ノートパソコン
私達は玄関入り正面にあった大きな階段を登り、二階のフロアへ上がりました。廊下も階段も塵一つなく、とても綺麗な状態でした。
柴田「修治ってさ、案外綺麗好きだな」
修治「案外ってなんなんだよ(笑)俺はちゃんと掃除、洗濯、家事はしっかりするタイプだぜ。一体俺が何年一人暮らしをしてると思ってるんだ。普通の高校生よりは家事、炊事は圧倒的に出来る筈だ。」
早川「どーせ、だれか他の女の人が来てるんでしょ。貴方はモテるからね」
私と早川は怪しんだ視線を修治に送りました。
修治「勝手に言ってろ(笑)ほら、あれが弟の部屋だ」
修治が指さす廊下の突き当りに部屋がありました。
その部屋に修治が先頭で入り、電灯をつけました。
部屋はしっかり片付いており、壁にはロックミュージシャンのポスターが貼ってあるくらいで、他には勉強机と座椅子、小さな本棚、シングルベッドだけという非常に殺風景な部屋でした。亡くなった後に片づけが行われたものと思われます。
机の上にはノートパソコンがありました。机上にはその他のものは何もありませんでした。
柴田「このパソコンは警察にて調査済みなんだよね?」
修治「そうだな、警察が入念に調べてた。俺は弟が亡くなってから掃除以外家具の配置も何も構ってない。敢えてそのままにしてるんだ」
早川「確か・・・刑事の末広さん言ってたよね?警察じゃメール発信先の特定が出来なかったって。」
修治「警察のレベルが低いのかなんなのか本当によく分からないが、それが嘘ではない事は確かだ」
先程の修治の話の通りで、様々なルーターを経由しているようで相手の特定はここからだと難しいそうでした。
弟のノートパソコンの電源が入りましたが、故障しているのか何なのかよくわかりませんが動きが悪く、何度やってもメールの受信ボックスに入る事が出来ません。
柴田「おかしいな・・・・・。何回もクリックしてるのに・・・・・。」
修治「ちょっと俺にやらせてみろ」
私達はパソコンには詳しくありませんが、メール位は通常通りに出来ると勝手に思っていました。しかし一切のソフトが開かないのです。コンピューターウイルスにでも侵されているのでしょうか。
ピコン!!
操作していたノートパソコンから急に大きな音が鳴り響きました。
柴田「ビックリした!!・・なんだよ・・・・」
修治「なんの音だ?俺は何も構ってないぞ!!」
早川「あ!・・・・二人とも画面の右下見て!!なんか表示されてる!!」
「おい、お前ら。俺を探そうとしているだろ?無駄な事だ。諦めろ。俺は絶対にお前らを逃がさない。これまでも逃がした事なんか一度だって無いからよ」
早川が言った画面右下を見ると勝手にチャットのアプリが開き、急に蛇島が打ち込んだものと思われる文章が浮上してきました。
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