迂回路
ランニングコースから山肌沿いに大きく住宅街を迂回し、4人は住宅街のはずれにある小さな公園に到着しました。ここは山の上から見下ろし安全確認が出来る良い場所でした。
これでリュウの兄達、そしてTV局の人間達とは位置的にはかなり離れていることになります。
乃蒼「ここまで来れば多分安心かな」
メッシュキャップにタイトなシャツ、デニムを着こなしている乃蒼が一度公園を見回します。
修治「補習科に到着するまでまだ安心できない。和歌のルート選びに感謝だ」
修治はカジュアルな重ね着白黒Tシャツを着ています。
リュウ「気を付けて行こう、しっかし兄貴の服デカいな・・・・」
どうやら兄が着ていた太いデニムのサイズが合わない様で歩きにくそうに草を蹴りながら進んでいます。
和歌「せっかく持って来てくれたのに文句はやめよう。言うなら感謝でしょう」
古着のワンピースに黒いタイツを履いている和歌。今回一番サイズ的にピッタリなのは和歌でした。
リュウ「ありがたいとは思ってるけど、ズボンがズレそうなんだよ・・・・」
乃蒼「あーら、ちょうどいいじゃん♪してあげようか?」
呆れる修治と和歌。
修治「馬鹿なんだよ、お前とお前は。俺達が居なかったら本当にしそうだよな」
リュウ「いや俺はべつに何も言ってないだろ」
和歌「・・・何もかもが終わってからにしよう。あの階段を降りたら住宅街から抜けて神社に着くはずよ」
地図を見て眉間に皺を寄せながら和歌はそう言いました。
周りを警戒しながら、ゆっくりと階段を降りていきます。やはりベッドタウンと言われていますから、ここまで来ても風景は変わらず、遠くに犬の散歩をしている人の姿が見えて、それ以外は人の気配があまりしませんでした。
乃蒼「補習科の授業が終わったら、柴田と早川のお見舞い行くんだよね?」
リュウ「行く行く、状況を伝えるって教頭と約束してたからね」
授業を受けるだけではありません。その先までスケジュールが入っています。
全員の無事の為に私達は常に行動を起こしているのです。
和歌「え?・・・・・」
・・・・神社に到着した私達の目の前に、居る筈の無い思わぬ人物が寺の影から出てきました。
乃蒼「えっ嘘でしょ?・・・・・」
これにはさすがの乃蒼も驚いていました。
リュウ「なんで居るの?・・そして何故ここが分かったんだ?・・・・」
修治「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
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