補習科
ロペ「この辺で良いのか?どこに行くのかは知らないが辺鄙な所だな」
補習科のだいぶ手前の路地で車を停めて貰っていました。補習科の真ん前まで行ってしまうとロペにどこに行くのか分かってしまうからです。
和歌「ロペ、ありがとう」
お礼も程々に私達は車外に出ました。
ここからは徒歩です。もうすぐ私立龍ヶ丘高校補習科があるビルに到着します。補習科が離れた場所にあるのは、浪人生が学校から離れて集中して勉強が出来るようにということですが、果たしてそのような意味があるのか、今の私達には分かりませんでした。
補習科の場所は公表されておらず、あくまで補習科本部は学校にあるということになっています。
ロペ「修治、車が必要だろ?スペアキーを渡しとく」
そう言うとポケットからスペアキーを取り出しました。
修治「・・・いいのか?」
ロペ「ここから2ブロック先の平面駐車場借りてる。停めておくから自由に車を使ってくれ。店は閉めてて、暫く仕事は出来ないし、修治に動かして貰った方が車としてもいいはずだ」
修治「そうか、助かるよ。使わせてもらう」
ロペ「悪かったな修治。・・・・・とにかく気を付けてな。今のお前らと接触したい人間は山ほど居る。隠れるのは好きじゃないだろうけど、今だけは我慢だ」
最後に握手を交わしました。
ロペは私達の理解者になろうとしてくれていました。
ロペと分かれた後、私達は周りを確認しながら歩を進めました。
乃蒼「柴田ファインプレーじゃん」
リュウ「さすが俺の相棒だわ」
全員ロペが居た事が予想外だったようで、ここまで来れた事を喜びました。
和歌「ロペが釈放された事が分かるなんて、えいちゃんは入院中も佐田さんと連絡とり合ってるのね」
佐田さんがロペ釈放について教えてくれたのは、接触する可能性があるから気を付けて欲しいと言う事だったようですが、私はこのロペに対してどうしても蛇島に関わっていたと思えなかったのです。
釈放された時点で無関係確定なのですが、これまでの長い付き合いや彼の性格を鑑みると、修治への謝罪の念が強いように感じました。こういう時ですが、そんな彼を信頼してみました。
正解だったようです。
修治「着いたぞ。ここだ」
4階建てのビルでした。
決して新しくはありませんが、間違いなく数々の先輩方がここから世に出ています。
このビルでの授業。
学校からの私達への配慮とは思いますが、本当の理由については現時点では分かりませんでした。
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