聴取
翌朝目が覚めると、私のベッド横に見知らぬスーツ姿のおじさんが座っていました。
佐田「柴田君おはよう、警察の佐田と言います。よろしくね。」
柴田「あっ・・・・お・・おはようございます。あの・・・・警察の方?ですよね??・・・た、助けて貰ってありがとうございます」
佐田「あー良いんだ良いんだ、そのままで結構。寝たままでいいからね。是非柴田君が楽な姿勢で聞いて欲しい」
ベッドから起き上がろうとする私を制止しました。
顔をよく見ると髭を生やした太った優しそうなおじさんでした。その後ろにはスーツを着た女性の警察官らしき人と、私の母親が立っていました。
母親「英一郎、目が覚めたばかりで体はしんどいだろうけど警察の方に教えてあげて。蛇頭ヶ丘で起こったことを正直に話してね」
母親は今回の事件、何があったか詳しくは知りません。私の話を聞いてきっと驚くと思いますが・・・・。
佐田「ごめんなぁきつい時に・・・・・お母さんの言った通りなんだがこの前の話、聞かせてもらえるかな?蛇頭ヶ丘旧トンネルでの出来事を」
真剣な顔で佐田さんは私の方を見ていました。
被害者はこちらなのです。実際にあったことを隠す必要は無く、母親の言う通り正確にそのままあったことを伝えようと思いました。
柴田「・・・・みんな!そういえばみんなは!?大丈夫ですか?」
佐田「・・・・全員無事だよ。リュウ君は頭を打つ怪我をしたからこの病院の相談室を借りて今話をさせて貰っているが、他の4人は軽傷だった。もう帰宅して署で他の警察官が話を聞かせて貰っているよ」
柴田「そ・・・そうですか・・・・良かった・・・」
警察と話している、確実な全員の無事を知ることが出来て良かったです。
佐田「襲われた時に、全員バラバラに行動していたみたいだね。だから・・・・全員の話を一致させたいと私達は思っているんだ」
柴田「はい・・・・」
佐田「じゃあまず・・・修治君の車に乗ってみんなで蛇頭ヶ丘に行ったんだね。その入り口のフェンスの奥に、君達を襲った連中の車が既にあった。これは間違いないね?到着した時には軽自動車はあったんだよね?」
佐田さんは私以外全員の話を聞いていて、ある程度の事は知っているようでした。
柴田「・・・・はい、声を一応かけた方がいいかもしれないということで、その時私とリュウはその青年達と話をしたんです。その時は私達と同じ目的で肝試しに来たと彼らは言っていました」
佐田「その時に柴田君の右腕を切りつけたナタは既に持ってた?」
柴田「その時は暗くて分かりませんでしたが、自殺用に七厘を持ってきたと言っていました。全員で揃って自殺するつもりだったと初めは言っていました。」
沈黙・・・・・
佐田「はじめ?・・・・というとそれは違ったのかな?・・・」
柴田「和歌という女の子と二人で一緒に逃げていたんですが、その時にネットで自殺志願者を集めて殺しているような事を言ってたんです・・・・・あ!!!!」
急な大声にビックリする佐田さん。
佐田「どっどうしたの?」
柴田「わ・・・・和歌と旧トンネルに隠れてたんです・・・・その時に・・・・」
慌てて後ろに居た女性警官が写真を持ってきました。
女性警官「・・・・ごめんね急に話に入って来てしまって・・・・この写真が旧トンネルよね。どうやって隠れていたの?瓦礫で埋まってるんじゃないの?」
柴田「このトンネルの半分以上埋まっている瓦礫の上に登ってトンネルの中に入って、和歌と隠れていたんです」
佐田「はぁー・・・・・こりゃワシは入れんな・・・・はははは・・・」
佐田さんも一緒に写真を見て唸っていました
柴田「そ・・・そうです。・・・・・その中に骨があったんです」
佐田「骨というのは・・・・・・人間の?」
柴田「暗すぎてわからなかったですが、多分骨です。人間の」
女性の警官は首を傾げます。
女性警官「一緒に居た和歌ちゃんはその事については言ってなかったけどね」
柴田「見つけたのは和歌なんですが、実際に手に取って実物を月明りで見たのは俺です。和歌を怖がらせないようにわざと骨であることを言わなかったんです」
そこまで言うと女性警官は佐田さんの方を見ました。
佐田さんは腕を組んで考えます。
佐田「あいつら・・・・まだまだ余罪がありそうだな・・・・・・おい、現場の人間にトンネル内くまなく調べさせろ」
女性警官「分かりました」
佐田「あの・・・痩せた人間を集めろ」
佐田さんの指示を受け、女性警官は速やかに部屋を出ていきました。
これから長い長い事情聴取が始まります。みんな私と似たような話をしていると思いますが、特に乃蒼と修治は長話が嫌いなのでその事が少しだけ気がかりではあります。
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