隠れる早川
その頃、早川は草むらの中に隠れていました。
この外灯も無い暗さのおかげで、ちょうど周りから姿形が見えないようになっていました。
周囲の異変にいち早く気付いた修治は、早川に対してこのくさむらに隠れるように指示しました。ここが一番安全と判断し、そのまま周囲の様子に行ったのです。自分がここに全員を連れて来てしまったという責任感でもあったのでしょうか。
早川(修治・・・・・全然帰って来ないな・・・一体何があったのかしら・・・・・キスしてる最中に急にどっか行って・・・・。もぉムードぶち壊しだよ・・・。)
早川がその気になっていたのに、途中で周囲の異変に気付き、行為を辞めてしまった修治。早川は少しだけ怒っていました。
すると・・・・
Tシャツの青年「いててて・・・・・あいつ・・・・・絶対許さねぇ・・・・。確か全員で6人居たよな。数えて覚えてんだよ。全員俺が殺してやるぜ・・・・。」
先程修治に蹴飛ばされ、岩に頭をぶつけた青年がナタを引きずりながら早川が隠れている草むら付近をフラフラと歩いていました。どうやら先程頭を強くうった影響で軽い脳震盪になっているようです。修治はかなりの衝撃を青年に与えていました。
雨に濡れて、頭からかなりの流血が見えます。
早川(ん?あれって・・・・何?・・・そうか、あいつらやっぱり狂ってたんだ・・・。)
早川もようやくこの状況に気付いたようです。あの青年達が私達を襲っていることに気付いた様子でした。
早川(やばい、近くに来た・・・・・隠れなきゃ・・・・・)
早川は更に身を屈めます。
早川が隠れている草むらの付近で、その青年は急に立ち止まりました。
Tシャツの青年「なんか・・・あれ?・・・・。まぁ・・気のせいか。」
そのまま早川がいる草むらにめがけて立ちチョンをしました。
早川(・・・あぁ・・・・嫌だ嫌だ・・・マジで嫌だ・・・・)
直ぐにその光景に目を背けました。
早くどこかに行って欲しい、というかこいつらこの蛇頭ヶ丘からさっさと帰って欲しい。そう願うばかりでした。
用を足した青年は草むらを通り過ぎて、奥のほうに歩いていきました。
早川(良かった・・・・・どこか行ってくれた・・・・)
Tシャツの青年「・・・・・見つからないとでも思ったか!!!このクソアマ!!!!」
先程通り過ぎたと思われた青年が急激に戻ってきて草むらの中の早川の髪を掴み上げました。
早川「・・・きゃあああああ!!!!!」
青年が気付いた理由は早川の姿が見えたわけではなく、早川がつけていた香水の匂いでした。
Tシャツの青年「見つけたぞぉぉぉぉ!!!!いい匂いがすると思ったんだぁ!!!!みんなぁー!!!」
早川「やめて!!!やめて!!放して!!」
早川も必死で抵抗します。
Tシャツの青年「こいつ全員で犯しまくってやるぜ!!ラッキー!!女を単独で見つけた!!」
ナタで脅しながら無理矢理キスをしようとする青年。
修治「お前は・・・・・本当に俺に殺されたいみたいなだな!!」
バキィィ!!!!
Tシャツの青年「うぐっ!!」
修治でした。
持っていた木の棒で青年の頭を横からフルスイングしました。
青年は白目をむき、泡を吹いてその場に倒れました。
修治「はぁ・・・・はぁ・・・・あのまま岩に頭うって伸びてたかと思ってたけど、少々詰めが甘かったか。」
早川「修治!!修治!!」
早川は泣きながら修治に抱きつきました。
修治「すまん美恵、ずっと一緒に居たから鼻が慣れてしまっていてお前の香水の匂いまではわからなかった。申し訳ない」
早川「もう絶対一人にしないでね!!約束よ!!」
早川はさらに強く修治を抱きしめました。
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