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 懐中電灯片手に一歩ずつゆっくり歩いていきました。振り返ると和歌が心配そうに、私の顔を見てくれていました。先程の霧の件で私は全員から心配されている状況です。

 全員無言で歩き続けていました。


 途中歩いていた階段が無くなり、目の前を見るとこれまでの坂道は無くなっており、平地になっていました。


柴田「・・・・よかった!頂上だ!みんな!」

 久しぶりに声をあげて喜びました。

 私は少しだけ早歩きに切り替え、みんなの手を取って、頂上と思われる平地に引き上げる役に徹しました。

修治「やっとだな・・・・」

 修治も少し疲れ気味でしたが、とりあえずは頂上まで来たことに対して、少し喜んでいるように見えました。



乃蒼「みんな見てみてー!!」

リュウ「見て見ろよみんなー!」

 先に奥の方に行っていた乃蒼とリュウが私達を呼びます。


柴田「え?・・・また乃蒼がはしゃいでる・・・・・」

和歌「あっ・・・・・・・・・・」




 乃蒼が指さす方には街を一望出来る一面の夜景が目の前に広がっていました。


和歌「・・・わぁー、凄い綺麗な夜景だね」

 和歌はあまりの驚きに瞬き1つせず、夜景に見入っています。


 ここは巷では心霊スポットと呼ばれているかもしれませんが、絶景の夜景スポットでもありました。この景色を見た人間は一体これまでに何人いた事でしょうか。

早川「見るのはいいけどこの先の崖だけは気を付けてね」

 正面の断崖絶壁に気を使いながらも、目の前の絶景を邪魔するものが一つも無い最高の夜景スポットでした。


柴田「修治、ここ凄いな。もしかして知ってたのか?」



修治「いや初めて来た・・・・・・びっくりだ・・・・」


 全員夜景を見て驚いていました。

 すると・・・・



修治「実は・・・・ここで・・・・俺の弟は死んだんだ・・・・。」



全員「!!!!!!!!」



 修治が急に話し始めました。それなりの付き合いをしてきましたが、弟の話は今日初めて聞きました。



修治「ここで弟は自殺したんだ・・・・・・飛び降りな・・・・。恐らくそこの見えている崖だ・・・・」


 誰も修治に対して気の利いた言葉一つ言えず、無言でした。

 確かに、修治は高校二年生の頃、一時的に学校に来なくなっていました。

 もしかして弟さんの自殺が原因だったのでは・・・・・・。


 早川が何も言わずに修治の背中に優しく抱きつきました。


 俺達は真っすぐ前を向き、ただただ目の前の夜景を、傍観していました。

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