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東方伊吹伝  作者: 大根
終章:終わりは始まりの桜
161/188

伊吹大和と言う男・承

「嘘だッ!」


テーブルを叩きつけ、霊夢は反射的にそう叫んでいた。


「あり得ない……だってそんなこと、あり得ないわよ! だって大和さんが…、そんなの何かの間違いよ!!」

「……」


必死になって否定を続ける霊夢を、レミリアは冷ややかな視線で見つめ続ける。

霊夢にはそれがどうしようもなく辛かった。実は嘘なのだと否定するなり、間違いなく是であると肯定して口論となればどれほどマシだったか。

だがレミリアは何も語らず、無表情で霊夢を見つめ続ける。もう終わりか? とでも言うように。


「それにあんたのお母さんは、大和さんの先生だったじゃない…。それなのに……それなのに…」

「……」

「どうして……」


否定の声がだんだんと尻すぼみになる頃には、レミリアの咽喉を通る紅茶の音だけが響いていた。

そんな冷静なレミリアとは反対に、動揺を隠せない霊夢は額に手を付いて声にならない言葉で唸っている。

霊夢はつい先程まで、大切な人を失うことがどれだけ辛いのか考えていたのだ。それが解らないと自分で結論も出した。にも拘らず、レミリアに自分の母親は殺されたと言われた。それも自身の親代わりであり、兄でもあり、家族でもある大和の手によって。


(どうしろって言うのよ…っ! 謝って済む問題でも…いいえ、謝った所で……)


レミリアに何と申し開きすればいいのか、霊夢は頭を痛めながら考え続けた。

大和の問題は自分の問題。霊夢にとって、それはたった一人しかいない家族への想いだ。でも、だからこそ霊夢は心を痛めている。

それでもレミリアは話を進める。そこに霊夢に対する配慮など欠片も無かった。


「大和が私のお母様を殺した。……でも、私も一緒に殺した」

「……は?」

「私だけじゃない。フランも、お父様も、私たち家族がお母様を見殺しにした」

「……」

「お母様は、初めから敵と繋がっていた」

「それは……」


どういうこと? と霊夢は尋ねられなかった。一言話す度に、レミリアの頬には一筋の雫が流れ落ちる。後悔するように、懺悔するように。吸血鬼だなんて関係がない。博麗の巫女という立場は何の意味も為さない。ただ一人の少女の涙を前に、ただの霊夢は押し黙るしかなかった。


「最後の最後まで、大和はお母様を止めるために必死に叫んでいた。私もその場に入って止めようとした身体を張って、心から叫んだ。でもお母様を止めることは出来なかった。大和の言葉でも、私の言葉でも止まらなかった。気がついた時にはもう後が無くて……。覚悟を決めないとやられるのは大和と私だった」

「……」


レミリアが何を言っているのか、霊夢には理解出来ないでいた。その時の詳しい状況も、背景もなく辿々しい説明。それでも哀しいという感情だけは届いていた。


「これは大和が後で話してくれたことだけど……お母様は『人間』 が大好きだったの。『妖怪』 でありながら『人間』 が恋しくて恋しくて仕方が無かった。…でもお母様は拒絶された。迫害なんて言葉じゃ説明できないほど酷い目にも遭わされたって言ってた。どう思う? 人間」

「……私は…」

「……ごめんなさい、意地悪だったわね。でも、だからお母様の言い分も理解出来た。当時の時勢も大いに影響していたけど…。お母様たちの主張はただ一つ。『人間を救うために、人間を殺す』 ことだった」


今度こそ、霊夢の顔は歪んだ。






◇◆◇◆◇◆◇






「結局のところ、八雲紫の主張なんてそれと似たり寄ったり。所詮その程度のことなのよ」


料亭の個室に文の声が響いた。個人的な飲み会とのことなので、何時もの敬語はカメラと一緒に隣に置かれている。対座している大和も気にすることは無く、杯を呷っている。

店に入った当初は既に酔いが回っていた萃香が大和に絡んでいたが、大和が文字通り酒樽に沈めれば静かになった。ものすごい勢いで酒樽の中身が減っていっているが、二人は努めてそちらを見ないようにしている。


「その程度、ね。その程度で大陸では大戦が起きて、今でも僕は争いの渦中にいるんだけど」


大和はそう苦々しく呟いた。酒を呑みながら話す内容ではないと言っていたが、今となっては誘ってくれた文に感謝していた。確かに、この話は酒でも呑まなければやってられないと。


「私にしてみれば、もう答えが出ている問題なのよ」

「…なら一つ、僕にご教授してくれないかな。口じゃ迷いはない、もう決めたことだから、なんて言ってるけど、今でも夜中になると悩むことがあるんだ。本当にアレで良かったのか、本当にそれでいいのかって……」

「……クク…、ヒック…いやはや、らしい・・・。いざとなれば人一倍どころか、三倍くらいの度胸があるのに、ウジウジ悩むところは治ってない」

「……うるさい」


二人とも顔を仄かに染めて酒を呷る。まだお互いに未熟だったころを思い出しているのか、あの頃は…あの時は…と昔話に花を咲かせている。昔を思い出して笑っている文と、今も変わらず情けない部分を指摘された大和。今も変わらぬ昔を思い出しながら、二人の話は続いていく。


「だいたいねぇ、私が誰のせいでこうなった・・・・・と思ってんの? 昔のクソ真面目なままだったら今頃は大天狗だったかもしれないのに……。それをこんなのにさせたのはまだ人間、しかも当時は子供だったのよ?」

「ふん……だったら今すぐ御上のご機嫌でも窺ってきなよ」

「い・や・よ。私は今の自分を気に入ってるの」

「……」

「そんなもんなのよ。この問題の答えはね」


微笑みながら杯を傾ける文に、大和は頭を掻いて応えた。






◇◆◇◆◇◆◇






「大和は言ったわ。『ここで引いたら、誰も先生を受け入れてやれないじゃないか!』 って。拒絶され続けたお母様を受け止める、そう言って短剣の切っ先を向けた。剣先は酷く震えていたわ。それまでの疲労もあったのでしょうけど、それ以上に怖かったのだと思う」

「…大和さんは、それまで経験したことは……?」

「私の知り得る範囲じゃ、おそらく無いはずよ。だから私は、震えている手を支えてあげた。お母様を救う・・ために」

「……辛くはなかったの?」

「辛かった。ボロボロに泣いていたと思う。でも、どうしても見せてあげたかったの。私たち家族ですら気づくことが出来なかったことを、一人だけで受け入れようとした大和と一緒に。人間と妖怪だって一緒に生きていけるんだって。そして―――」


―――大和の放った大魔砲は、先生と仰いだ恩師の身体を包み込んだ。

消えゆく命の中で見えたものが何だったのか。それは当人しか解らない。だが、きっと二人の想いは届いたはず。そう思えば、レミリアも少しは救われていた。救うはずが、レミリア自身も救われていたのだ。大和もそうだったのかもしれない。


だが、だからどうした。それを聞いたところで、私はどうすればいいのかなんて解らない。

見た目にそぐわぬ人生経験をしているレミリアに、霊夢は言葉を失ってしまった。

しかし、そんな霊夢を現実に引き戻したのもまた、レミリアだった。


「あ、ちなみにもう吹っ切れてるから。そんなに考え込まないでいいわよ?」


あっけらかんと。それはもう、霊夢が思わず椅子から落ちるほどにあっけらかんとそう言った。


「…あ、あんたはそれでいいの……?」

「…? 何で私が良いとか悪いとか聞くの? 貴女、大和が人を殺したことに頭を悩ませてるんじゃないのか、って考えてるんじゃないの?」

「え?」

「…え?」


あれ? 話が通じていない? と両者は互いの頭に? マークを浮かべた。

大和がそんなことをするはずがない。そう必死に否定し続ける霊夢を見たレミリアは『霊夢が、大和が人を殺めた苦悩について心を痛めている』 と勘違いしていた。その姿を見ていたのも関係しているのかもしれない。それにレミリアにとってこの問題は既に過ぎたことであって、後悔や反省も終え、納得してしまっている。だからこそ、霊夢が『レミリアは肉親を殺された憎しみを大和に抱いている』 のではないかと言う考えを破棄してしまっていた。


だが霊夢は違った。

霊夢はつい先程まで大切な人を失う悲しみについて考えていた。だからこそ、霊夢はレミリアが大和のことを、延いては自分のことを怨んでいてもしかたがない。だからそれを伝えるために記憶を見せ、先程までの話をしていたのだと考え込んでしまっていた。


「私は、あんたが大和のことを恨んだりしてるんじゃないかって……」

「は?」

「わ、私の家族があんたの親を殺したって言うのなら、私はあんたに何て謝ればいいのかって「はぁ!?」 …って何よ!?」

「ちょっと待ちなさい。貴女、私が大和を憎んでるって思ってるの?」

「……違うの?」


違うわよ……と、溜息を吐きながら、レミリアはテーブルの上に身を載せて脱力してしまった。それこそあり得ないわよ~、と顔をふにゃふにゃと歪ませながら。

霊夢の言っていることは、レミリアにとってはあまりにも的外れな言い分だ。怨みなんて抱いているはずがなく、むしろそれとは正反対な感情を抱いているのだから。


「あのねぇ……もし私が大和を憎んでいるとしたら、わざわざ呼びつけて一緒に居ようなんて言うと思う?」


だからそれとなく、本当にそれとなく諭すように尋ねた。大和と一緒に暮らしているのだから、大和が頻繁に紅魔館に呼びだされている理由くらい察しているだろうと思って。


「あんた、大和さんにそんなことしてたの?」


だが、レミリアの考えは呆気なく裏切られる。心底不思議そうに、霊夢はレミリアにそう切り返した。その顔は、まるで『あんた何言ってんの?』 と訴えている。そして今度はレミリアが呆然とする番だった。目をまん丸に見開き、まさかと思いながらも、ここまで来れば事の真相を聞かざるを得ない。


「……知らなかったの?」

「大和さんは何も言わないもの」

「私のこと、何か言ってなかった?」

「会話に出たことも無かったわ」

「何も?」

「何も」

「本当に何も?」

「本当に何も」

「……」

「……」

「今の無し。忘れて頂戴」

「キリキリ吐きなさい。逃がしゃしないわよ」


ヤバイこいつ何も知らなかった! と必死に逃げ出そうとするが時既に遅し。顔を両手で掴まれたレミリアは無理矢理に霊夢の方へと顔を向けられる。


「離しなさい! これは貴女に関係ないわ!」

「いいから吐きなさい! あんた、何で大和さんと一緒にいようとするの!?」

「言わない! それだけは絶対に言わないわ!」

「……まさかあんたっ!?」

「ちっ、違うわ! そ、そんなんじゃないんだから!」


藪蛇なんて言葉では済まされない。顔を真っ赤にさせて否定しても逆効果にしかならないが、レミリアは口上だけでも必死に否定し始めた。女三人寄ればなんとやら、との諺があるが、紅魔館の一室ではこの二人だけでも十二分に乙女な会話が繰り広げられている。

追及する霊夢に曖昧に応えながら、なんとか逃げられないかとドアへチラチラと視線を向ける。それに気付いた霊夢が、絶対に逃がすかと部屋を結界で覆うまでそれほど時間は掛らなかった。


「あ、貴女こそ! 大和を変な目で見てるんじゃないでしょうね!?」


逃げられないのなら言い包めるしかない! やられっ放しでは性に合わないとでも言わんばかりに、レミリアは霊夢にそう言い放った。苦し紛れの、ただ単に自分への厳しい追及を躱すための物だったが…


「―――ッそ、そそそそそsっそんにゃことないわよ!?」

「……ぇー」


時間にして五秒ほどか。レミリアの言うことが理解出来ずに霊夢は固まってしまった。そしてそれが何を意味するのかを理解した途端、顔中が茹でダコのように真っ赤になっていく。そんな霊夢を見たレミリアは、今まで熱くなっていたのが嘘のように常へと戻っていった。冷水を掛けられたなんてものではない。裸で極寒の海に投げ込まれた気分だった。所詮、ドン引きと言う奴である。


「博麗霊夢、貴女にとっての大和は何なの?」

「…兄でもあって、唯一の家族……だと思う。あと、霊夢でいい」

「じゃあ霊夢、貴女は大和のことが……その、アレなの?」

「アレって……解らないわよ。だって男の人は大和さんしか知らないし―――ってあんた、変なこと考えてんじゃないでしょうね? 顔が真っ赤よ」

「いっ、いや、何でもない。続けたまえ」

「このムッツリ吸血鬼。……正直の所、自分のことなのに解ってないわ。最近変な夢を見てるせいかもしれないけど」

「変な夢ねぇ…。てっきり私は育ての親との(自主規制) な関係を望んでるのかと思ったわ。……でも貴女が敵にならなくて良かった。貴女が本気になったら勝てる気がしないもの」

「……なんで?」

「だって貴女、大和の初恋の人にそっくりだもの」


何でそんなに似てるのよ、レミリアはそう言い放った。霊夢が一番知りたがっていることだと知ってか知らずか「あの女め、本当に忌々しい」 などと口にしながら。


「詳しく教えて」

「えー……。あまりいい話じゃないのだけど…「いいから話せっつってんのよ!!」


いきなり怒鳴られたレミリアは、驚きのあまり椅子の上で固まってしまった。レミリアには、目を吊り上げて怒鳴る霊夢が、ありし日の零夢と重なって見えた。

それ以上に、霊夢自身も自分の口から出た汚い言葉に驚いていたが。


「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃない……」

「…ごめん」

「いいけど、次に怒鳴る時は一言言ってからにして頂戴。……そうだ、あと一人ここに呼んでも良いかしら?」

「いいけど、何で?」

「その人がまだ生きてたとき、大和はその人にべったりだったの。だから私達は使い魔を遣って様子を窺ったりして…」

「つまり、ストーカーね?」


うぐ……、とレミリアは答えに詰まった。大和が襲ったりしないか見張るため、家族を見守るのは当然のことなどと霊夢に説くように説明を続けるが、レミリアを見る霊夢は半目で白けてしまっている。その顔には、はっきりとこう書いてあった。『てめぇ、まさか手ェ出してんじゃねぇだろうな?』 と。


「……まぁ、ストーキングとも言うわね。…ちょっと、そんな目で見ないでよ。必要だったんだから」

「どうだか…」

「とにかく話を続けるわよ? その人物はかなりの使い手でね、高性能な使い魔じゃないと覗きなんて出来なかった。だから当時、使い魔を使役していた魔女を呼びたいのだけど…いいわね?」

「じゃあいいわ。それでより詳しく聞けるのなら」


霊夢の許可を取った後、レミリアは再び咲夜を呼んだ。今頃ヘルメットを被って作業をしているパチュリーを呼ぶには、まず初めに現場監督さくやに頼まないといけない。なので先程と同じように咲夜を呼んだのだが、何時まで経っても咲夜が部屋に現れることは無かった。


「あ! そう言えば、さっき部屋に結界張ったんだった」

「……一応聞いておく。なんで?」

「そんなの、あんたを逃がさないために決まってるじゃない」


いよいよもって、レミリアは頭を抱え始めた。これでは容貌だけでなく、性格までそっくりではないかと。レミリアが見た限りでは、二人には何かしらの関係があると自信を持って言える。しかし『視る』 ことに限れば、二人はまったくの別人なのだ。

それなのに、どうしてこれほど似ているのかレミリアには理解出来ないでいる。


「申し訳ありませんお嬢様。部屋に結界が張られており、入れませんでした」


霊夢が部屋の結界を解いたあと、咲夜が部屋の中に入ってきた。とても疲れているように見えるのは、紅魔館の修復作業をしているからか。紅霧異変から萃香の暴走と、短期間で二度にも及んだ館の崩壊は、時を操れる咲夜すら追い詰めているようだ。


「それくらい破りなさいよ」

「面倒だったので」


なので、これくらいは言っても良いだろう。咲夜はしれっとそう言い放った。


「……え?」

「パチュリー様を御呼びですか?」


そして素知らぬ顔で話を続ける。咲夜のストレス発散相手は大和と決まっているのだから、これ以上主であるレミリアを苛めるわけにはいかないのだ。咲夜本人としては、もう少し言い足りないところがあるのだが。例えば作業を手伝って下さい、など。

それでも文句を言わず、淡々と仕事を続ける辺りがレミリアに対する忠誠心の現れと言うところなのだろう。大和を相手にすれば口汚く文句を言い続ける辺り、大和も大抵舐められているのだ。


「え、ええ…。咲夜、さっき何か――」

「お連れ致しました」

「レミィ。私、貴女と違って忙しいのだけど。腰も痛いし、もう眠いわ」


連れて来られたパチュリーは、本人の言う通り疲れ果てていた。喘息? それがどうしたとレミリアの一言で修復作業へ向かわされ、体調も機嫌も最悪。レミリアを見る目は光が失われており、これ以上何かを言おうとすれば虚ろの目から魔法が飛び出るに違いない。


「あ、パチェ。ちょっとお願いが―――」

「あら、博麗の巫女じゃない。話を聞きに来たの?」


そんなことなど知らず、レミリアはパチュリーへお願いを告げようとする。

爆発するか!? と咲夜は身構えたが、流石は冷静沈着な魔法使いは一味も二味も違っていた。右から左に聞き流し、レミリアを居ないものとして扱うことで事なきを得ている。


「ええ。お願いしてもいいかしら?」

「いいわ、私も休めるし。じゃあ私の目を見て……レミィ、貴女もよ」

「……あ、うん。わかったわ」


咲夜とパチュリーの対応に疑問詞を浮かべながらも、レミリアは親友の目を直視した。意識が吸いこまれ行く瞬間にレミリアが聞いた言葉は、親友からの『覚えてなさい』 だった。


(何を…?)


人を遣うのは得意だが、まだ心情を察知して機敏に動くことは出来ないレミリアだった。






◇◆◇◆◇◆◇





(…あれ……?)


神社で静かにお茶を呑んでいる大和。その隣、おぼんを挟んで座る女性の姿が酷く印象深く霊夢に映った。


「お茶が旨い…。流石は―――だね」

「当たり前でしょう? 私を誰だと思ってるのよ」

(…あの顔、何処かで……)


どこかで見たようで、でも見てないようで。


「最後の煎餅は頂いたぁっ!」

「あ、こら大和! それ最後までとっといた奴なのよ!?」

(あの顔は、何処かで……)


何時もどこかで見ている。でもどこで見たのか、霊夢は中々思い出すことが出来ないでいた。


「へへん! 取ったもん勝ちだよ!」

「へぇ……盗ったもん勝ちね? 」

「……へ?」

(貴女は誰…? ここは博麗神社…、なら貴女は、博麗の巫女……?)


だらだらと汗を掻いて後ずさりする大和に、ゆっくりと近づいて行く女性。巫女服を着た女性が針を構えたとき、大和が叫んだ。


「ちょっ、ちょっと待って零夢・・!」

「うっさい馬鹿大和! 問答無用ぉっ!!」

(……れいむ? 私と同じ―――ッ!?)



あれは、自分わたしだ―――


(―――ア、あぁ…ァァァ……ッ!?)


そう頭に過った瞬間、霊夢の頭に激痛が走った。あまりの痛みに、霊夢は頭を抱えて倒れ込んでしまった。それでも頭が割れそうな痛みは引かない。いや、実際に割れてしまっているのかもしれない。霊夢は大声で悲鳴をあげ続けた。


(―――アレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だアレは私だ―――)


カタカタと身体の振えが止まらない。身体は冷えているのに、流れ出す汗が身体中を湿らせていく。

子供のように泣き叫びながら、霊夢は身体を抱きしめて呻いていた。


(アレは私―――私は、だれ? だれなの? 答えて、タスケテ……)


大和さん、と後に着くはずだった声は途中で途切れてしまった。以前、命を投げ捨ててでも助けてあげると言ってくれた人は傍にいない。居るのは、目の前の遙か昔の彼だけ。虚ろな瞳に映るのは、目の前で楽しそうに笑っている嘗ての大和だった。



巫女れいむが、巫女れいむを見て微笑んだ




回想は上下二本だと言ったな、あれは嘘になりましたごめんなさいorz のっけから土下座を敢行するじらいですorz


…書いているとですね、いろいろと浮かんでくるのです。あ、これどうだろう? みたいに。本当は予定にないものがどんどん浮いてきて、書きたいことは後回し。正直蛇足みたいなものなのですが、ワンクッション入れると言った感じでああなりましたぁ! 二本立てと言っていたのに本当に申し訳ないです! もう少しだけ私の我儘にお付き合いくださいorz


前回を良い所で終わらせた…つもりだったので、今回も良い所で止めた…つもりです。この後の話も半分は出来ているのですが、一万を超えた辺りで私がノックアウト。長くなりすぎると適当になってしまうので切らせてもらいましたorz 霊夢、どうなってしまうのでしょうか…? と考えて下さる方が一人でも多くいて下されば、私としてはしてやったりだとかなんだとか…。調子に乗ってすいませんorz


土下座しすぎで駄目ですねこれは…。ではまた次回の後書きで



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