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東方伊吹伝  作者: 大根
第三章:永遠の蓬莱島
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流されて蓬莱島


初めましてね、輝夜よ。都でブイブイ言わせてたこの輝夜姫も今ではただの逃亡者。しかも迎えにきた、俗に言う「月の民」連中を始末して逃げてる犯罪者ってところかしら。とりあえず、現在進行形でこの島に潜伏してるのに変わりはないわ。・・・ちゃんと島の主には許可をもらってるわよ、永琳が。



「永琳、ちょっといい?」



そして目の前にいる人外が八意永琳。どうかしてるとしか思えない頭脳と戦闘技術を持った自他共に認める天才であり、私の元教育係。今は逃亡の片棒を担いでしまっているので永琳も狙われているのだろうけど。正直、迎えに来た中に永琳がいてよかった。私だけじゃ逃げきれなかっただろうし。



「どうかなされましたか?」



そしてとても頼りになる。きっと今回の事態も余裕を持って答えるのであろう。それはね輝夜、ってね。



「陸に打ち上げられた人間を見ればどうすればいいかしら?」


「何ですかそれは。今回答が必要?」



あ、あれ?以外に辛辣じゃない。私何か悪い事したっけ?そう考えてそんな事は無いと再び確信する。

だって、永琳がとってくる食料を食べて、暇の相手をしてもらって、ちょっかいを出す事しかしていないんだから。あ、あら?もしかして私、何もしなくても永琳に迷惑かけてた・・・?



「ええ。今向こうに打ち上げられた人間がいるもの」



こ、今回は私が悪かった。

そう思うけど言葉にすることは中々出来ないのでいつも通りに返してしまった。



「この島に?ありえないわ」



う、こっちを見ないで適当に言うなし。少しは真面目に話を聞いてよ!



「あら、私が夢を見たとでもいうのかしら?とにかく来て頂戴。死にかけだから」



私としては漂流者の死よりも、永琳との仲の方が大事だけどね。

拾っちゃった分は責任を持つわ。



「はいはい、姫様の仰せのままに」



だから面倒くさいみたいな顔しないで!?
















「たしかにまだ生きているわね。この子をどうするの?」


「とりあえず助けましょう。その子供には私の暇つぶしにでも付き合ってもらうから。あとはよろしく」



そういって輝夜は欠伸をしながら去って行った。



「はあ、あの子にも困ったものだわ。今の私たちの状況を解っているのかしら?

 ・・・輝夜はもう行ったわね?


 まさかこんな所でこの顔を見ることになるなんて・・・。

 決して忘れることは許さない、あの子たちの最後の言葉・・・。

 ・・・とりあえずこの子を運びましょうか」














う~ん。なんだ、もう朝か。早く母さんたちを起こさないと。



「母さんってことは、母親と一緒に居たってことでいいのかしら?」


「え?」


「目が覚めたかしら?痛いところは無い?」



赤青?の服を着た優しげな大人が僕の顔を覗きこんできた。うわ、美人さんだ。



「え、あ、はい大丈夫です。えっと、此処はいったい何処なんでしょう?」



確か僕は波に攫われて・・・どうなったの?



「その前に自己紹介しましょうか。私は八意永琳よ」


「これはご丁寧にどうも。僕は伊吹大和です。それでここはいったい?」


「聞くより見た方が早いと思うわ。歩けるかしら?」




   

   百聞は一見にしかずとは、正にこの事か



「えっと、ここはあの世ってことでいいんですよね」



体中から冷汗がとまらない。自分の知らぬ内に死んだとか悪夢以外の何物でもない。

この世じゃない光景が目の前に広がっていた。そりゃ見た方が早いっていうわけだ。



「勘違いしているようだけど、あなたはちゃんと生きているわ」


「カメラが必要かな、この光景を撮らなくちゃ。ああ、でも僕はもう死んでるから意味無いかな」



フフフ、綺麗なお花畑だな~。



「人の話をちゃんと聞きなさい。子供の騒ぐ声って大嫌いなのよね」



声のした方を振り向くとこれまた顔立ちのいい少女が立っていた。正に絵に描いたような人だ。

でも残念、もう死んでるから意味無いね。死人仲間同士、仲良くしましょう。



「ここは桃源郷よ。まあ、蓬莱島なんて呼ばれてるけど」



クスクスと女の子が笑いながら言う。


   桃源郷?


「あなたが海岸線で倒れているところを輝夜が拾ってきたのよ。憶えてないかしら?」



気絶してたから憶えるも何もないです。



「感謝なさい。私が気まぐれを起こさなければ、あなたは死んでたはずなのよ」


「ありがとうございます。えっと・・・」


「輝夜よ。なんなら姫様って呼んでくれてもいいわ」



なんて言うか、傲慢そうな人だなぁ。姿は姫そのものだけど、姫って言葉が一番似合いそうにない。



「ありがとうね、輝夜」



故に呼び捨て。



「ちょっと、なんで呼び捨てなわけ?」



輝夜がジト目でこっちを向いている。いや、そんなに見られると恥ずかしいです。



「輝夜よって言ったじゃん」


「姫様とも言ったわよ!」


「だって、姫様って感じよりお転婆な感じが強いんだから」



確かに見た感じはそうなんだけど、なんかこう、僕の中にそういう印象があった。

目の前の人物はお転婆だって確信が。



「な――――――!?」


「あら、あなたよくわかったわね。いつもはお姫様ぶっているんだけど、

 こう見えて可愛いところがたくさんあるのよ」



目の前で僕をもの凄い形相で睨みつけてくる。あ、これはやばい。たぶんこの後は



「こ、この無礼者ーーーーー!!」



顔面を平手で強打され、視界は再び暗転した。

じらいです。ついに輝夜姫登場です。原作でも彼女、いいキャラしてると思いません?永夜のハードになると倒せないんですが・・・。金閣寺?友人のプレイ見るだけで精一杯ですが何か?まあ原作はどれも素晴らしいから置いておいて。


明日は更新できないかもしれません。できなければ明後日、二話投稿しますんで。

ではまた。感想待ってます。

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