感覚のズレ
私は今回、一つ一つ気になる点を聞いて、自分が感じた感覚が本当に正しいのかどうかを二人と擦り合わせていこうと思いました。
私が感じた不自然な点、これを修治と早川に聞いてみようと思いました。
柴田「先ずは、修治に聞きたい。あの頂上に行く昇り階段の位置・・・・元々知ってた?」
修治「あれは・・・あの階段は偶然見つけたような感じだったな。・・・いやもし知っていたら俺から言う、こっちから登ろうって言うと思うぜ。本当に初めて行ったんだよ蛇頭ヶ丘までは」
柴田「だよな、たまたまだったよな。転がっていた空缶を蹴り飛ばした先にたまたま階段が見えたんだたよな」
早川「階段を見つけて、万が一怖がって登らずにもし私達がフェンス側に戻っていたら、全員あいつらに殺されていたかもしれないね。・・・・今思えばゾッとする・・・」
修治「あの自殺幇助のホームページの会社を作った人間達だ。もう向こうは殺す準備万端だっただろうからな」
恐ろしい業者なのです。人を殺す為の道具なんて車にたくさん積んでいたに違いありません。
柴田「六人居て・・・・やっと気づくか気付かない位のレベルの階段・・・・。俺達が凡人レベルだとして・・・ようやく気付くような階段・・・・」
修治「要は・・・・何が言いたい?」
言いにくい事をここで言わないといけません。言わないと話が進まない。俺が言うんだ・・・・俺が・・・・。
柴田「しゅ・・・修治の弟があの頂上に登った時・・・・あの階段に気付いたかな?・・・階段に気付いたんじゃない。きっと蛇頭ヶ丘のガイドが居たんだよ」
修治「な・・・・・まさか・・・・・」
早川「あいつらが手招きしてたってこと?」
柴田「普通に考えてみて欲しい・・・・気付くか?あの小さい草木に覆われているような昇り階段・・・・しかも一人で来ていて・・・・こっちは六人居て、ようやく見つけたんだぞ。・・・・あの暗闇の中で見つけること自体無茶があると思わないか??」
二人は・・・・・少し何かを考えながら・・・・・頷きました。
柴田「相当、周りを見えていないと階段なんて見つからない筈。今回の俺達みたいに相当な偶然が無いと・・・・・見つかるわけがない。いくら目が良かったとしても、無理なはずだ。」
ペットボトルのコーヒーを一口飲みました。二人とも私が言っている事に納得してくれたようです。
早川「確かに・・・・・・冷静に考えたら・・・普通になんの情報も持っていない状況で向かって、あそこ(頂上)まで辿り着く方がおかしいわ。あんな場所、気付くはずがない」
柴田「でしょ?俺もそう思ってるんだ。」
保守用の昇り階段は、旧蛇頭ヶ丘トンネルからを正面に見て左手の森の中に在りました。トンネル前には広場があり、フェンスから入って来ると一目見ただけではここが行き止まりではないかと思ってしまうような場所でした。行き止まりなら帰ろう、そのように思ってしまうような場所です。
仮に昼間ならまだしも、周りを詮索しないと階段を見つける事が出来ないのです。私には修治の弟に、そんな余裕があったとは到底思えないのです。
私は間違いなく、修治の弟にあの崖の位置を教えた人間が居ると思っています。
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