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裏門通りに向かう一人の男が居ました。男は取材班らしく、社員証を首にぶら下げていました。
髭面の男「おーい高原ぁ、休憩終わり。今日は一旦引き上げるかぁ」
背が高い男(高原)「あっ鈴木主任。ちょうどタバコ吸い終えて、正門に戻る所でした。やっぱり今日は引き上げる感じですか?」
先程の二人組の男達と親しげに話す髭面の男。どうやら二人の上司のようです。
髭面の男(鈴木主任)「全く人が出てこないし、授業が始まったっぽいからな」
高原「え?・・・人が出てこない?おかしいな・・・・さっき補講の生徒連れて美人の飯國先生が出て来られましたよ。取材をさせて貰おうかと思ったのですが、さすがに授業中は厳しそうでした」
鈴木「飯國??・・・・・飯國先生・・・・って男だぞ?この書類見てみろよ」
取材班は学校で配布されるしおりのようなものを仕入れて持っていました。この学校に勤める全教職員の顔写真が載っているものでした。
上司の鈴木から渡されたその書類を見て高原は固まりました。
高原「・・・・あの人・・・・確かに自分のこと飯國って・・・・若かったし、新任か・・・」
鈴木「お前らが会ったのは本当にここの生徒なのか?俺はずっと正門に居たんだぜ。誰も出て来てない。・・・因みに高原だけでなく、山崎も見たのか?」
背の低い男(山崎)「・・・ええ、見ましたよ。あの生徒が着ていた体操服、間違いなくここの学校のものですよ。兄貴が頭良くてこの学校の卒業生なので。デザインが変わっていなければ間違いないです・・・・・」
鈴木は首を傾げます。交代で休憩をしていた高原と山崎は当然一緒には居ませんでしたが、カメラマン、ディレクターと一緒にずっと正門に居たのです。もし関係者が外に出ているのであれば、間違いなく見ている筈なのです。
しかも女性の飯國先生はこの学校に存在しておらず・・・・。正直な話、部下が言っている事がよく理解できませんでした。
鈴木「因みに女性の飯國先生と生徒はどこに行くって言ってたんだ?」
高原「体育の補講の関係で、この先にあるランニングコースへ行くって言っていましたね。・・・・なぁ山崎」
山崎「ですね」
鈴木は更に首を傾げます・・・・・。
鈴木「その・・・・ランニングコースってのはこの先にあるの?」
山崎「えっと・・今見えるこの山沿いがコースになってます」
もしかして・・・と自分のカバンの中に手をやりました・・・・。
鈴木「因みにさ・・・・・さっき会ったっていう生徒の中で、この写真の生徒居た?・・・・・」
鈴木は持っていたカバンから、私達六人全員の顔写真が載った資料を取り出しました。
上段には修治、早川、和歌、下段に私、リュウ、乃蒼の写真が載っている写真でした。
高原「どれどれ・・・・・あっ・・・この娘滅茶苦茶可愛いな・・・・・」
山崎「・・・・・・あっ!これ!!」
高原「・・・あっ!!」
高原と山崎は大声をあげた後、目を見合わせます。
鈴木「どうした??・・・・・・」
高原「せ・・・生徒じゃない・・・・あの教師役がこの娘です!それからこの遊んでそうな女の子も居たぞ!あのガキ!!俺達に嘘つきやがったな!!・・・・教師役が大人っぽくて全然分からなかった!!」
鈴木「やっぱり・・・・・向かった先はどこ??山崎、案内して!今生徒だけって動いているって事であれば何か事件の事を聞き出せるかもしれない!うちが一番に彼らに接触できるかも!!」
山崎「この辺俺が詳しいので、俺について来てください!!この先です!」
三人の男達は正門側から一斉に走り出しました。
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