何時も通りの予告編
何時も通りの予告編です。だいたいこんな感じになるだろう、な意味の予告編です。ネタばれあり! もう一度言いますよ? ネタばれあり!! そしてこの通りに進むことも『ほぼ』 ないです。もう解っていらっしゃるとは思いますがw
読むのは貴方様の判断に任せます!
……いや、その、なんだ。霊夢のやつが産まれた時から馬鹿師匠に育てられたってのは噂程度だと思っていたんだがな。まさか本当だったなんて……
私もあいつが赤子を抱いているのを見た時は何事かと思ったな。何せいろいろと迷惑な噂や伝説やらが里では語り継がれていた『あの』 大和だ。慧音が思わず頭突きをしてしまったのも仕方がないと思うぞ。
何言ってるんですか焼き鳥さん。貴方だってそいつは輝夜との子供かー!? なんて言って燃やそうとしてたらしいじゃないですか。
し、仕方ないだろ。黒髪だし、当時の私の中じゃ自然とそう完結したんだよ!
妹紅は知らないだろうけど、あの頃の永遠亭は酷かったのよ。てゐが噂を持って帰って姫様に伝えた時なんて……うぅ……。
「そんな一大事だったんですか? 私もまだまだ彼について知らないことが多いですね……」
いや、そこまでたいした師匠じゃないから放っておいていいと思うぜ。
むしろ関わりを持たないほうが身のためだと思うぞ。
楽しいことは間違いなしなんですけどねぇ……。
あの人と知り合ってからは心が休まる時がないわ。
「あはは、でも皆さんが大和さんのことを話す時はすごく楽しそうでしたよ?」
そうですねぇ……まあ良かったと思いますよ。彼みたいな人がいて。
知り合いにそっくりで怖いけど、でも良い人よ。
とんでもない馬鹿だけど、弟分だしな。
……こう言ったらあれだけど、感謝はしてるぜ。それ以上に思うこともあるけどさ。
「そうですか……。さて、では続きを聞かせてくれませんか? 彼がどうなったのかを―――」
▽▲▽▲▽▲▽
「慧音さーん! いきなりで悪いんですけど、僕と一緒に子供育てません?」
「……は? その子は?」
「あ、霊夢っていいます。僕が育てることになったんですよー」
「伊吹君、誘拐はいけないな。それにいくら悲しいとはいえ、何も知らない子供に彼女の姿を重ねるとは……見損なったぞ!!」
「うえぇ!? ご、誤解ですよ!!」
藍から渡された次代の博麗の巫女。好きな時に好きなように泣き始める霊夢に頭を抱える大和。初めての試みに四苦八苦する彼だが、嘗て母が自分にどのように接してくれていたのかを思い出し、それを実践していく。
「やあと」
「kっききk聞いた妹紅っ!? 僕の名前を呼んだよね!? 今、呼んだよね!?」
「あ゛ー! もう煩いな! ……ほら、妹紅って言ってみ? も・こ・う。ほらほら」
「…………」
「何で言ってくれないんだー!?」
「フッ……。妹紅は子供の扱いがなってないなぁ。まぁ私に任せてみろ。霊夢、慧音だ。け・い・ね。解るよな~」
「…………」
「「大和、しっかりとしつけろ(なさい)」」
「この子は渡しませんよ!?」
日々成長していく霊夢を見て、大和は時代が動いていることを確信する。もう、自分の時代ではないのかもしれないと。
霊夢は成長していくにつれ、彼女の生き映しのような容貌に、彼女を彷彿とさせる霊力、その全てに面影が見られるようになっていく。ならば彼が考えることはただ一つ。どのような形であれ、あと僅かで全てが変わる。その時この子に何をしてやれるか、何をして貰いたいか。自分の全てを託すべく、彼は動き出す。
霊夢が成長していく傍らでは、ある一人の女の子が大和にしつこく付き纏っていた。名前は霧雨魔理沙。古くから交流のある霧雨魔法店の一人娘が、魔法使い志望として大和に弟子入りを迫っていた。
「先生! 正式に先生の弟子にしてください!」
「だからね魔理沙ちゃん、僕は弟子を取らない主義なんだって」
「じゃあどうすれば弟子にしてくれますか?」
「……ある程度強くないと無理かな」
苦し紛れに言った一言が大変な出来事を引き起こす。魔理沙がどれほど本気だったのか、それを理解しきれてなかった故にそれは起こってしまった。
「アタイったらサイキョーね!」
「妖精くらい、私にだって倒せるんだから!!」
その頃、紅魔館では一人の少女が現れていた。
「大和、久しぶりに紅魔館に来なさい。頼みたいことがあるの。―――あ、それと能力は常に全開でいなさい」
レミリアからの誘いを受け、何の疑いもなく紅魔館を訪れる大和。出迎えたのは視線を覆い尽くすほどのナイフだった。
「何事!?」
「時の止まった世界で動ける……? 何者?」
時とナイフを操るまだまだ幼い少女。いきなり襲いかかってきた彼女の目的とはいったい……?
そして時は流れ、幻想郷を紅い霧が包み込む。
「貴方が大和の弟子とか言う子?」
「はん! あんな弱っちい奴、師匠でも何でもないぜ!」
「でしょうね。……貴方程度の力しかない者が大和の弟子を名乗るなんて、身の程知らず以外の何者でもないわ」
ぶつかり合う魔法使いたち―――
「さて、どれだけ成長したか見せて貰おうかな? 咲夜ちゃん」
「今の気持ちを一言で表すとすれば……うぜぇ、ですわ。とりあえず死ね」
出会った当初からソリの合わなかった二人による、ルール無用のガチンコバトル―――
「クックククククク……まさかまた会えるとはな、博麗の巫女!!」
「なにあんた、頭狂ってるの?」
「別にお姉様は狂ってないよ? ただ霊夢が零夢そっくりで、借りを返せると思ってるんじゃない?」
「はあ?」
二人の吸血鬼と博麗の巫女。
「受け入れろ、博麗の巫女。これが吸血鬼の力だ」
「当然の結果だよね」
「…………」
霊夢が危機的な状況に陥っているなか、大和もまた生涯の天敵との決着をつけようとしていた。
「決着をつけてやるぞ、小僧」
「アルフォード、悪いけどお前なんかに構ってられないんだ。僕はもっと上に行く。―――特殊術式Remnant起動。再構築……開始!」
それは、若者たちの始まりの物語
インターミッション2とか言いながらすいませんorz 何時も通りの予告編を挟ませて貰いましたじらいです。次章は名付けるとしたら『断章』 と言ったところでしょうか。原作主人公たちの成長と紅魔郷を送りたいのですが、長くなれば紅魔郷と分けるかもしれません。予定は未定、何時もの事です。