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どこに向かっているのか


 私は滴り落ちる汗を拭い、和歌から水を受け取り、転ばないように比較的安全な場所に座り込みました。

 一体先程の霧が通った間に、何があったかという周りの問いになかなか答える事が出来ず、かなりみんなに心配をかけてしまっている状況でした。

 私にしつこく聞いてくるという事は、他のみんなにはあの声は聞こえなかったのでしょうか。


 一度冷静になり、自分の周囲を確認しました。上方は霧が晴れている。修治が居る下方側には霧がまだありそうでした。もうかなりの距離を登ってきているようで、元々居たトンネル前の広場が見えなくなっていました。ということは当然ながら、フェンスも、駐車場に停めた修治の車も見えなくなっていました。

 和歌に礼を言い、私はゆっくりとその場に立ちあがりました。

和歌「・・・乃蒼は大丈夫なの?」

乃蒼「・・・・うん、なんとか大丈夫。」

修治「何故か下方にはまだ霧があるから、仕方ない。上に登ろう。最悪この山自体登り切ってしまって、山の向こう側で電波が入る場所を探して助けを求めても良いし。携帯電話は全員持ってきてるわけだから」


和歌「ねぇ修治。私達自宅謹慎の身で、今学校は寮の事件の関係で閉鎖しているんだよ。大丈夫なのかな、自力で帰らなくても。助けを呼んだらオオゴトにならないかな」

 ごもっともです。しかし先程の霧の中に入るのはどうしても得策とは言えず、困ってしまいます。私としてはもう二度と霧の中には入りたくないのです。恐怖が待ち構えているような気がしてならないのです。

修治「柴田、上に向かおうか。戻るには霧の中を今度は登りじゃなく、下らないといけないから危ない」

 全員が乃蒼のヒールを見ました。

 そもそも足場が悪い状況です。登り切って、また下りるタイミングを見計らった方が賢いのかもしれません。

修治「よし、決まったな。行こう」

 修治の言葉で再び私達は歩き始めました。細い階段を一歩ずつ踏みしめながら歩き始めました。

 心霊現象はありました。私達は、何に向かって進んでいるのでしょうか。

 心霊現象は起こりました。なのでもう、肝試しとしてはお腹一杯です。気持ち的には充分でした。なのに私達の足は頂上に向かって進んでいるのでした。

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