気がついたら全部終わってた
時代背景や歴史的出来事は飾りです。エロい人にはそれがわからんのです!
ということで、今回出てくることに関してはこの物語だけです。時代も何もあったもんじゃないことを理解してね!!
魔力と気。この二つを合わせてみようと考え付いたのは美鈴である。鍛えたところで所詮は人間、持てる気や魔力には限界がある。だったら二つ合わせてみればいいじゃないですか、との考えから実際にやったところ、爆発。爆発である。初めての行いだったために力を抑えていたから良かったものの、それでも馬鹿げた威力の爆発が起きた。相反するものが生み出すエネルギーは凄まじいものがある。どれくらいかと言うと、鬼の一撃と遜色ないと言えば解るだろうか?だがそれも完全にコントロール出来ればの話なのだが。そもそもこの技は魔力や気による身体強化の代わりとして考えていたのだが、大和にはまだそんな芸当はできず、仕方なしにあの時の三倍の魔力・ありったけの気を込めて殴った結果がアレである。
「つまりどういうことかと言うと、失敗だったんだよ」
「それで巻き込まれたワイの気にもなってくれ・・・」
そして今現在、僕は教会傘下の病院に入院中である。シスターさんがあれこれしてくれてデュフフな日々を送っています。なぜ教会内の医療施設じゃないかと言うと、美鈴が妖怪であるからです。どうやら妖怪排他的な人も多いらしく、こちらを使わせてもらっているらしい。とは言ってもそんな人ばかりではなく、仲良くする人もいるらしい。ケビンさん曰く、美鈴は聖堂騎士団のアイドル的存在になっているらしい。
「ごめんなさいと言ってみる」
「謝っても許さん」
じゃあどうしろって言うんだよ。そうそう、あの時深紅に輝いていた金属(ピカピカになってた)は駆けつけてきた教会の人に回収されたんだ。でも僕の持ち物だってケビンさんが証言してくれたおかげで今は僕の手元にある。
「ところでさ、紅魔館はどうなったの?」
「あの爆発の後、アルフォードとお前は仲良く気絶。折角やからワイが冥土に送ってやろうと思ったのにクラウスの爺が邪魔してくれてなぁ。逆に論破されてしもうた。詳しいことは省くけど、もう聖堂騎士団があそこに手を出すことは無くなったわ」
「そりゃ良かった」
誤解が五階で六階になったみたいな状況でバトルが始まってたから、収拾がついて一安心です。
「省いては駄目だろう。この少年は当事者であると同時に被害者でもあるのだ。それを説明しないとあっては騎士の名折れ。それに君も彼に謝るべきではないのかね?」
開かれたままに成っていた入口から入ってきたのは金髪の成人男性。顔の半分には火傷かなにかの傷が刻まれていた。
「貴方は?」
「名を名乗るにはまず自分からと言うが、敢えて言わせてもらおう。聖堂騎士団第二位のヴリアントだ。よろしく頼む」
「普通の人間の伊吹大和です。こちらこそよろしくお願いします」
第二位・・・ケビンさんが第七位だから上司の人なのだろうか?
「一応副団長やけど、ワイの上司やないで」
「フ・・・私も君のような部下はお断りだ」
「あの~、ところでどういうご用件で?」
「なに、君に感謝を述べるためだ。本来なら団長が行うべきなのだが彼女も多忙の身であってな。私が代わりを務めさせてもらっただけだ」
おお、副団長直々のお礼ですか。有難いですねぇ。ケビンさんはお見舞いに来たフリで実際は文句言いに来ただけだし。
「この度、我々に協力して頂いたことに深く感謝し、ここに彼の者の勇気を称える。飾られた言葉より恩賞を用意した方がいいかもしれないが、都合によりそれはできない。なので何かあれば力になることをここに約束する。聖堂騎士団団長カーネリア。以上だ。ここにあるように都合で恩賞は用意できないが、何かあれば私も力になろう」
「その都合ってのは何ですか?」
「それは後で説明しに来る者に聞いてくれたまえ。それとケビン、この少年に感謝と謝罪を述べるのだぞ」
「へいへい」
「ならいい。少年、すまないが私も多忙でな。今日は引き揚げさせてもらう。また会おう」
突然やってきて突然帰って行ったけど、すごい自分に厳しそうな人だったな~。ああいうのを騎士道とか言うのだろうか?それに比べてこの人は・・・
「お、待ち人が来たで」
「誰なn「大和~~~~~~~!!」レミリアあ!?」
ちょっ、ここ騎士団傘下の病院だよね!?こんな平然と吸血鬼を通していいの!?
「騎士団言うても一枚岩やないっちゅうこっちゃ」
「なんだかなぁ・・・」
「ねえ大和やったわね!あなたこれから紅魔館に住むのよ!!」
「そうなんだ、それじゃあ宿いらずだねーって何故!?これから騎士団のところで魔法使いになる修行じゃないの!?」
いったいどういうことなんだ!?とメンチビームをケビンさんに送る。目を逸らすな目を!!
「大和知らないの?今この辺りじゃ妖怪を存在から消すために『魔女狩り』が行われているのよ?それをやってる場所で魔法なんて習えるわけないじゃない」
「不良騎士!説明をどうぞ!!」
「嘘をつきました。反省もしてなければ後悔もしてません」
「殴ってやる!そこに直れーーーー!!」
こんにゃろう!囮役どころか全部ウソだったってことかよ!?謀ったなケビン!
「しゃあないやろ。まさか生き残るとは思わんかったし」
「ふざけてる・・・ふざけすぎだぁ」
「いいじゃない。代わりに家で成れるんだから」
家で成れるって言ったって、あんな真っ赤で目に悪い館に居たくないよ・・・。
「ワイらと紅魔館はな、これから起こるであろうコトに協力して対処するための盟約を『秘密裏』に結んだんや。やからワイらが紅魔館をどうこうすることは無いってわけ。隣人を愛せよってやっちゃな。んで生き残ってしもたお前さんらは、この際そっちで魔法使いに成らしちゃおうぜってわけだ」
「・・・魔女狩りしてるんでしょ?見逃すことになるけどいいの?」
「さっきも言った通り、ワイらも一枚岩やない。勘違いしてもろたら困るから言うとくけど、聖堂騎士団は一枚岩やから安心し。それにさっき副団長も言うてたやろ?協力するって」
「つまり大和は魔法使い志望&紅魔館の住人になるの!もちろん美鈴も!」
あ、美鈴もちゃっかり含まれてるのね・・・。美鈴には悪いことしたなぁ。
「傷が治り次第向かってもらうことになっとるから、はよ治せよ。美鈴ちゃんは今日から紅魔館に行くみたいからな」
「じゃあ大和、待ってるから。逃げちゃダメよ」
そう言って二人は出て言ってしまった。
ふと二人が座っていた場所を見てみると、紙切れが一つ落ちていた。
『スマンかった。堪忍してや』
はぁ、これだから嫌いになれないんだよなぁ。クク、と笑っているとその文字の形が変わっていった。そこにはこう書かれていた。
『ウッソ~』
「ぁんの不良騎士~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
今日も綺麗な晴れ空の下、少年の声が響き渡っていた。
魔女狩り
もとは妖怪の力を弱めるためだったが、誰でも使える科学が台頭しだした現在ではその存在すら否定しはじめる者も出てきた。人が妖怪への恐怖を和らげ、弱ったところを叩くつもりがいつのまにか存在すら幻想扱いするようになってしまってきているということ。
気がついたら終わってた、じらいです。魔女狩りについては完全オリジナルです。妖怪が弱まるというのは大陸でも起こっていて、それは魔女狩りが元になったのだー、ということです。大陸編ではこれを元に話が進みます・・・たぶん。感想・質問・意見等ありましたらどうぞ!
ではまた