彼が盗られてしまうと思うと、もう涙をこらえるなんてことは出来なかった。顔は流した涙と鼻水でグシャグシャ、服は無謀な飛行で木々に引っかけたでズタズタ。お世辞にも紅魔館のお嬢様としての体裁を繕えている格好ではないが、もうそんなことすら気にならない。


そして遂に見つけた。人の気も知らないで呑気に境内を箒で掃いている彼を。



「大和ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」



気がつけばそう叫んでしまっていた。



「なんだレミリアか、って!何その格好大丈夫!?」



知るか馬鹿!誰のせいでこんなことになったと思ってるのよ!?



「~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッいくな!!」


「・・・・・・・・・へ?いや何処に」



色々と言いたい言葉が沢山あったけど、本人の前に立つと何を言えばいいのか分からなくなって出た言葉。そんな私の言葉に彼は、何を言っているんだコイツ?みたいな目で私を見てきた馬鹿を見て、既に有頂天にまで昂っていた私の感情は歯止めが利かなくなってしまった。紅魔館で聞いた話を筆頭に私は自分の、大和への想いを叫び続けた。




「プッ・・・・あはは、あっははははははははははは!!」


「なっ何笑ってるのよ!?」


「ふぅ~、こんなに笑ったのは久しぶりだ。レミリア、君騙されたんだよ」


「なあ!?だってパチェとフランが!!」


「今日は4月1日、エイプリルフールなんだよ。まんまと騙されたってわけだ。ほら、折角神社まで来たんだから上がって行きなよ。お茶くらい出すからさ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだ、私の取り越し苦労だったわけね。そういえば今日はエイプリルフール、嘘をついてもいい日だ。


そして彼は私の言葉を、想いまで嘘だと思っているのだろうか・・・?…怖い。彼が私の気持ちまで嘘として扱うことが何よりも怖い。そう思ったら、もう自分を止められなかった。


彼に声を掛けて引き留める。振り向いた彼と目と目を重ねて向かい合うと、胸の奥がどんどん高まっていくのがわかった。どうか、この想いが貴方に届きますように



「あのね大和、聞いて欲しいことがあるの。私、大和のことが――――――――――――――――――――


















今日は4月1日。何処までが嘘で、何処までが本当なのか。そして誰が嘘吐きなのか。それを決めるのは貴方



やあ(*´ω`*)よく来たね、コーヒーでもどうだい?


うん、何を言いたいかは解るよ。だけど落ち着こうか、今日はエイプリルフールなんだから。


妄想5分、書くのに3時間程。猛ダッシュで書いたから内容は薄っぺらだと思うけど、少しでも悶えてくれたら嬉しいな。なんたって書いてた本人が悶えたんだから。


とりあえず有り得るかもしれない未来だと思ってくれ。そうじゃないとおぜう様が浮かばれないからさ。とりあえず今年のエイプリルフールはこれで終わりだよ。


じゃあね(*´ω`*)

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