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東方伊吹伝  作者: 大根
第四章:動乱の大陸
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そんな日常

感想はいつでも受け付けてます

「3番オーダー入りました。餃子2、炒飯2、野菜炒め1です」「8番テーブル上がり、持ってってくれ」



飛び交う命令、怒涛の如く押し寄せる客。


調理場では腕に自信のある料理人が腕を奮い、連続する注文を次々に捌いていく。

街1番の飯屋の昼時は正に戦場であった。


それはホールで働く僕にも等しく与えられた戦場。



「坊主、これ持ってってくれ。4番な」


「わかりました!」



ここに住み込みで働き始めて早3ヶ月。

初めての頃は右も左も解らなかったけど今となってはそれも懐かしく感じる。

なんで調理場で働いていないのかは聞かないでね、長くなるから。

・・・どうしても聞きたい?なら教えてあげる。止められたんだよ店長に。店が潰れるって言われて。



「美鈴、5番オーダー呼んでるよ!」


「手が離せないんで大和さんお願いします」


「美鈴希望だってー」



美鈴もホールで働く貴重な戦力である。何ヶ月も働いているからか、動きが無駄に洗礼されている。

それにこの飯屋の看板娘的な働きもしているようで、美鈴目当ての客も多く、そんな人達には僕がオーダーに言っても白い目で見られるだけであって。


とは言っても、僕もこの飯屋の看板息子としての扱いを何故か受けている。

それはこの店だけでなく、この街全体でのことである。

前に何回か僕みたいに食い逃げを図る愚か者がいて、それを公衆の面前でボコボコにノシてやったのが始まりだ。あの時は照れ臭かったよ、まるでヒーローの様に扱うんだから。



「すいませーん」


「あ、今行きますんで少々お待ちください」



まあそんなこんなで僕も立派に飯屋の一員として働いてます。今までこんなに沢山の人と触れ合うことがなかったからか、毎日が新鮮で楽しい日々が続いている。



「ねぇ大和君、私の娘とお見合いしない?

 大和君みたいな立派な子が息子になってくれたらお義母さんうれしいわぁ」


「あはは~、僕が15になったら考えますね~」



時々こんな客もいて対応に困る。美鈴や店長曰く、優良物件は即買うのがしきたりだそうで。

・・・いや、嬉しいんですけど、その相手が僕より10以上も年上なら引きますよ。



「坊主、これ11番だ」



遊んでる暇もなく次の指示が来るけれど、お客さんを蔑ろにするわけにもいかなくて判断に困るところです。



こうやって飯屋で働いている僕だけど、何もしていないわけではない。

買い出しとか休日とかに街を散策して情報を集めている。


そしてようやく魔法使いの手掛かりを見つけたんだ。



なんでもこの大陸の遙か西にある国では魔法が盛んであり、それを専門に研究する機関もあるらしい。

そして僕の持っていた魔道書だけど、確実にそこから流れてきた物だって。街で見かけた商隊の人に聞いたところ、同じ商隊仲間がいろいろと買っていた時にそれも手に入れたんだろう、との話だ。


つまり、魔法使いになるためには大陸の西を目指せばいいってことが解った。

でもその道のりはとても険しく、砂漠越えでは死者もでるらしい。


まあ鍛え上げた肉体を持つ僕には関係ないことですけどね、えっへん!




もちろん武術の修行も欠かしてはいない。


ある日に一人基礎鍛錬を終えて技の練習に入ろうとしたとき、美鈴に模擬戦を掛けられた。

結果は敗北だったけど、その後から二人でずっと組み手をしたり技の開発なんかをしている。


驚きだったのが、美鈴が僕のことを天才だと思っていたことだ。


何やら、その年でこの力量は正しく武の為に産まれてきた子だ!とかなんとか。

あの時は思わず涙がでたよ。勘違いとはいえ、僕のことを天才だと言ってくれた美鈴に対して。

なんで僕がこんなに武術ができるかを赤裸々に語ると、美鈴は黙って僕の方を叩いてくれた。

あの時の美鈴の向ける哀れんだ顔は忘れられない。



「注文いいですかー?」



あと数ヶ月で代金も全て支払うことができる。そうなれば後は西に向かい、魔法使いになるのだ。



「坊主!客待たせてんじゃねえ!!」


「す、すいません只今!!」



それまではこの飯屋で馬車馬の如く働かされる毎日が続くんだけど、それも悪くないや。

なんといっても、楽しいからね。

戦闘よりもほのぼのとした日常を書く方が楽しいじらいです。宣言通り更新出来てほっとしてますw


大陸編の予告通りにいけたらいいんですけど、予定は未定ですw

それほど期待は・・・するわけないですよね?いやホントに

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