怪盗団~あの怪盗たちと探偵たちの名を継ぐ者たち~
この作品は、自分が小学四年生のころに国語の授業で書いた作品を、そのまま公開したものです。江戸川乱歩先生の少年探偵団をむさぼるように読んでいた。時代を、この作品を文字起こししながら懐かしく思い出しました。文章の表現や情報に多々誤りもありますが、あえてそのまま公開しました。暖かい目で読んでいただけると幸いです。
なお、この作品に登場する個人・団体・施設・地名はすべて架空の物であり、現実とは一切かかわりないことをここに明記します。
第一部 怪盗団結成
第一章 超怪盗団
西れき二〇一八年一二月一三日午前一〇時五三分……山奥で、ISが訓練をしていた。そこへ、「きっと見つかる謎の怪盗」と名乗る男が表れた。(本名はわからない。)かれは、あっけにとられる兵士達の間を歩いて、首領のところにきた。かれは、シルクハットにスーツ、ふく面をしていた。体の動きから見て三〇才ごろだろう。かれは、首領のテントに入ってきて、こう言った。
「首領どの、近ごろ、日本とフランスの怪盗……いや、こそどろどもが、『怪盗団』というものを結成したらしい。しかも、そいつらはもう一仕事終えて、山ほど宝を盗んだらしい。我らのような高貴な怪盗がこそどろどもに負けるとは悲しい。そこで、我らが、『超怪盗団』を結成して、そいつらに対こうしようじゃないか。」
「い、いやだ。私はテロリストだ。物をこわすのが仕事だ。物を盗むなんてとんでもない。」
「それでいいのですか。ハマ・ムンドどの。」
「グッ。わかった。では、『超怪盗団』に入ろう。して、メンバーは?」
「私と、あなただけだ。」
こう言って、「きっと見つかる謎の怪盗」は、去って行った……
第二章 怪盗団
時は逆のぼり、二〇一四年八月一四日……怪盗達は、東京のどこかと、パリのどこかに集まった。(間に、テレビ電話がある。)かれらは、それまでライバルだった間だ。集まった者達は、怪盗七十七面相と、ねずみ子ぞう十郎吉と、石川二十衛右門と、ルパンの一の弟子と、怪盗マルセーロ・デュパンだ。かれらは、みな有名な怪盗とつながりがある。今回集まった理由は、最近けい察の取りしまりがきびしくなり、物を盗むのがむずかしくなったからだ。そこで、怪盗達で団体を結成し、アリバイを証明しあおうということになった。それを提案したのは怪盗七十七面相なので、かれが頭ということになった。だが、団体名が、なかなか決まらず、ぎろんとなった。
「バレないように、『階登団』はどうだ。」
とねずみ子ぞう十郎吉。
「いやいや。新入団の者がわかんねえで。『ドロボー団』と書いて、ドを消せばいい。」
と石川二十衛右門。
「そんな下品な名はいかん。高貴な『怪盗団』だ。」
とデュパン。それに一同大さん成し、名は『怪盗団』に決まった。そして皆はかいさんし、その後しばらくはアリバイの証明し合いだけだったが、二〇一七年になると共同で盗みを行った。
第三章 探偵達
こちらも東京。怪盗団が出来るころ、江戸川区に、社六保六十探偵が、助手の和十孫氏とともに、ホームズたん偵事務所を開く。だが、同じ部屋を予約して、買おうとしていた、織田小六郎探偵も、織田探偵事務所を開こうとして、けんかになった。
「私が先に予約したのだ。な、和十孫。」
「あ、ああ」
「何をいう。イギリスかぶれのダメ探偵め。なら聞くが、お前はぜっ対変そうを見やぶれないだろう」
そのうち、大家があきれて一部屋の中にしきりを作ったので、二人とも事む所を持てたが、その後二人はささいなことでけんかをよくし、仲が悪くなった。
そのころ中央区……銀畑二二少年は、家に帰るとこう言った。
「まったく、怪盗団のアジトはどこにあるかなんてわかりきったことなのに、けいし庁のかたい頭の外町刑事は、ぼくが子どもだからってバカにして、耳もかしてくれない。そうだ。探偵事む所を作って、怪盗団のやつらを追いつめればいい。だけど、お金がない……そうだ‼こないだ江戸川区に来た社六探偵と織田探偵に、『怪盗団のアジトを二〇万円で教えるぞ』と言えばいい。あの二人は子どもに重要なことをまかせる探偵だから、きっと協力してくれるぞ。」
そういうと彼は、いそいで二人の家へ行って、二十万円をもらい、自分の探偵事む所を作った。かれが気付いた怪盗団の場所とは……エッフェル塔の地下二五〇メートルだ。
第二部 血まみれのモナリザ
第四章 予告
二〇一九年四月三〇日……大英博物館に、怪盗団の手紙が届いた。
『大英博物館殿へ
本年六月十五日午前〇時きっかりに、モナリザをいただく。そのあかつきには、けいび員四千人、けい察七千人、軍隊一万人、八重のかぎを要求する。我らが盗めなかったら、ちょうえき六〇年の覚悟がある。
怪盗団 N&N&I&L&D より
同年五月四日……今度は超怪盗団からだ。
『大英博物館様へ。
本年六月十五日午前〇時きっかりに、モナリザをいただく。怪盗団は弱いから、我らが殺してやる。そのあかつきには、けいび員八千人、けい察一万四千人、軍隊二万人、十六重のかぎをしてもいらいたい。もし失敗したら、ちょうえき八〇年でよい。
超怪盗団 K&H より
さあ、大英博物館は大さわぎだ。まず、けいび員一万人、けい察二万人、軍隊五万人が守り、三〇重のかぎをよういした。その上に、モナリザをそっくりなにせ物とすりかえ、本物は奥深くにニセモノとラベルをはってかくした。また、世界一とうわさの社六探偵、織田探偵、銀畑二探偵もやとわれた。そなえは万全だった。さあ、怪盗団と超怪盗団は、どうやってモナリザを盗むのだろう……
第五章 さらば……
二〇一九年五月二〇日午後一〇時五四分……イラン・マシャドから五〇キロメートル……そこのキャラバンは、じつは超怪盗団のアジトで、中には最新ぎじゅつの武器や、バイオテクノロジーの作った怪獣のDNAがあった。その近くに、車がとまっていた。その車は、超怪盗団の車ではない。銀畑二探偵事む所のステッカーがはっている。どうやら、中には銀畑二少年がいるようだ。かれは、手紙の、筆せき・紙種・DNA・指紋・砂などで場所を特定し、ここに来た。そして、怪しいキャラバンを発見したのだ。かれは、忍びこもうとして、テントに近づく。中から、話し声が聞こえる。
「モナリザ、どうやって盗むか?」
「すでに三〇人兵士が向かっている。怪盗団のやつらは、弱いからな。」
「さて、次は探偵を暗殺するか。社六と織田と銀畑二だ。まずは銀畑二だな。」
「なんだって‼殺されてたまるか‼」
「む、その声は銀畑二か‼」
「し、しまった。今銃を持っていないな……」
「よし。殺しちまえ。」
ライフルが火を吹き、銀畑二がたおれた。ハマ・ムンドが近づく。だが、彼は血がはみ出ているのではなく、機械がはみ出ていた。
「な、なんてことだ。やつはロボットだったのか。」
「いや、ちがいそうだぞ。記おくそう置のところだけ、穴が開いている。きっと、記おくそう置だけがぬけるようになっていて、どこかへ飛んでいったのだろう。」
「じゃ、じゃあ……」
「そうだ。きっとおれたちの計画はバレただろう。新しく計画を考えなければいけない。」
第三部 本番
第六章 怪盗VS超怪盗
二〇一九年六月一四日午後八時。特別休館した大英博物館。その前で、男たちが争っていた。
「例の絵はおれたち怪盗団の物だ。」
「お前らが我ら高貴な超怪盗団に勝つなんて一兆年早いぞ」
こんなかんじでけんかを続けていると、必ずぼう力が出る。これも例外ではなく、ピストルでうち合いをはじめた。すると、いきなり何の前ぶれもなく男が表れた。
「けい視庁そうさ科刑事外町走です。殺人みすい罪でたいほします。」
「何を言う‼お前なんか、20000分の1に切って、おれの先祖の五衛右門みてえににてやる‼」
「そうだそうだ‼」
とねずみ子ぞうと二十衛門とハマが言う。
だが他の人が、
「こいつを人質にしたらいい」
と言った。そこでかれらは一せいに外町刑事にとびかかる。外町刑事はというと、
「こら、公むしっこうぼう害でたいほする‼」
と言ったが、全員無視して、かれが持っていた7本の手錠をかれに重ねてかけ、さるぐつわをつけて、デュパンと七十七面相がかついだ。
「よーし。大英博物館にのりこむぞ。」
第七章 せん入
午後一一時五八分。きっと見つかる謎の怪盗が言った。
「てんじ室のはニセ物だ。本物は奥の財庫一八四三五号室に入っている。上から三番目、右から一四番目のひき出しに、アルミホイルと発泡スチロールと段ボールにげん重に包まれている。また、各部屋にけいび員が二人ずついる。」
「なら下から行けばいい。」
「いや、だめだ。時間がない。」
「よし。じゃあガラス切りで窓を切って入るぞ」
一一時五九分三〇秒……窓にとうちゃくした。ガラス切りで窓を切ろうとすると、後ろの木陰から、声がかかった。
「御前達。やはりモナリザを盗みにきたか。」
「だ、だれだ?」
「君は、大英博物館総むアシリノ、又の名は超怪盗団首領ノリアーシだな。すでにしょうこはそろっている。」
「そ、それがどうした。こっちには人質が……」
「ふっ気付いたかな。外町刑事はすでに救出された。では、お前達をたいほする。」
「ふっ。それはどうかな。あと五秒ある。盗んでやるぜ。」
「で、できるわけない」
だが次のしゅん間怪盗達は部屋の中に入り、目の前の引き出しから全部つかみ出すと、にげ出した。だが、うしろから姿を現した探偵が追ってくる。社六、織田、銀畑二の三人だ。かれらはますい銃を取り出すと、怪盗達に発砲した。怪盗達はたおれ、かけつけたけい察に手錠をつけられた。また、モナリザも取りかえされた。
第四部 新たなる冒険へ
第八章 消えた怪盗
六月一六日午前四時三二分……ベーカー街留置場三号室……怪盗七七面相が、目をさました。そして、同室だったねずみ子ぞう十郎吉と石川二十衛右門をゆすり起こすと、大声を出して向かいの部屋に見えたルパンの一の弟子とデュパンを起こした。かれらは逃げ方を考えた。デュパンが、さいばん所に行く途中でにげればいいと言ったが、七七面相が今どきのご送車はにげれないと言った。どうすれば……とその時、ねずみ子ぞうが名案を思いついた。
「子窓から逃げればいい。」
たしかに全員子がらだし、子窓にはこう子がはまっていない。だが、その子窓は人が通れるサイズではないし、3mほどの高さにある。だが、ねずみ子僧によれば、3mぐらい服をつないでロープにすればいいし、かべは上のほうに行けばもろくなっているという。そこでさっそく実行して、外に出た。だが、外ではけい察にかこまれてしまった。だがそれは三人だけ。残りの二人がけい察に変そうしてやってきた。(服は近くのけい察をなぐって手に入れたそして、
「そいつはわしのたん当だ。殺されたくなかったらついてこい。」と言って連れていき、そのままにげた。外に出ればもうこっちの物。かれらは逃げていった……
第九章 二回目
八月三〇日……薬師寺に予告状が届いた。
「薬師寺殿へ。 九月二〇日に、そちらの仏像を全ていただく。(本物だけ)そのさい、空から盗みに行くことを約束する。
怪盗団 N&N&I&L&D より
また、全く同じ文書が超怪盗団からも届いた。かれらはどうやって盗むのだろうか。約束をやぶった60年と80年はどうなるのだとうか。第二巻で、登場人物達の謎はわかるだろうか。
続く
本書を、怪人二十面相・ルパン・明智小五郎・シャーロック・ホームズ・金田一一・中村けい部・怪盗キッド・モリアーティ教授にささげる。 二〇一八年三月一八日