努力は才能を超える、そう信じる!
福島原発・・・どうなってしまうんだ?ただただ祈るばかりです
話しの展開が早いですがすいません
まるで台風だ。血のように真っ赤で強大な魔力・妖力を纏いながら突撃してくるアルフォードと闘い始めてどれほどたっただろうか?10分?30分?それともまだ1分しか経っていないのだろうか、凌ぎ続けてきたけどそろそろ限界が近い。と言うのも、こちらは耐えることしか出来ないからである。馬鹿みたいな威力の弾幕を放ってこちらを牽制し、それの対処に追われているとその力を十分に使った接近戦を仕掛けてくるからだ。その牽制する弾幕にすら強い力が込められているからだ。僕と美鈴は最低限の弾のみを躱し、或は強化した腕や足で弾いてアルフォードを迎え撃つ体勢を整える。ケビンさんは後方で僕らに襲いかかる弾を撃ち落としてくれている。自分も躱すので精一杯だろうにこちらを援護してくれる余裕があるなんて、常時ならば関心してしまうことであるのだが、今の僕にはそんな余裕はない。
「このままじゃジリ貧です・・・。私が前にでます!大和さんは私のフォローを!」
「僕だって闘えるよ!」
「分からないんですか!?あなたの手に負える相手じゃない!私でも通用する分からないんですよ!?」
「それでも、僕には力があるんだ!!」
確かにパワー、スピード共に強大だ。更にまだまだ上がり続けている。けどね、そんな格上すらも想定した修行というものを僕はしてきたんだ!
桜花制空圏、発動!パワーもスピードも僕より上ならば、相手の流れに身を任せてやる!
アルフォードの目を見て心の『流れ』を読む。見える!僕にもお前の心の流れが見えるぞ!!
「ヒュウ♪大和君もやるねぇ。美鈴ちゃん、援護はしたるさかい、大和君のフォローしたり」
「もう!人の気も知らないで!!」
「無駄だよアルフォード。あなたの動きは全て読めている」
桜花制空圏を発動している僕に死角などない。視覚外から攻撃が来たとしても、薄皮一枚まで絞り込んだ制空圏がそれを察知してくれる。もしくは心の流れで攻撃の意図が読めてしまうのだから。・・・だけど何だ、この心の中のモヤモヤとした感覚は?アルフォードの心の中は『キモチワルイ』。
まるで何かを必死に泣き叫んでいるような感覚に、頭が痛くなりそうだ。はっきりとは読み取れていないけど、これは悲しみ?憎しみ?痛み?負の感情であることにはかわらないだろう。
「だろうな。現に俺の攻撃は貴様にクリーンヒットしていない」
「分かったなら僕の話を聞いてください」
これ以上叫ばないで。頭が割れるように痛む。
「分かる?何を分かれというのだ?」
「・・・誤解しているって言ってるんです」
これ以上覗いたら、戻れなくなる。
「それがどうした?そんな事は関係ない。レミリアが泣いている。俺にはその事実だけでいい」
・・・引く気はまったくない、ということですか。それでも僕が有利だという点には変わりはしない。それにお前が相手をするのは僕だけではないんだ。美鈴やケビンさんも相手取らないといけない。
ちなみに執事はレミリアを抱いてもう避難済みだ。悪いけど、頭が冷えるまで叩くか、逃げるかさせてもらうよ。
「例え動きが読めても、超のつく速さには付いては来れまい」
「は?」
突如、視界がブレた。何をされたか理解できたのは身体を壁に叩きつけられて痛みを感じることが出来てからだった。
「大和さん(君)!?」
「まず一人。次は貴様らだ」
「チッ!美鈴ちゃん!!」
「わかってます!!」
主に額から出血している様だけど、あの程度で大和さんが死ぬことはないだろう。今はコイツをどうにかしないと・・・
「防御は全部オレが引き受ける!気にせず行けや!!」
「上等!!」
「フン!雑種ごときが」
迫りくる弾幕の防御を任せて接近する。が、それでも眼では追えない速さにまで加速してきている。付いていくことがやっとの状態だ。だから気の動きを察知して、なんとか動きを感じ取ることで凌いでいるのだが、これもいつまで続けられるか・・・!
「アカン動きが速い!障壁が間に合わん!!」
「これでトドメだ!」
「しまッツ!!??」
アルフォードの手には紅き魔槍が握られていた。私を三度殺しても足りないであろう程の力が今まさに解き放たれようとしていた。
「獲っっったァ!!」
パキン。そんな軽い音と共に魔槍は砕け、アルフォードの動きが止まった。
「!・・・これは」
「吸血鬼封印の、魔法トラップっだ…。ハァ…礼装で儀式的付加価値を強め、ハァ…教会で使われる魔法陣を引き、儀式杖でそれを起動する。…必要ないと思っていたけど、上手くいってよかった」
全身血塗れ、肩で息をして満身創痍ながらも、僕ははっきりとそう言った。P312に載っていたのは吸血鬼封印の魔法。遙か昔より続く人と吸血鬼の争いにおいて、もっとも有効だと言われている魔法の使用を知ることが出来たのは僥倖だといえるだろう。だけど僕如きが単身で使えるはずもなかった。だから礼装などを用いて付加価値を利用すると考えたんだ。それでも一時的な上に、僕のほぼ全ての魔力を持って行かれた。
「簡単だ、吸血鬼」
事前の準備さへ出来ていれば最強種とだって闘える。遙か昔から人間は知恵を武器に闘ってきたのだから。
魔法陣に縛られ為すすべもなく俯いているアルフォード。これで少しは落ち着いて話を聞いてくれるだろう。
「話を聞いてくださいアルフォード。貴方は誤解しているんです。僕たちは「ククククク」どうしたんですか?」
「いや、人間如きの魔法でこの私を封印したつもりとはな。笑わせる」
「強がっても無駄やで。一時的とはいえ、大和君の張ったソレはあんたらの一番嫌がる構成でできとるんや。大人しくしたほうが身のためやで」
ホレホレ、とボウガンでアルフォードを突きながらケビンさんが忠告する。
「我々が何の対策もしていないと思っているとは、人間とは愚かな存在だな」
ピシッ・・・ピシッ・・・。
陣にヒビが!?何で・・・どうして!?
「簡単なことだよ小僧。貴様が対策を練るように、我々妖怪も対策を施すということだ。多少の抑制はあるがな・・・。理解したなら受けるがいい、我が最強の槍を」
――――――――魔槍 スピア・ザ・グングニル―――――――――
真っ赤な槍が僕の胸を貫いた。
大和君が倒れてから数分、ワイは伝説とまで言われていた力をその目で拝んでいた。目の前で闘っているのは音に聞こえた紅き龍。いや、龍人とでも言えばいいのだろうか。それにしても形容しがたいものがある。特にこれといって姿が変わったとは見受けられないが、その身に纏った気は明らかに人・妖怪のそれとは一線を画している。吸血鬼にも負けず劣らずの暴れっぷりだ。現にアルフォード相手に渡り合っている。そこに人である自分が入って行ける余地はなかった。もっとも、自分が『全力』をだせば十分に渡り合うこともできるだろう。だが今はその時ではない。確実にトドメを刺せる時を静かに待つ。
胸に魔槍を受け、その衝撃で吹き飛ばされたけど意識はある。でも動けない。胸を貫かれたようだけど、胸に穴が開いている感覚はない。何故かと思い胸に目をやると、どうやら師父にもらったさびた塊が守ってくれたようだ。その塊は紅く発光していた。
(大和君。これを聞いているということは、随分な強敵に出会ったということだろう。なんと言ってもソレの起動条件は大量の魔力を受けることだからね。ところで君は理解しただろうか?人間には努力では超えられない壁が存在するということを。気付いただろうか?人間と妖怪との差を。そして絶望しただろうか?自分の無力を。これはそんな弟子のために師が贈る最後の手向けだ。遙か昔、まだ月人が地上にいたころのモノだが性能は折り紙つきだ。君が自分を貫き通せることを私は願っている)
「起動条件ヲ確認。魔動機関『イクシード』ヲ起動シマス」
ああ、そうですね師父。確かに人間は弱い。貴方の教え受けたとはいえ所詮は人間。それでも妖怪との自力の差を埋めれると思って僕は修行をしてきました。でも結局、僕ら人間には超えられない壁があることを理解しましたよ。でも、でもね、理解できても納得なんてできない。諦めることは簡単だ。でもあの日、母さんに誓ったから。自分の道を進むって!それに師父は間違っている!諦めてはならないと、虐げられるだけの存在であっては駄目だと教えてくれたのは師父じゃないですか!
「引かず、媚びず、己を貫き通す。それこそが伊吹だ」
「その特異な虹色の気・・・貴様龍の末裔か!まさか伝説を拝める日が来るとはな!!」
「それに着いてくるどころか、押している貴方は本当にただの吸血鬼なのか!?」
一合い、二合い。方や型のある武術を駆使し、もう一方は己の思うがままに拳を振るう。そんな楽しい時間。いくら混じり物とはいえ、龍の末裔である私と対等に渡り合える存在など知りもしなかった。全力を用いても倒せない相手がいる。大和さんには感謝しなければならない。これほどの相手と闘えることは、武人にとってはこの上ない幸せだ。残念なのは、この楽しい時間が長くは続かないことだろうか。
「「今この瞬間こそ、力だけが全てだ!!」」
願わくば、刹那の闘争を!
前方で美鈴がアルフォードと闘っている。というかなんだあの気?虹色ですごく綺麗だ。それに力強い。とりあえずここから一発援護射撃といきますか!
「美鈴下がって」
――――――――魔砲 マスタースパーク――――――――
!?後方から莫大な魔力を感じ退避する。すると太すぎる魔力レーザーが私の横を掠めていった。咄嗟に避けていたアルフォードだったが、その顔は驚愕に満ちていた。それは私も同じことだ。それも仕方のないことだろう。あの魔砲が通過したであろう紅魔館の壁は全て吹き飛び、その先には外の景色が見えているのだから。
「ちょ!?今の当たってたらヤバ・・・大和さん?なんで紅く輝いて・・・?」
「ああこれ?なんかの魔動機関の影響みたい。今の僕の魔力は通常の三倍だ!」
そう言った大和さんの全身からは力強い魔力を感じ取れ、その身体はあの魔槍のような深紅に輝いていた。はは、もう笑うしかない。いつも貴方は私の予想の斜め上を行ってくれる。
「でもこれ長続きしないみたいだから。悪いけど、美鈴とケビンさんであいつを削ってくれる?トドメは僕が『アレ』でやるから」
「ブフゥッ!?アレってアレですか!?アレなんですよね!?」
思わず吹き出してしまった。だって大和さんのアレはまだ未完成で成功したことは一度もないから。その破壊力を身をもって体験したからこそ、大和さんの宣言に吹き出してしまった。
「うん。アレだよ」
「アレアレって何言うとんかわからへんけど、信用してええんやな?」
「もちろん!だから時間稼ぎお願いします」
「・・・わかった。いろいろ聞きたいこともあるけどそれは後や。やっこさんも正気に戻ったみたいやし美鈴ちゃん、行くで!!」
「了解です!」
美鈴が接近を試みるのを見て、僕は準備を始めた。アルフォードも美鈴に対応しようとするが、一瞬身体の動きが止まり、顔には苦悶の表情が見えた。おそらく封印の弊害だろう。対抗策を用いたと言っても多少の弊害はある。それが今になって現れたのだろう。アルフォードは後方へ飛翔しながら弾幕を張る。だけど今までの様な力は込められてはいない。その程度の弾幕なら、今の特異な気を放っている美鈴には効きはしないだろう。
「うりゃあ!はあぁぁぁぁぁぁぁぁっぁだあ!!!!」
肘打ち、裏拳正拳その他もろもろがアルフォードに打ち込まれていく。
「ぁぁぁぁ降華蹴!!!!」
僕がトドメを刺す前に私が倒す!と言わんばかりの気合一線。アルフォードの頭上にとんでもないほどの気が込められた蹴りがお見舞いされた。
「我が魂に刻まれし蒼き刻印よ…神に仇名す者を救う光指す道となれ」
その後に続くのは蒼く光る刻印を背負った聖堂騎士団の騎士、ケビン・フォレスト。彼がこの討伐に任命されたのは単に手が開いていたという理由ではない。彼ならば出来ると騎士団が踏んでいたからである。
「!?」
「守護騎士第七位、ケビン・フォレストや。覚えとき」
―――――――――穿て 空の聖槍――――――――
天より降り注ぐ無数の聖槍。その一本一本に込められた力は測ることすら馬鹿らしく感じる程である。アルフォードのそれが魔槍であるのなら、これは正に聖なる槍であると言えよう。
そして最後を飾るのは僕だ。
吸血鬼アルフォード。貴方は確かに強く、才能に溢れているのだろう。でもね、それじゃあ『僕たち』には勝てない。
――――――――右手に魔力を―――――――――
なんで僕ら人間が武術を、努力をするか理解る?
――――――――左手には気を――――――――
産まれ持った才能の無い人間が有る人に立ち向かうなんて、一や十、百の努力では無理だろうね
―――――――――ありったけの量を両手に集めて―――――――――
でも千の努力なら?万の努力ならどうなる?
――――――それを合成し、右手に纏わせる―――――――
僕が諦めずに歩んでいけるのは
「努力は才能を超えると…信じているから!!!!」
魔力と気。相反する二つの力を込められた一撃が生みだした爆発は遠く離れた場所からでも見ることができたそうな。
PV20万ユニーク2万ありがとうございます、じらいです。最近は特に見てくれる人が増えているようで嬉しいですw
そこでもう一度、もう一度だけ読者の方に聞いておきたいです。これからの展開ではオリキャラが増え(とは言っても大陸編のみ)、「これ東方関係なくね?」みたいな展開になるかもしれません。一応幻想郷との関係はあるのですが、余分かな?と思う部分もあります。なので反対・賛成あればお願いします。もちろん原作キャラも活躍します。
赤くなれば強くなる!これってもうお決まりなのかなぁ?