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東方伊吹伝  作者: 大根
第四章:動乱の大陸
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決戦前

早くも更新できたよ!『大和、嫉妬する』をお届けします


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これが今僕たちが置かれている状況。別に逃げても構わないらしいよ?わかったか親馬鹿。わかったらその手を離せ親馬鹿」




襟首を持たれ、宙に浮かされた状態でもアルフォードの目を見て言う。


会議が終わって戻ってみると、そこにはアルフォードを始めとする紅魔館ファミリーが勢ぞろいしていた。レミリアやフランドールはアルフォードに本気で怒られたようで、涙をこらえて俯いている。子煩悩なコイツのことだ、愛ゆえにというやつなのだろう。それを感じているのだろう、美鈴にアキナでさえ罰が悪そうにしていた。特に美鈴は本来は止めるべき立場だったのだから。


パチュリーや執事長も戦ったのだろう、ボロボロの服を着て、立っているのもやっとのような状態が見受けられる。


僕はその激高したアルフォードに捕まりながらも状況を説明して今に至っている。




「戦うしかない。アルフォード、もう戦うしかないんだよ。先生を助けるのも、弟を止めるのもお前の力がないと出来ないんだ。何時までも逃げてなんていられないんだよ」



逃げて、隠れて、そういう自分が大嫌いなはずなのに甘んじて受けえ入れているコイツが大っ嫌いだ。本当はそんな自分が嫌で嫌で仕方ないはずなのに。僕には解る。だってアルフォードは力のない頃の僕そっくりだから。母さんや皆の後ろに隠れて、のうのうと生きていた僕にそっくりだから。




「・・・遙か昔に自ら出ていったのだ。引きとめることの出来なかった俺が、今更どの面下げて会いに行けと言うのだ」


「そんなあんたの事情なんか知らない。でもあの人はあんたのことを『兄』って言ってたじゃないか。それで十分じゃないの?レミリアが泣いている事実で十分だと言ったお前はどこに行ったんだよ」



大切なのって何だろうね。僕の物差しで言ってみれば、家族と仲間。その二つの為なら命をかけてもいい。



「力があるくせに・・・僕なんか足元にも及ばない力があるくせに!争いが嫌いだって理由だけで逃げていいわけないだろ!?自分の奥さんぐらい自分で連れ戻してみろ!!」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「僕は行くよ。友達を一人にするわけにはいかないから」









そう言ってテントを出た。行き先なんてない。とりあえずあそこには居られない空気だったから。



手近な場所に腰をおろしてこれからのことを考える。…分かってるさ。アルフォードの言いたいことも、僕がどれだけ自分勝手な行動をして、自分勝手な事を言っているかぐらい。ああもう、寒空の下だったら一人だということを余計に実感させてくれるなぁ。それでもたった一人の友人を見殺しにしてまで魔法使いになる夢を追いかけたくない。でもなぁ、




「あああぁぁぁぁぁあぁぁあこんな自分が大嫌いだ……………。早まったなぁ。そういえば先生いないのにどうやって魔法使いになろうかなぁ」




自己嫌悪タイム突入だ。チャンスタイムよりも発生率が高いです・・・




「そうやって後先考えないから馬鹿呼ばわりしてるのよ」


「それは言わないお約束……ってパチュリー!?なんでここにいるの!?」




属性魔法ならお手の物。ここぞという時に頼りになる紫の魔法使いが何時の間にか隣に座っていた。

ボロボロの服は魔法で直したのだろうか、今ではすっかり直っている。



「だいたい、兄さんも少しは能力を使えばいいじゃない。便利よ?」



反対から聞こえてきたのは僕よりもできた妹の声。何でも僕以上にこなす癖に、どうしてか僕のことを慕ってくれる愛すべき?妹。




「何でここに…?」


「さあ?何でかしらね。とりあえず貴方には魔法使いに成ってもらわないと私の今までの努力が無駄になるから、とでも言っておくわ」


「何でって、キリシマ捕まえなきゃ月に帰れないじゃない。私も参加させてもらうわ」




………アルフォードに偉そうなこと言えないなぁ。まったく、僕はいい友人を持ったもんだ。




「ところでアキナ、その能力のことなんだけど・・・」



「さっき私も『視た』わ。兄さんの考えていることで間違いないと思う。いい?私たちは未来を視ているの。未来を変えれるのは私と兄さんだけ。変えるも変えないも私たち次第。人には過ぎた力なのかもしれないけどね・・・」




会議室でみた未来。・・・それを変えるも変えないも僕次第、か。僕に何ができるのだろう。





「すいませ~ん。伊吹大和さん?でよろしいですか~?」


「ん?そうだけど」



今までの考えを纏めている最中に声を掛けられた。


振り向いた先にはつなぎを着た子供が短剣を抱えて立っていた。だ、大丈夫なのか・・・?見ていてすごく危なっかしいんだけど。




「よかった~。これ、教会から依頼されてた剣です。魔道機関『イクシード』?を搭載した工房の最高傑作です。大切に使ってくださいね。それでは~」



子供は短剣と説明書?を渡してさっさと帰ってしまった。



「・・・魔力が徹りやすい金属使ってるわね。これなら魔法媒体としても使えそう。私の考案したリボルバーも使われているわ。大和にはもったいないできね」



物珍しそうにそう評価するパチュリー。魔法使いとしての血でも騒ぐのだろうか、次々と気になる点をあげていく。



「・・・あげないからね?」


「いらないわよ。それよりも弾に魔力を込めなさい。今のままじゃ只の剣よ」



この剣の利点は一時的ながら魔力量の爆発的アップにある。人間では気や魔力には限界がある。もともとの魔力量じゃ上位妖怪以上とは到底闘えない。そんな僕のために師父が贈り、パチュリーが考案した真・魔道機関。これがこれからの僕の切り札になるのだ。



「装備も届いたことだし、そろそろ始めましょうか」


「何を?」


「魔法使いになる儀式ってやつを、よ」
























































 ~歴史を感じさせる城の手前~




間もなく会敵ポイントといったところか。上空には巨大な魔法陣が展開されており、嫌でもこれからの激戦を感じさせてくれる。先に出陣していた聖堂騎士団にアキナはようやく追いつくことが出来た。総勢2万の騎士団員が列を作って行進している。



「あ、いたいた。おーいケビンさん、私と兄さんも参加させてもらうわよ」


「アキナちゃん!?・・・一人なんか?大和君はどないしたんや?」


「パワーアップするための儀式中」


「あー・・・、またなんかやらかす準備しとんか」



そう言って苦笑するケビンさん。たしかアルフォードを討伐するために紅魔館に行った時も、一人で全部をぶち壊したらしい。その時のことを思い出しているのだろう。兄さんが土壇場で予想外の動きをするのは私も知っている。そうじゃないと蓬莱島で負けるなんてことなかったから。



「ワイは逃げえ言うたはずなんやけどなぁ・・・」


「そうは問屋が卸さないわよ。私だってケリをつけなきゃいけない相手がいるんだから」



Drキリシマ。中止が決定したはずの計画で私と兄さんを創り、多くの兄妹の命を奪った張本人。あいつを倒さないと死んでも死にきれない。



「…死ぬなや」


「互いに、ね」



目の前には妖怪の大群。戦力差は2万対6万。いや、目算ではそれ以上と見ていいだろう。私もこんな戦いなんてしたことがない。でも大丈夫、未来は視えているから。



「では行こうか諸君。これが最後の戦いだ」



カーネリアの号令の下、2万の騎士が武器を構える。


歴史に刻まない人と妖怪の最終決戦が始まった。


































  大和の短剣講座



20~30㎝程度の両刃(適当だね)。魔法が徹りやすい金属が使われており、掴と刃の間にリボルバー式に改良された魔道機関『イクシード』が搭載されている。弾には魔力を込めることができ、魔力さえ込められていれば何度でも使用できる。数は3発。発動には大和が意思を込めることで発動。別に手で持ってなくても発動可能な御都合だよ!


主に無手での戦いをサポートすることに主眼を置いたため、基本的には逆手に持って扱う。これで両手でもパンチが出来る・・・ハズ。イクシード使用時は一時的に大和の魔力が3倍になるが、全ての弾を同時に使った場合は大和の身体が持たないので使用できない。一回の戦闘では一個しか使えないのが普通。無茶をすれば身体が弾け飛ぶよ!刀身に魔力剣を作り、長剣としても使うことができる。


こんばんわー、じらいです。なんか一気に投稿したほうが解りやすいかな?とか思って更新してます。今回大和を嫉妬させてみました。といいますか、心で思ってたことぶちまけただけなんですが。何で僕には才能ないんだよオイ!?な感じです。あとついに不思議魔道機関搭載の短剣が届きました。3倍以外はそこらの剣と同じ・・・はず?これで装備は全て揃ったんで、あとは戦うだけですね。頑張って貰いたいものです。それでは

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