蓬莱島小ネタ集
題名通りの小ネタ集 3月15日改訂
~写真を撮ろう~
「写真を撮りに行こう」
ということで、今回は写真を撮りにいきます。せっかく綺麗な島に流れ着いたんだ、蓬莱島の隅々まで記録に残さないでどうする!
「相方は人生の暇人、輝夜です」
「早く行くわよ」
こう見えて、彼女ノリノリです。なんでもまだ見ぬお宝が発見できるかもしれないとか言って。
移動開始
「写真撮るんだけどさ、なんで輝夜まで?」
「華があったほうがいいでしょう?」
黙らっしゃい。蓬莱島はそのままでも綺麗なんです。
満足いくまで写真を撮って帰宅。最後に4人で集合写真を撮った。いい記念になったね。
◇◆◇◆◇◆◇
~弟子は生かさず殺さず~
今日も修行。明日も修行。きっと一年後も修行。十年後だってきっと休まず修行。……身体がもちません。
「師匠ズ、休日が欲しいです」
「何? 死ぬにはまだ早いわよ?」
「死ねばいくらでも休めるのだから、生きている間は頑張りたまえ」
「今日だって気絶で修行終了だったじゃないですか!?こうも厳しいとホントに死ねますよ!?」
「「それくらいで死ぬようなやわな鍛え方はしてない」」
だめだこの人たち、何とかしないと……。
「で、逃げてきたと」
「違うよ輝夜。ただ休日を過ごしているだけさ!」
「ふ~ん、そんなにキツイんだ」
「アレは文句なしで死ねる。あの二人は鬼よりも恐ろしいバケモノです。頭可笑しいとしか思えない」
「それ、本人たちの前で言ったらどうなるかしら?」
「物理的に地獄に落とされるか、更なる修行かな」
武術云々の前に、人を絶望させる達人の間違いじゃないのあの二人。
「へぇ、嬉しいこと言ってくれるのね。師匠のことを良く理解してくれているわ」
「正にその通りだ。いやなに、私は更なる修行をさせるだけだ」
「あら、なら私は物理的にも精神的にも地獄に落とそうかしら」
ああ、儚い人生でした。
◇◆◇◆◇◆◇
~女心は秋の空~
今日は輝夜に誘われ、男女に関する勉強です。都どころか自称国をも虜にした乙女によるありがたい講義と言うなの迷惑に付き合わされることになりました。今も熱心に目の前で独自の理論を繰り広げておってです。
曰く、女の子に暴力を振るってはいけない。
曰く、女の子の心情を考えるにあたり、言葉だけで判断してはならない。
曰く、私には優しくすること。
曰く、私の言うことを聞くこと。
曰く、……etc
って、あとから全部輝夜のことばかりじゃないか。どうかしてるぜ!!
言った瞬間に殴られました。
曰く、喧嘩となれば男が全てに於いて悪い。
なにこの理不尽!?
◇◆◇◆◇◆◇
~気になったので~
「師父、女の子が敵の場合何処を攻撃すればいいのですか?」
「ん? そうだな。相手が強者ならばどこでもいいだろう」
「ですが、輝夜は暴力そのものが駄目だって言ってました」
「そんな君に私の秘伝を教えてあげよう。その名も『男女平等パンチ』 だ」
「『男女平等パンチ』!?」
「うむ。闘う意志を持つものはそれぞれ戦士だ。そこに性別・老若男女は関係ない。何故なら、彼らは皆闘う意志をもっている。それは等しく戦士だ。そこに一般論は通用しない。だが、か弱い女性には紳士の態度を忘れては駄目だ。これさえ守れば例え女子でも殴って良し」
「わかりました師父! ちょっと輝夜に模擬戦仕掛けてきます」
バトル・アフター
「師父……貴方の言う通りに気にせず闘いましたが、勝てませんでした。むしろより一層攻撃の激しさが増した気がします。二十回は投げられました」
「……それは君の力不足だろうに。いろいろと」
◇◆◇◆◇◆◇
~空を自由に飛びたいな~
それはある日の出来事
「何あんた、空も飛べないの?」
「五月蠅いこの馬鹿輝夜ーー!!」
人間は空を飛べるように出来てないやい! 羽なんかないんだもん!
「というわけで師匠ズ、空が飛びたいです」
「……もしかして、飛べないの?」
「人に飛べるような翼は無いのです」
「忘れてたわ……。てっきり飛べるものかと」
「誰でも飛べると勘違いした我々のミスだな。決して君が能無しという訳ではないよ、決して」
「ば、馬鹿にしたなー!? 責任もってしっかりと教えてくださいよ!?」
ということで、現在地上から遙か上空に来ております。師父におんぶされて。今から空を飛ぶ感覚でも掴むのだ、とか言われるのかな?
「気の使い方は理解しているね?」
「大丈夫です」
「では飛んでみたまえ」
え? っと思えば急降下中。ちょっ死ぬ!?
「飛べると思いたまえ!必要なのはイメージだ!!」
感覚を掴む前にいきなり実践ですか!? それにいきなり言われても! ……ええい、ままよ! 僕は鳥! 鴉天狗だと思うんだ!!
「あやややややや!!」
人間、追い詰められたら不思議なパゥワーが出ます。
一難去ってまた一難とでも言えばいいのだろうか、再び上空に来てます。今度は師匠におんぶ。ご丁寧に、空を飛べる気を封印されて。
「師匠、まさかとは思いますが・・・」
「逝ってらっしゃい」
「またかよーーーー!?」
今度は魔力! 飛べる! 天狗とは僕のことだ!!
「こんちくしょーー!!」
案外飛べるもんです。達人の指導のもと行われてますので、皆はマネしないように。
◇◆◇◆◇◆◇
~必殺技?~
それは修行中のある日の出来事
「何時も教えてくれるのは地味な技ばかり。……師匠ズ、何か派手な必殺技って無いんですか?」
「君にはまだ早い」
「そんなことより、教えた技が完璧になるように努力しなさい」
「そんなこと言って、ホントは持ってないんじゃないですか? ババーンッ! って使える技なんてないんでしょう? だから教えないんでしょ?」
カチン
うん? 何か聞こえたらマズそうな音が……?
「良いだろう、そこまで言うのなら来たまえ」
移動中
「こんな湖でなにを?」
「見ていたまえ。ゆくぞ……『剛堕浸透掌!!』」
湖の水が消し飛びました。
「どうだね? 表面と内部、その両方を破壊する打撃を同時に発する技だ。『必ず殺せる技』 故に、防御など無意味だ。地味ならもっと見せるが?」
「けっ、結構です…」
その威力は、湖の水がすべて浮き上がり、そのあと雨粒となって降って来るほど。
移動中。次は師匠が見せてくれるらしいです。正直、師父のやつでお腹いっぱいなんだけど…
「じゃあ次は私ね。いくわよ……『塵体破壊地獄車!!』」
投げる練習に使う人形がメメタァです。
「投げ、当見、関節技を同時に仕掛けるとてもとても繊細な技よ。……ああ、生命活動に必要最低・最小限な機能は残してあるから死ぬことは無いわ。人体の構造をしっかりと理解できている私だからできる技ね。どう?」
「死んだ方がマシかと」
そんなの人間じゃなくても死にます。
結論。師匠たちにケチつけるものじゃないです。
「ああそうだ、私たちの技は全部憶えてもらうから。じゃ、まずは体験しましょうか。忘れられないように」
僕、生きて帰れたら眠るんだ。それはもう、ぐっすりと。
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~重心を安定させよう~
針のような山の頂上で、てかむしろ針の山の頂上で片足立ち。少しでも手を抜くと、下に落ちるか針が足に深く刺さる。だから刺さらないように気か魔力を足の一点に集中しなければならないのだけど、力の調整がとても難しい。何せ重心を少しでもずらしたら終わりだしね。更に師父から時々気弾を飛ばされるというオマケ付き。こりゃあもう無理だ。
「君の足腰の力はもう達人の粋に達すると言っても過言ではないだろう! なぜなら足腰に重点を於いて修行させてきたからだ!! そこから繰り出される蹴りは正に必殺! 重心のコントロールを上手く行い、まっすぐ打点に叩き込めれば威力は更に増すだろう!! 蹴りだけでなく、突きも同様だ。故に完璧な重心にまで鍛えねばならん!!」
もはや疲れて何を言っているのか解らないけど、修行なので我慢するしかない。
気絶するまで修行するのが師匠ズクオリティー。
◇◆◇◆◇◆◇
~孤塁・敵の隙をつけ~
「孤塁とは、勢いが衰え、頼りない場所のことを示す。どんな達人にも、そのような箇所は必ず一ヶ所はあるものだ。だが達人と呼ばれるものはそれを隠すことにも長けている」
「はぁ」
「私達は俗に言う急所と成りえない急所『孤塁』 を闘いの中で探さねばならない。今から孤塁探しの修行を始める。では手始めに、これより輝夜の孤塁を探してくるのだ」
此処で待っていれば輝夜は来る、と言われたので待つ。それにしても蒸すねここ。すごい水蒸気。
…ん? 輝夜だ。なにやら周りを確認しているよう。師父に言われていた通り、隠れていてよかった。
……って!? なんで服脱いでるの!? この湿度……まっまさか、ここには天然の温泉があるの!?
目の前では産まれたままの姿になっていく輝夜。ゆっくりと衣服を脱いで、その肌を露出させていく。……師父、なんて喜ばゲフンゲフン、なんて不埒な修行を!?
だがしかし、これは修行なのだ。鼻血が出ようが熱が篭ろうが、良心が苦しんでもやり遂げねばならない……!!
師父、弟子はしっかりと孤塁を探して見せます!
「へぇ……じゃあ武天の差し金なんだ」
「ハイソウナンデス。ダカラボクハワルクナイヨ?」
「男女の掟その1」
「男はすべからずスケベであるべし。だが度が過ぎれば制裁を」
「よろしい。ならば制裁だ」
「輝夜が僕をスケベに(調教)したんじゃないかアッーーーーー!!??」
結論 孤塁探しはルナティック。
◇◆◇◆◇◆◇
~改造人間ヤマトゥ~
それは気絶していた時に耳に入ってきた会話
「ふむ、最近は厳しい修行を行っても中々気絶しない。今までの修行で外功と内功がしっかり鍛えられている証拠だ」
「そして理想的な筋肉のつきかたもしています。弟子改造計画、上手く言ってますね」
フフフフフ、と妖しく笑う二人。僕は意識が朦朧としているため、そんな二人に対して何の反応も出来ない。
「では今回もこの薬を体内に注射して」
「この漢方を飲ませる」
「「さあ、もっともっと可能性を見せてくれ」」
そこで僕の意識は完全に途絶えた。
オワレ