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東方伊吹伝  作者: 大根
第四章:動乱の大陸
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紅の武術家

大陸編スタート

「ふう、やっぱり空より地面の方が好きだなぁ」



島を出て少し飛んだあと、僕は大陸の街のはずれに降り立った。


まず僕がやるべきことは魔法使いについての情報収集。

この幻術の魔道書がこの地域のものかも調べないといけないし。


まあ、こんな大きな街にきて最初にやることは決まっているんだけどね。



「腹が減っては戦はできぬ」



暴れるつもりはないけどさ。












「おねえさんおかわりー」



てなわけで、優雅にお食事タイムを過ごしています。

街の人イチオシのこの料理店。評判以上に美味しいです!



「おかわり追加でーす」



蓬莱島での食事も美味しかったけど、あれは殆ど人の手が加えられてなかったからね。

こうやって人が一生懸命作った料理はまた違う味がする。

そ・れ・に!蓬莱島では僕が殆ど食材集めしてたし!!サバイバルの修行とか言ってたけど、あの師匠ズは絶対めんどかっただけに違いない。輝夜?期待する方がどうかしてます。



「沢山食べますね~、大丈夫なんですか?」


「らいじょうふ、らいじょうふ。まらまらはいりまふ」


「あ、そうじゃなくてですね、お金の方なんですけど・・・」


「・・・・・・」



おかね、オカネ、お金!?代金と言うなの取り立てか!?


しまった、本気で忘れてた。何時もの感覚でお金という概念をどこかに投げ捨てていたみたいだ。

しかし一体どうする?今の僕は全くの文無し、いわば無銭飲食者だ。

だけどできればこの街で情報収集をしたい(大きな街だし)から事を大きくしたくない。

ならば正直に、僕お金持ってないんです、って言うか?いやいやいや、最悪この街の責任者につき出されてしまうだろう。


ならば、僕がとるべき道はただ一つ。


ゆっくり、俯きながら無言で立ち上がる。そして、



「ごめんなさーーーーーい!!」



DASSHU!あの鴉天狗も驚きのスタートダッシュで駆け出す。うん!情報収集は次の街でいいや★












side店員



「ごめんなさーーーーーい!!」



料理をたらふく食べていた少年の懐が気になった私は彼に尋ねてみたところ、どうやらその予感は当たっていたらしく、少年はいっそ清々しいまでの食い逃げっぷりを見せた。



「いやはや、まさかあの歳の子供が私と同じコトをしでかすとは」



あの身のこなし、正しく武人のもの。いったい何処であれほどの技術を身に付けたのか。

妖怪ならばまだ解る。だがあの少年は間違いなく人間だった。ああいうのを天の才とでも言うのだろうか?



「足も速い。多くの功夫を積んでいるんですね」


「何のん気に見てやがる紅!はやくあのクソガキを捕まえてきやがれ!!」


「はいはい、解りましたよ店長」


「・・・期間延ばすぞ」


「逝ってきます!!」



少し、興味が湧いた。












「待ちなさーーーい!!」


「ごめんなさーーーーーい!!」



僕に代金を請求した店員さんが必死の形相で追いかけてくる。



「貴方が逃げたら、私のタダ働きが増えるんです!おとなしく捕まってください!!」


「ごめんなさーーーーーい!!」



知ったことかー!?捕まったらえらい目にあうじゃないか!!

お姉さんに事情があるように僕にも事情があるのです!だから許してー!?



「むむ、こうなったら・・・はっ!!」


「なにぃ!?」



だいぶ後ろから追いかけていたはずなのに、跳躍でもしたのか僕を通り越して前に降り立った。



「逃がしませんよ!」


「チィ!!」



セリフが完全に悪者ですね僕。・・・僕が悪いんじゃない!世界が悪いんだ!!



「見たところ中々の実力があるようですが、この紅美鈴を抜けるとは思わないことです」



ピシィッ、と構えをとってこちらに威嚇する店員さん。一気に張り詰める場の空気。

・・・すんごいできるねこの人。対峙して初めて解ったけど、僕如きでどうにかできる相手じゃない、か?



「それはどうかな?隙だらけだよ」



正攻法ならばね。だったらお得意の搦め手を使えばいい。幻術を使い姿を眩ませ、逃走を続ける。貴方の前にいる僕は虚像です。



「な!?・・・逃げるのですか!?貴方にも師がいるはずです!

 武人が勝負から逃げるなど、師が泣きますよ!?」


「ッツ!?」



そう言われては、仕方がない。僕はその場に止まり、振り返って大声で言う。








     「あの人達ならば、むしろ笑う!!」









「隙ありぃ!!」


「プゲラッ!?」



そう宣言した所を顔面に蹴を入れられてノックアウトしたのでした。














「おう新入り、この料理を二番テーブルに持って行け」「早く注文とってこんかい!」「皿洗えや、坊主」



見事に捕まった僕ですが、店長の計らいによってこの店で無料奉仕して食代を払うことだけで、つきだされるなんてことにはならなかった。



「坊主、お前にもいろいろあるんだろうが頑張っていけや。

 ここで働く限り、お前さんは俺らの家族みてえなもんだからよ」


「店長さん・・・」


「タダで働く家畜みてえなもんだ。そう感謝するなよ?」


「・・・酷いや」







なーんて事があって僕今日からここに住み込みで働くことになりました。



「はぁ、どうしてこんなことに・・・」


「ほら、動かないとまた叱られますよ?」


「わかってるよ美鈴さん」


「紅か美鈴でいいですよ。さん、って呼ばれるのはなんだか恥ずかしいので」


「変な人ですね、貴方」



この人は紅美鈴。僕に顔面キックをお見舞いした店員さん。実はこの人、以外に僕と共通点が多い。



「心外ですね、大和さんに言われるのは」


「同じことした人には言われたくないですよ」



まず武術を扱うこと。おそらく達人(僕は達人じゃないデス)。

そして僕と同じように無銭飲食をはたらいて此処で使われています。



「それを言われるとつらいですね・・・」


「まったくです。あと、僕も大和でいいですよ」


「いや~、ここで長いこと働いてたらこの言葉遣いが当たり前になってしまって」


「どんだけ食べたんですか・・・」



そして驚くことに妖怪である。なのだが、この店で働く人たちはまったく気にした様子がない。知らないのかな?と思ってそれとな~く聞いてみたところ、『飯を食うのに人や妖怪は関係ない!むしろ紅が入ってから客が増えやがった』と言うのは店長の言。うん、いいよねこういう雰囲気。



「二人とも何サボってやがる!期間延ばすぞ!!」


「「すいません!!」」



まあちょっとくらいなら、油売っててもいいよね。



頑張った、超短いけど頑張ったじらいです。

なんとか一話更新。でもストックはない☜これ重要



というわけで大陸編突入です。日本を離れてついにやって来ましたユーラシア。

自分でも書くのが楽しくなってきますよ、テンションMAXです。何時までもつか解りませんけどw

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