表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/176

るみ先生からの質問


 着席した私とるみ先生は向かい合い、はなしはじめました。

るみ「・・・・確か柴田君って、1年生の時に仲村君と仲が良かったよね?」

柴田「・・・はい、同じクラスでしたから仲が良かったですよ。・・それがどうかしましたか」

るみ「柴田君もニュースや新聞で見て知っていると思うけど、彼が・・・西原君を銃で撃ち殺したのよ」


 るみ先生は私に何か情報を聞き出そうとしていました。それは直ぐに表情を見て分かりました。情報も何もあれだけイジメられていたら、仲村にも殺意も芽生える事でしょう。性的な暴行も加えられていれば分からなくもないでしょう。そんな事も分からない教諭たちに私は呆れていました。勉学に集中するがあまり、そういった部分が欠落している高校だったのです。勉強を教えるだけが教師の役目なのでしょうか。


柴田「勿論、知っていますよ。西原に恨みでもあったんじゃないでしょうか」

るみ「・・・仲村君と最近いつ会った?」

柴田「土曜に自学で自習室に行きました。あいつが個室に居たので自習する前に学食でコーヒーを飲みましたよ。久しぶりに2人で」


るみ「その時に何か言ってなかった?・・・・その西原君について何か・・・・」

柴田「・・・・・・・・・・・・・・いいえ、何も。久しぶりだったので他に話す事が沢山あって、特にそのような事は話していません」

るみ「そう・・・・・自習後はどこに行ったの?」

柴田「自習後は家に帰りましたよ。」


 本来、寮に生徒が入ったら入館リストを書く必要性がありましたが、何か嫌な予感がした私は、入館リストを書きませんでした。仲村から当日に西原に対して実行する作戦を私に対して話してくると思ったからです。寮には防犯カメラもありませんし、特に寮内で誰とも会わなかった為、ここで嘘を付いても問題は無いと思いました。

 るみ先生があまりにも必死の形相で聞いて来るので話しても良かったですが、るみ先生も教員側です。いじめを許容する側の人間です。教員側の考えに絶望している私は何も話すのをやめました。知らぬ存ぜぬでこの事件は通そうと思いました。仲村にもきっと伝わっています。

 刑事さんがその後来て1時間くらい位話しましたが、本題には何も触れずに仲村との思い出話、少し喉を震わせながら語っただけでした。

 ここで涙が出そうになったのは彼との思い出があったからです。もし彼との思い出が無ければ、きっと涙を流す事も、喉を震わせながら刑事さん達と話す事もなかったでしょう。


 仲村に銃を販売した業者も捕まったという情報が帰宅後のニュースで知る事が出来ました。

 仲村・・・これでよかったんだよな・・・・・。俺は止めなくて正解だったんだよな・・・・・。計画的に行った友人は自ら死を選びました。

 暫く、お別れだな仲村。お前と会って嫌だった?そんな事は一度も思った事はない。お前が世界中の誰かに疑われても俺はお前を信じる。行動を信じる。他人から無責任と言われてもいい、最後は信じる。

この作品が面白いと思ったらブックマークと感想をお願い致します。

広告下の☆☆☆☆☆→★★★★★評価を宜しくお願い致します。

作者のモチベーションアップになります。


作者のエイルはブログもやっております。

是非、立ち寄ってみて下さい。

https://eirblog.com/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ