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人の闇


 刑事の佐田さんの話は更に続きました。

佐田「最初に肝試しに行くと言い始めたのは誰?」

柴田「しゅ・・・修治です。せっかく学校が休み、部活動も禁止。そうであれば少しくらい学生らしい事をしようということで、気の合う仲間を呼んだんです」

佐田「確か・・・・男性三人、女性三人の男女六人で蛇頭ヶ丘に向かったんだよね?・・・付き合っていた?」

柴田「・・・・いえ、私と和歌は一年生の頃に付き合ってましたが、他の四人にはそういう関係ではありません」


佐田「あとあのね・・・休みというか・・・・学校側から自宅待機だったと聞いているんだけど、その辺りはどうなの?君たちは夏休みかなんかと勘違いしてないかい??」

柴田「そうなんです・・・・私はその学校との約束を破ったんです。・・・私は昼間にこっそり服まで買いに行ってしまいました。普段は勉強ばかりでこんな事滅多にないんです。」

佐田「学生らしいことね・・・・修治君の車の焼け跡にお酒の缶が出て来たんだよ。飲んだ?」

柴田「お酒・・・・飲みました。申し訳ありません。」

佐田「よくはないけど・・・、まぁいいんだよ、柴田君の周りは誰も亡くなってないし、若気のいたりで済んだんだからな。あの・・・大人になるまでお酒は飲まないように・・・・・おじさんみたいにお腹が出るぞ(笑)・・・・それじゃあ・・・本題に入ろうか」


 佐田さんは私の体調を考え、最初は比較的浅い質問が続いていましたが、私の体調が良くなっている事が分かったようで、ここからが本題のようです。


 そもそも、あの青年達が居なければ、普通の肝試し大会で済んでいました。

 修治の弟の自殺の件がありましたが、それも含めて私達にその場所を教えてくれた、普段の修治を知らない腹を割って話した事が無かった私達にとっては嬉しかったんです。なんだかとても嬉しかったんです。ようやく本当の意味で友人というものに自分がなれたような気がして嬉しかったです。結果的にこのようなことになってしまって、修治としても残念だったと思います。ただ私達と最後の一年で思い出を作りたかったのです。そうであれば謎に包まれていた自分の事をみんな少し話す機会を設けたい。なので蛇頭ヶ丘での肝試しを思いついたのかもしれません。自分の事を話すのが苦手なので、それなら皆と一緒に現場まで行って、弟の事を話さないといけないというプレッシャーを自分自身に与えたんです。

 実際に心霊スポットとして有名な蛇頭ヶ丘はとてつもない場所でした。実際に心霊現象のような深い霧が発生しました。私と乃蒼に限っては、何者かの声も聞こえてきました。


 しかし私は、そんな心霊現象よりも何よりも怖かったのは青年達でした。要するに人間でした。元々産まれた時はそのような人間では無かったと思いますが、人の闇というものは恐らく善人の心が作り出すものなんです。彼らは自分達が作り出した闇に飲み込まれてしまったようです。生活苦で自暴自棄になり、勝手に思いついた自殺幇助で志願者からお金を貰って・・・・もぉ稼ぎ口がそれしか無かったのかもしれません。しかし闇に手を染めた後は、もう引き返す事など出来ません。一度入れば戻れない、そういう感触だったんでしょうか。もっとも私は青年達側の人間ではないので、その気持ちについてはどうしても共感出来なかったです・・・・。

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