表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方伊吹伝  作者: 大根
前章:狂言紅魔郷
150/188

勝負は時の運? 実力だよ


――――――遊びのつもりだったのに



咲夜と二人、ヤマトで遊ぶ。ただ時間潰しのつもりだったの。お姉様からのお願いだし、わたしも久しぶりにヤマトと遊びたいかなー、なんて思ってた頃だし。


うん、わたしは始めから遊ぶだけのつもりだった。


だから、わたしは堕とせる場面をわざと見逃したりしてたよ。ここぞと言う所でニッコリ笑うだけに抑えて、ヤマトの反応を見て笑ってた。笑い掛けられたヤマトは苦笑いだったけど。でも咲夜はヤル気満々でナイフを放ってたから、ヤル気無しとヤル気有りでevenだよね。



でも…楽しいなぁ……!

ヤマトの強い目、それでも苦しそうに歪んだ表情も。ローブに隠れているけど、あの下では鍛えられた身体が踊っているに違いない。その全てがわたしに向かっているなんて考えたら……


ウフ、ウフフ……アハハハハハハ!



―――禁弾「スターボウブレイク」



たぁっっっのしぃーーーーーーーーーー!!



「フフ、ご機嫌ですね妹様。私も続きますわ」



―――奇術「エターナルミーク」



「い゛い゛!? 逃げ場……まさかの逃げ場なし!? 反則だッ! って聞いてないし!? 逃げ場をつ、作るしかないのッ!?」



アハッ! これは避けられないだろうねー。だってヤマトの言った通り逃げ場がないんだもん。反則? 大丈夫、遊びのルールは日々変わるんだから! でも当たったら……きっとキモチイイヨ?



―――魔砲「マスタースパーク」



突き出された両手から極太のレーザーが放射され、わたし達の弾幕と衝突して弾けた。……うーん、一点集中型とはいえ、ヤマトと同レベルと思われるのは嫌だなぁ。これでもわたし、お姉様よりも強いんだよ? たぶん。


ならば次はもっと力を込めてやろう、と決めた所で、爆煙の向こう側からヤマトの声が聞こえてきた。


え? なに? いい加減にしろ? 咲夜はともかく、フランとは闘いたくない?


なーに馬鹿なこと言ってるの。わたしは俄然ヤル気出て来たよ? きゅっとしてドカーン! あ、ヤマトの場合はきゅっとしてドッピュンだった。血が吹き出るのってキレイだと思うんだー。



「ねぇヤマト! 次はどうする!?」



爆煙に向かって問いかける。



「こ……んのぉ、舐めるなぁッ!」



煙の中から無傷のヤマトが突撃してきた。イェーイ!


やったね! ヤマトが本気になった! すっごい……なんだろう、これ。解らない力だけど、これが無想転成とかいうやつの第一段階なのかな? まるでそう、あの大戦の時みたい。すっごい気迫がオデコにビンビン来る。


でもそれは駄目だよ。本気で遊んでくれるのは嬉しいけど、本気で闘う決意をするのは駄目。なのにヤマトったら追い詰められた途端本気になっちゃうんだから。これは遊びなのに、失礼しちゃうよ!



「レーヴァテイン!」

「ぶ!?」



そんな遊ぶ心得がなってないヤマトにお仕置きをしようと、お母様謹製のレバ剣を振るってやった。二対一でも頑張ってくれるヤマトが嬉しくて、思わず本気で振りきっちゃったけど大丈夫だよね。だってヤマトだもん。腕の二本や三本、無くなったところで死にはしないってパチュリーが言ってたし。


あ、でも首が飛んだら流石に死んじゃうかも。


振ってから気が付いたけど、もう遅かった。だって首、もげたもん。でも大丈夫、モヤみたいに消えてなくなったからたぶん分身。燃え尽きたように見えたから心配だったけど、生きてるよね?



「ししししsッ、死ぬかと思ったじゃないかっ!? い、今ほっ、本気で死ぬと思ったよッ!?!?」


ほら生きてた。


「ちっ」

「オイこらそこの駄メイドッ! 何舌打ちしてる!?」

「妹様、惜しいですわ」

「アハハ! ヤマトってしぶといね!」

「…こ、殺す気だったんです……?」

「アハハ、遊びだよ。ただの遊び。ヤマトと遊ぶの、楽しいんだもん」

「……遊び?」



殺す気でやっても死なない癖に良く言うよ。普通じゃ死んじゃう怪我でも生き延びるって聞いたこともあるんだよ? もしかしたら、お腹に大穴空いても生き残るんじゃないかな。種族も魔法使いになったし、もとから身体は頑丈だし?



「よし、じゃあ次は「悪いけど」 …うん?」

「……悪いけど、子供の遊びに付き合っている暇はないんだ」



―――無想転生終了。鬼符「小さな巨人ネフィリム



それは、一瞬の出来事だった。

ヤマトがスペルカード宣言をした瞬間、わたしのすぐ隣をナニカがもの凄いスピードで通り抜けていったの。


その後にドゴォッ! なんて、何かが砕ける音が後ろからして……振りかえった時には、そこにいるはずの咲夜がいなかった。あったのは遙か遠くまで続く壁の穴。目に力を集中して見れば、咲夜は図書館まで飛ばされてた。


大和の周囲にはナニカがあった。目では見えない。でも、確かにそこにある。直感で感じた。

目で見えないのなら『目』 を見ればいい。でも弱点を手の中に集めようとすると、霞むように消えていった。ヤマトがニヤッと笑い、わたしはムッとなる。



―――遊びのつもりだったけど



でもすぐに笑顔が零れた。たぶん、吸血鬼らしい凶悪な笑みだと思う。ヤマトの笑みも深くなって、すごく楽しそう。わたしも前よりもっともっと楽しくなってきた。



「今の僕は霊夢の拳であり、盾だ。知ってる? フランドール。博麗の巫女は負けが許されないんだ。だったら、彼女を支える僕が負けるのことも許されるはずがない。僕はね、フラン。今は伊吹大和じゃなくて、博麗神社の大和なんだ」



――――わたしも本気になっちゃった



「うん……いいよ、きて。今からわたしもフランじゃなくて、紅魔館のフランドール・スカーレットだから」



そこまで言われて、屈服してやりたいと思わなかったら妖怪じゃない。わたしは自分勝手な妖怪だ。



「勝ったら、わたしのヤマトになってね?」

「それは勘弁。僕はれいむのものだから」



跪かせて、主従ごっこをやるの!






◇◆◇◆◇◆◇





―――――初めて会った時、本当に嬉しかったんだ。悪さをする妖怪と闘って、勝って。それで最後には笑って許したっていう人。妖怪や神様なんて普通にいるけど、まるでおとぎ話の中のヒーローみたいな存在だと思ってた。


そんな人と自分の家に繋がりがあるって聞いた時は、本当に嬉しかった。慧音に頼んで話もしてもらったし、勝手に資料集なんかも作ったりした。家に置いてある箒なんて毎日掃除してたくらいだ。


だからそんな人に魔法を教えて貰えるって思った時には跳びはねて喜んだ。でも実際に教えて貰い始めると詰らないことばかり。私が求めていた華やかさや派手さなんてまったくなかった。


だからやるなと言われたことをしたんだ。それは小さな反抗心だったんだと思う。私は『せんせ』 に思われているほど小さなやつじゃないって。もっともっと出来るんだって、証明したかったんだ。実際に自分でも出来るって、そう思ってた。


結局、その過程で私は死に掛けたんだけど。そんな私を救ってくれたのも『せんせ』 だった。窮地に陥った私を助けてくれた背中は、まさしくヒーローの背中だった。


でも……その後が最悪だった。何やら話していたようだけど、私は意識が朦朧としてよく聞き取れなかった。でもその気を失う最後に、必死に頭を下げる『せんせ』 が見えたんだ。



たぶん、その時から私はアイツを信じられなくなっただと思う。文句も言ったし、それ以上に罵倒された。身の丈に合わないことをしようとして殴られたこともあった。


結局その後、私達の師弟関係は終わった。そのとき私の心に残っていたのは、憧れていたヒーローじゃなくて、必死に頭を下げる惨めな男の後ろ姿だった―――――。





「目を見開いて、よく見ておきなさい。あれが、貴方が軟弱者と揶揄していた男の本来の姿。相手が誰であろうと、どれだけ自分より強かろうと、自身の全てを賭して立ち向かう。数百年、いいえ、きっと私が出会うもっと前からもそうだった」

「……」

「西欧では最強の騎士団に所属、人妖大戦を終わらせた一人でもある。幻想郷でも数々の事件を解決。…嘗ての貴方が信じていた通り、大和は強い。力だけならそれ程でもないけど、真っ直ぐな心だけは誰よりも強いと思う。貴方も、彼の下で学んでいれば変わっていたのでしょうね。……ま、普段はだらしないただのヘタレた変態だけど」

「最後の部分は私もそう思います。最近私を見て『メイド服って……やっぱアリだね』 などと戯けたことを抜かしてましたし」

「咲夜、それって本当?」

「間違いなく」

「……レミィに言ったら面白くなりそうね」





メイド服はともかく、目の前の光景がスゲェ。


魔女とメイドが何か言っているようだけど、まったく頭に入らない。ただただ目の前の光景がすごい。それ以外、私は言葉が見つからなかった。

遠くから眺めていても解る、最強種たる吸血鬼の圧倒的な強さ。私とそれほど変わらない魔力量なのに、そんなとんでもない化物とほぼ互角に渡り合っている。


吸血鬼から放たれる雨粒よりも多い弾幕の中、そんなものはまるで関係が無いかのように突き進んでいる。二人の間で弾幕が弾け、その隙間に入り込むようにアイツが前進していく。先程まで強く輝いていた光に包まれていた身体はその輝きを失っているが、前よりも早いスピードで吸血鬼に肉薄して行っている。


……いや違う、周りに何かあるんだ。それが吸血鬼の弾幕を弾いている。だからあの吸血鬼も大きく距離を取っているに違いない。でもそうだとしたら、いったいどんな魔法はなんだ……?



「……スペルカード『小さな巨人』 は有幻覚の上に幻覚を被せた二重幻術魔法。詳しいことが知りたかったら自分で聞いてみるといいわ」

「パチュリー様!?」

「いいのよ小悪魔。あの馬鹿が使った時点で秘密にしておくこともなくなった。自業自得よ」



出来れば詳しく教えてもらいたいぜ、あいつ以外に。……その、なんだ。強いのは解ったけど、今までのことを全て忘れて掌返すのも情けないと言うか、私のプライドも…な?


それに、アイツが許してくれるわけがない。箒や八卦炉まで用意してくれたのに、私がやったことと言えば裏切り・・・とも呼べることばかり。いくらお人好しって噂のアイツでも、簡単に許してくれるわけがないと思うから。



「……おい、あの二人こっちに近づいてきてないか?」

「あ、本当だ……。パチュリー様、二人がこっちに近づいて来ていますけど、どうしましょう?」



その二人が周囲を破壊しながらこっちに近づいてくる。館の壁や床を砕きながら進んでくるのは、まるで全てを薙ぎ倒す大嵐みたいだ。その大嵐の中には膨大な妖力や魔力が込められているのだから、今の私が巻き込まれたらひとたまりもないだろう。



「……不味いわね、二人とも周りが見えてないみたい。咲夜、貴方動ける?」

「今は少し……」

「そう。小悪魔、咲夜を任せるわ。……貴方は動ける?」

「あ、ああ……大丈夫だ」

「なら早く避難しなさい。巻き込まれたらタダじゃ済まないわ」



―――――間違っていたのは、私だったんだ







◇◆◇◆◇◆◇






「ッヤマト、私を殴るの!?」

「確かに悪い気はする! 僕だって自分の妹だと思っている子を殴りたくない!」

「じゃあ焼かれてよ! 避けてばっかり、ズルイ!」



……既に髪の毛は焼け焦げてますけど何か? ホントに紙一重です、勘弁してください。だからせめて、伊吹・チリチリ・大和の拳を受けて下さい。丸坊主は嫌だ!



「それはもっと困る! でも悪い気がするからこそ……後悔しないように思いっきりぶん殴るんだ!! 」

「もう……この脳筋!」



あと一つ、決定打と呼べるものが足りない。


いま発動しているスペルカード『小さな巨人』 は、有幻覚で作られた、巨大な鬼の形をした魔力の塊。鬼の形をしているだけあって、力強い腕や、二本の角が生えた頭、胴体もある。脚はないけど。

僕自身の動きをトレースして動くので、僕自身が大きくなったようなものだ。もちろん僕の拳の代わりに、この魔力の塊で出来た拳で殴ることが出来る。と言うか、殴る。だからこその小さな巨人だ。魔力の塊なだけに、サイズも自由自在。少しくらい距離が離れていてもこれなら届く。


まぁ簡潔に説明すると、動きをトレースする魔力の塊。その上に幻術を被せて見えないようにしてあるけど。フランに『目』 を集められそうになった時は、その部分を消して難を逃れたってわけだ。



けどそれだけでフランに勝てるわけもない。展開している間は他の魔法が使えないし、壊れた部分を直すのにも魔力が掛る。本音を言うとデメリットの方が多いくらいだ。でもゼロ距離まで近づかないと格闘戦が仕掛けられなかった今までと比べると、ちょっと離れていても格闘戦が出来る方が楽なんだけどね。


なんせ通常の魔力弾は全てフランの弾幕にかき消され、届いた所で雨水が当たった程度のダメージしか与えられない。虎の子のマスタースパークも当たらなければ意味が無い。だったら殴るしかないからね。ボッコボコになるまで殴り続ける。……罪悪感? 当然ないよ。闘いなんだから、そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。



「やっぱりあと一手、決め手が足りない!」

「むぅ、ヤマトの癖に調子にのってぇ……もう怒ったんだからッ! 今からが正真正銘のぉ……全ッ開ッだー!!」



―――禁忌「フォーオブアカインド」



「え、四人? 幻術?」

「「「「似たようなものだよ。厳密には違うけど」」」」



……なんだろう、すごい嫌な予感がする。



「……あの~。出来ればお兄さん、一人一人と闘いたいなぁ、なんて…」



―――禁忌「レーヴァテイン」×4



「「「「だ~め!」」」」

「ですよねー!?」



途轍もない魔力量に顔が引き攣ってしまう。正直逃げ出したいくらいだ。情けないことながら、フランドール相手に足まで震えて来た。でも逃がしてくれないだろうなぁ……。


震える足は武者震いだと信じて、小さな巨人に魔力を送る。あの暴力の塊と立ち向かう決意は出来た。まったく……僕に水とか光属性の適正があれば、流水や光で追い払えるんだけどなぁ。


…はぁ、こんな状況で無い物ねだりって、僕も本当はまだ余裕残ってるのかな? ……そんなわけないか。追い詰められて頭がどうにかなりそうになるのも初めてじゃないし、放っておこう。大事なのは、僕が四人のフラン相手にどこまでやれるかだ。



「「「「逝くよ?」」」」

「逝かないよ!」



振り下ろされた四つの剣と、魔力で出来た拳がぶつかり合った。しかし無情にも、ここでも地力の差がモノを言った。僕の拳は刹那の時間も持たずに砕かれ、その余波で大きく吹き飛ばされる。



「クソッタレ! 今ばかりはこの身体を怨みますよ師匠!!」



―――スペルブレイク。

たった一合いで僕の魔力の拳は砕け散った。対するフランドールはおそらく無傷なんだろう、元気そうな魔力の波動が届いてくる。


ああもう、本当に不公平だ! そう毒づきながら、空中でバランスを取り直す。もう一度突っ込むぞ! 増えたって言うのなら、その四人という人数を逆手に取ってやる! お互いが剣を振れない距離を保ってやればいい!


靴裏に小さな魔法陣を描いて足場にする。そこを思いっきり蹴り飛ばして超加速、爆発で生じた煙の中を突き進む。惜しげなく放たれている魔力から正確な位置は判っている。とりあえずまず一人、確実に潰させて貰う!



そう意気込んで煙を抜けた先には、にこやかにほほ笑むフランが待ち構えていた。まるでバットを構えるようにレーヴァティンを構えている。と言うことは……僕がボールなのか!?


気付いた時にはもう止まれない、そのままの勢いでフランドールに突っ込んで行く。待ってましたと言わんばかりに振われた剣に対して斜めになるように防御用の魔法陣を敷いた。少しでも衝撃を逃がそうと画策したことだけど、そんなことは何の恩恵も齎さなかった。



「ホ~ム、ランッ!!」

「ッ゛!?」



魔法陣が破られることは無かったけれど、その代わりに地面へと思い切り叩きつけられた。ピンボールのように跳ねながら紅魔館を壁を突き破っていく。叩きつけられた勢いで肺の中の空気が全部外に出た感触がした。


無様に地面に横たわって久しぶりに感じる、生き物としての力の差。信じたくないけど、もう伸びしろが少なくなってきた僕だからこそ思う。どんなに努力しても、埋められないものがあるんだって。



死ぬかも。いや、間違いなく死ぬ。これ以上立ち向かったらフランはもっと面白がる。そうなったら本当に死ぬだろう。不殺を課された弾幕ごっことはいえ、死ぬことはある。フランドールにそのつもりがなくても、死ぬ時は死ぬのだ。実際、もう何度も死ぬ思いをした。


でも引けない。霊夢のために引くことは許されない。泣き言なんて今までにもう何度も言った。次々に出てくる才能豊富な子に負けたく無くて、大人ぶったりお兄さんぶったりもしたんだ。そんな子たちに笑われないようにするためにも、負けてなんていられない!



それにまだ身体は動く。魔力も……心許ないけどまだ使える! 魔力を増大させる魔動機関イクシードもまだ三発残っている。まだまだ負けたわけじゃない!


自分に喝を入れて再び立ち上がる。もう一度、何度でも。諦めてなるものか。


でも顔を上げた時に見えたものは、絶望だけだった。



「「「「お休み。起きた時は、私がご主人さまだから」」」」



あ、もう駄目だ。


四人のフランが目の前で剣を構えていた。でも走馬灯は見えない。だからたぶん死なないんだろう。でも霊夢の笑顔が見えた。レミリアには勝てたかな? 勝ったなら赤飯炊いて、いっぱい褒めてやろう。頭もいっぱい撫でてあげよう。きっと喜んでくれるはずだ。


だからとりあえず、身体に全力で力を入れて耐えよう。死ねるか! と言うか、フランに殺されてたまるか! でも死ぬほど痛いのは勘弁してー!


頭の上に両手を載せて、まるで親に怒られる子供のような格好をして衝撃を待っていた。……しゃがんでないよ? 少し……いやけっこう膝は曲がってたけど、完全にしゃがんでないからそれ程みっともなくは無い……はず。



「死ぬのなら俺が殺す。だから少し退け、後で直々に殺してやるからな。……それよりも小僧……クッ、無様だなぁ? もはや可愛げすら感じるぞ?」



しかし何時まで経っても来るはずの衝撃はなかった。おそるおそる目を開けてみると、そこにはクソッタレの馬鹿親父がフランドールの剣を止めていた。……壁になってくれたのだろうか。


でもなアルフォード。お前に庇われた挙句にこんな醜態見られるなんて屈辱の極みだ。その脳味噌いじくり廻して、記憶を消去してやる!






実は前話で150話だったんですよ、じらいです。でも驚いたことに今日で伊吹伝が一周年なんですよ、じらいです。つまり…にじファン様に場所を借りてから一周年なんですよ! …あ、誰でも一周年は迎えますか。そうですか。


と言うわけで、今回は『大和、フランにボコられる』でした。で、馬鹿親に助けられると。何故!?


霊夢はもうちょっと待ってて下さい。おそらく次は最初から霊夢のはず。霊夢、覚醒する! とかそんなふざけたタイトルになるかもしれません(笑)



さて、ここからは大和の魔法を解き明かして? みたいと思います。今回使ったのは、小さな巨人。本編の中で説明するのって本当に難しいです。でもここなら何語を使っても大丈夫なので、ぶっちゃけさせてもらいます。

イメージ的には、スタンド? とか、DMC4ネロの覚醒右腕。アレの背後にも後半は鬼みたいなスタンドもどきがいたはず。これが一番近い、というか元ネタ。根っ子のネタは萃香の巨大化なんですけどね。まぁ腕で殴るところとかはそっくりです。後はスピリット・オブ・ソード? のような感じです。解る人…いますよね? お願いですからいて下さいorz


紅魔郷の最終局面に突入です。一周年も迎えましたし、そろそろ伊吹伝も区切りが来ます。飽きられないように頑張って151話。これからも頑張ってやらせて頂きます。それではまた次回。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ