暗闇の中を
修治「和歌の言う事も正しい。しかし恐らくもう目的地近くまで来てると思うんだけどなぁ」
車の外を全員で眺めました。辺りは真っ暗で森以外ほぼ何も見えません。正面のトンネルの灯りだけが煌々としている状況でした。
早川「新・・・・蛇頭ヶ丘トンネル・・・・・・・トンネルの名前がそう書いてある!!」
助手席に座っている早川がトンネルの看板に気づきます。全員一斉にトンネルの上を見ます。
修治「ここか・・・・・」
早川「ということは、もう蛇頭ヶ丘っていう場所には着いてるって事だよね。ここはそれの・・・・新しいトンネルってことかな・・・・。」
恐らく心霊スポットとなっているのは昔利用していた旧トンネルです。利用されなくなってから人の手が行き届かなくなり、肝試しスポットになったようでした。
近くまで来ているという事はこの辺りをもう少し探す必要性がありそうです。
一度トンネルを通り過ぎた所で和歌が口を開きます。
和歌「あの少し先に見える公衆電話の路肩に車停められる?そこから少し歩いて旧トンネルの入り口を探した方がいいかも。暗くて分からないし、そもそも車で入れるかもわからないよ」
和歌の提案に乗り、修治は路肩に車を停めました。
修治「よし降りてみるか。二人一組で懐中電灯持ってくれ」
修治から用意されていた懐中電灯を渡されました。
私は和歌と同じ班です。
和歌「えいちゃん、なんかドキドキするね」
柴田「うん、なんかさ・・・・付き合いたてみたいなそんな感じ」
2人で笑っています。
笑ってはいますが自分は和歌にフラれたんです。私は好きだったんです。これからもずっと一緒居られると思っていた矢先の和歌からの別れの言葉。
でも・・・・・何が問題だったんだろう・・・。
修治「みんな、トンネルの横に木に覆われた側道があったぞ」
先頭を歩く修治と早川が旧トンネルに行く横道のようなものを見つけました。
和歌「この道・・・・まぁまぁ細いけど車通れるかな?」
修治「地図にはこの道は入ってないな・・・・・でも車は通れる・・・。車幅が広いから入り口の木だけ柴田とリュウで持ち上げといてくれないか?ここだけ突破すれば車で入る事が出来るかもしれない」
行くべきなのか、引き返すべきなのか、道の先、一寸先は漆黒の闇です。




