疑い
乃蒼「はぁ?!ちょっと・・・・そうだったの?!・・じゃああれは・・・たまたま?!・・・・・」
修治「そう・・・・・・・たまたまだ。あのカラオケボックスで会ったから殴り合いになった」
柴田「え?・・・・同じ場所に居たって事はもしかして、修治と乃蒼って付き合ってたの?」
私の質問で急激に修治と乃蒼の目が合いました。
乃蒼「それは・・・・」
修治「いや、それはない。他にも数名居た。その時に一緒につるんでいた連中は俺と乃蒼以外全員学校辞めたんだ。というか辞めさせられた、停学が4回目だったからな」
乃蒼「警察が来た時に逃げたのが修治。捕まったのが私と他四人、内訳は私が停学、他四人は退学!!私はまだ反省文書けば学校に残る事が出来たのよ」
柴田「あー・・・あの時数名が一斉に退学した事件ってそうだったんだ・・・・」
和歌「あったよね、サッカー部の山倉君が・・・・・」
パンパンパン!!!
佐田は大きく手を叩きました。
佐田「脱線も甚だしいぞ!!・・・・昔話も良いけど、話を戻すぞ!!真剣にやってくれ!!真剣にやってくれないと何回でも呼び出すぞ!明日も明後日も!・・・・今日はこの蛇頭ヶ丘事件についての話にきている。他の話は別の日に家でやって、そちらで解決してくれ」
私達にとっては大事な話のような気がしましたが、むしかえす内容のようでまた私達のグループの中で波紋を呼びそうです。しかし、刑事の佐田からしたら今回の事件に関係のない身の上話はどうでも良い話なのです。
無言で三枚目の写真がスクリーンに映し出されました。
またこれも青年の写真です。
早川「こ・・・この人・・・私の髪を引っ張り上げた人!!なんかフラフラしてたけど・・・・」
柴田「俺をナタで刺した奴だ・・・・」
和歌「うん・・・確かこの人だったね・・・・」
修治「俺が飛び蹴りを食らわした奴で間違いないな・・・・・」
柴田「えっちょっと待って、早川も当日襲われたの?修治が居たから大丈夫かと思ってたけど」
早川「うん。私だけ何も被害が無いように見えるでしょ?・・・草むらに隠れてて、連中に見つかったのよ。その時に修治が助けに来てくれた」
乃蒼「私は・・・・この人見てない」
リュウ「俺もだな」
先程からこれまで写真を三枚見ましたが、私は全て見た事のある人物でした。一番広範囲で動いている自分がやはり全員を見ていると言っても問題は無さそうです。
佐田「柴田君と和歌さんが助けを呼びに行っている間、修治君と早川さんは何をしてた?」
修治「こいつを木でぶん殴った。死んだかも」
早川「私を助けるためにしてくれたことです」
佐田「この青年は死んだ。今の所、自殺と言われている。森で首を吊っていた」
おかしいな・・・・失神してたんだよな・・・・。
柴田「森?・・・・・・あの佐田さん・・・・俺と一緒に書いた地図を映す事は出来ますか?」
佐田は、先日病室で書いたフリーハンドの絵をスクリーンに出しました。
佐田「早川さんが居た場所がここ・・・・・草むらのエリアだね。森のエリアは逆の反対側にある。結構距離がある」
リュウ「と言うことは、俺と乃蒼が居た場所が森側のエリアだな」
乃蒼「ん?私達が居たエリアで首を吊ったってこと?」
修治「いやその前に待て、まずもって自殺に使ったロープはどこから出て来た??」
佐田「そうだよ修治君、ロープの出所が分からない。現地に新品のロープがあるわけがないんだよ。・・・・そこで修治君と早川さん、リュウ君と乃蒼さんのアリバイが知りたい。何をしていた?具体的にその・・・柴田君と和歌さんがフェンスを登っている時に何をしていたか。それを私は聞きたい」
佐田は真剣な表情で私達の方を見ました。これまでにない佐田の顔・・・表情・・・・・。
修治「おいおい・・・ちょっと待ってくれよ・・・・疑ってんのか?・・・・・俺達の事・・・・・。この狂った奴を俺達が殺したって?・・・あんたそう言いたいのかい・・・・」
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