リュウの告白
学校の校舎沿いを隠れながら歩く四つの影がありました。
予定通り、和歌はジャージ、修治とリュウと乃蒼は体操服姿で裏門に向かって歩いていました。全員リュックを背負っています。
和歌「みんな・・・・こっちこっち・・・・・」
和歌が周りを見ながら三人を手招きします
裏門は学校敷地内奥の第二体育館を越えた所にあります。用務員か警備員、或いは部活の顧問以外、あまり人が立ち寄りません。車での搬入、搬出を目的として作られた場所であり、普段生徒は出入り禁止エリアとなっています。
修治「しかし正門は相変わらず人がごった返してるな」
校舎の影から遠くの正門にチラッと目をやると大勢の人間がうろついています。キャスターが放送をしている姿もありました。
和歌「あー・・・やっぱり・・・・どうしても事件の真実を聞きたがっているのよ。私達から。」
マスコミは事件の真相を聞き出す為に粘っているのです。和歌達は現在口止めをされていて話せない状況であるのに、少しでも記事のネタになるものを探しているのです。開校されてから余計に人が増えていました。
乃蒼「佐田さんや末広さんから聞かないのかな?あと・・・学校側とか・・・・」
和歌「多分・・・本当の所は言ってないんじゃないかな?私達の事を思って言ってないんじゃ・・・・」
そんな中・・・・・重たい口を開く一人の友人が居ました・・・・。
リュウ「あの・・・・さ・・・・・」
和歌「どうしたの?リュウ」
リュウ「ごめん、実は俺・・・・少しだけ話しちゃったんだ・・・・・」
乃蒼「え?!マジ?!話したの?!」
乃蒼と和歌は驚いています。修治はあまり気にしていないように見えます。
リュウ「うん・・・・家の・・居酒屋の手伝いに行った時にさ・・・・お客さんで雑誌の記者やっている人が居て、断れず・・・・今日発売の雑誌にたしかそのインタビュー記事が載っているはず」
修治「やっぱリュウだったのか・・・・柴田と美恵が読んだ雑誌か・・・・・・」
やはり思った通りでした、リュウが接触してきた記者と話をしていました。その日リュウが話した事がそのまま雑誌に書かれていました。
リュウ「親父にもどうしてもって頼まれちゃってさ・・・・結果、断れずに・・・・」
和歌「これまでの事は仕方ないよ。今日から話さなきゃそれでいいのよ・・・って難しいかぁお店のお客さんだと・・・・家業だもんね」
リュウ「親父に事情話して、手伝いは裏方だけにさせて貰おうかな・・・・」
相手はお店にお金を落としてくれる常連客でした。リュウとしても断れるはずがありません。
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