登山
柴田「登るのはいいとしても乃蒼、お前その靴じゃダメだな。ヒールで幅の細い階段を長距離で登るのは相当危ないわ」
さすがに歩くことを予想して私達はスニーカーで来ていましたが、乃蒼だけはいつものヒール。この乃蒼という女は怖いもの知らずなのか、歩く必要は無いと思ったのか、ただの馬鹿なのか。未だによくわかりません。
乃蒼「はぁ?大丈夫だってば!心配性だなぁ柴田は!!」
リュウ「・・・・よぉしこうなったら、乃蒼俺がおんぶしてやるよ」
乃蒼「マジで?!助かるわリュウ!!」
乃蒼はリュウに真正面から抱きつきます。ここ一番で男気を出す男、リュウ。ドヤ顔です。
しかしこれで私が発案した『このまま帰宅案』は掻き消されてしまったので、この階段を登らないといけなくなりました。
私が再び先頭で歩き続けます。和歌がすぐ後ろに、次が乃蒼をおんぶしたリュウ、早川、修治の順番です。早川と修治が乃蒼を後ろから支えています。
リュウ「乃蒼お前ヒール折ってくれ」
乃蒼「いやぁーだ♪」
トンネルから少しだけ離れた所にある細い階段を登っていきました。
トンネルの不気味な音は階段を登っている今もまだ聞こえ続けていますが、風の音であるという事が分かっていましたので気持ち的は楽でした。
ただしっくりこないのはトンネルの上から広場を見下ろした時に見上げていた人間が5人居た事です。ただそれだけが私としてはしっくりこないのです。
時折人数を数えたり、かなり下に見えるトンネル前の広場を見下ろしたりしていました。
その時でした・・・・
柴田「修治!!・・・・・・なんか下白くなってない?!」
危険を察知した私は大きい声を出しました。
修治「・・・なんだ?!・・・・霧だ!!霧が発生してる!!」
下から修治が叫びました。
登っている途中に今修治歩いている場所付近が急に曇りかかったのでおかしいと思いました。濃い霧が私達に襲い掛かってきました。
修治「柴田!!迫ってくる霧が早い!!歩くペース上げれるか!?」
柴田「・・・・乃蒼をおんぶしてるリュウが居るから無理だ!一旦ストップ!全員とまれ!!」
みるみるうちに私達は霧に包まれていきました。
TVの情報番組などで山の天気は変わりやすいと、どこかの専門家から聞きましたが、ここまで一気に変わるものなのでしょうか。
私達はこの霧のせいで山の途中で止まらざるおえなくなりました。
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