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一抹の不安


和歌「私達だけで辿り着けるかしら・・・さっきるみ先生に教えて貰った場所、結構な距離だったよね?」

乃蒼「なんとか誰とも会わずに到着したいもんだけどね」


 和歌と乃蒼は廊下を歩いて女子バドミントン部の部室が有る体育館に向かっています。今日体操服を持って来てない乃蒼に貸す為に一緒に向かっているのです。


乃蒼「そういえば、柴田と早川姉さん(年上)は大丈夫かな?和歌あれから会った?」

和歌「姉さんってあんた(笑)同級生でしょう?・・・蛇島が捕まった次の日の午前中まで病院に居てえいちゃんの看病をしていたけど、その時は朝までうなされていたよ。蛇頭ヶ丘で右腕に負った傷口が開いてしまったことでバイ菌が入ったみたい。それで普段の生活ではかかりもしないような病気にかかっちゃって、高熱が出ていてね。次の日修治が来たから、少し落ち着いた所を一緒に見てお母さんに挨拶して帰ったけど、その後メールした感じだと体はなんとか大丈夫そう。熱も下がっていて、病状は徐々に落ち着いているってさ」


乃蒼「そっかぁ♪それなら良かった。それじゃあ早川とは会った?今同じ病院らしいよ」

和歌「えっそうなの?!・・・・それ知っていたら会っていたのに・・・」

乃蒼「早川姉さん、私的にちょっと心配なんだよね。クールで何も気にして無さそうに見えるけど、ちょっとメンタル弱いからねぇ」


 乃蒼は分かっていました。

 早川は見た目通りのクールさが有ると同時に、心の弱さがありました。そのクールを装うことで、あまり周囲の人間に関与しないでこれまでなんとか学校生活を過ごしていました。乃蒼は何度も早川が緊張して影でえずいている姿を目撃していました。


和歌「そうなの?・・・知らないわけじゃないけど、私学校でもほとんど話した事が無いから分からなかった」

乃蒼「和歌はそうだよね。なんか、そういう部分を知っているからちょっと心配になっちゃって・・・・」


 付き合いが長い乃蒼は予想を的中させていました。実際にフラッシュバックを起こして病院で倒れていました。


乃蒼「今日なんとか補習科の授業済ませて、二人に会いに行こうね」

和歌「うん、無事に終わらせて会いに行こう。何をするにも目標があった方が良いに決まってる」

 二人は必ず無事に補習科に到着する事を誓いました。


 ・・・・・


 ・・・・・


 ・・・・・


 

 その頃、修治とリュウは担任のるみ先生に持って来て貰った体操服に着替えていました。


修治「なぁ・・・俺達の高校って制カバンなんてあったの?5年くらい居るけどこんなもん見た事ねぇぞ・・・・・」

リュウ「さっきるみ先生が、使って欲しいって持ってきたけど、誰もこんなの使ってないよな?・・・・入学の時、買ってないよな?」

修治「五年くらい居るが・・・存在自体知らんかった・・・・まぁ誰も使い手が無いから学校側に在庫余らしてんだろ。とりあえず制服も筆記用具も私物も全部入りそうだし、便利そうだから使ってみるか・・・・・」


 今や誰も使用していない制カバン。多分在校生全員、この存在を知りません。

 修治達はデッドストックの制リュックを手に入れました。

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