突破作戦会議
修治、和歌、リュウ、乃蒼の四人は先程まで教頭と担任と話していた多目的ルームに居ました。担任のるみ先生が教室に置いてある私物を持って来てくれるとのことでした。
四人で事務用の椅子に座りながら、これからどのようにするのか話し合っていました。
和歌「・・・裏門なんか久しぶりに行くけど・・・」
修治「えっお前あそこ通った事があるのか?」
和歌「だいぶ前にね、バドミントン部の遠征前の備品搬出の時に行った事がある」
乃蒼「場所は何となぁーく分かるけど、普段閉鎖されているイメージしかないなぁ私の思い出の中では・・・・」
和歌「まぁ裏門というだけあって、普通は使わないからね」
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リュウ「というか、るみ先生は俺達と一緒について来てくれないのかな?」
乃蒼「あの人多分来ないでしょ、こっちの授業もあるだろうし」
修治「なぁみんな。教頭も・・・・・ここで俺達を突き放すかね?・・・・・マスコミがまるで『ウォーキングデッド』みたいにわんさか居る中、俺達だけで外に出るんだろ。もう一度確認するけど、俺の車は使えないんだよな?車で突破しないと難しいような気がするけど・・・」
和歌「修治、生徒が車で通学しているなんて事が分かったら、蛇頭ヶ丘以上のマスコミのネタになるんじゃ・・・・・」
リュウ「た・・・・たしかに・・・・しかも修治が乗っている車を、マスコミが知っている可能性も・・・」
修治「クラウンなんて山ほどあるから、車はともかく俺が教員のふりすれば良いんだろ?」
乃蒼「でもそれさ・・・・車のナンバーまで知っていて、バレた時が・・・・」
和歌が修治の話を聞いて、何か思いついたように天井を見上げました。
和歌「教員のふり・・・・・」
リュウ「どうした?」
和歌「ちょっと私、るみ先生が来るまでに部室でジャージに着替えて来る」
修治「変装か?」
和歌「この中で一番体育教師っぽい私がジャージ姿で教員のふりして、生徒を体育の補修に連れていく画にすれば、最後は走って逃げるにしても少しはカモフラージュにならないかな?別に補習科は制服を着ていくルールなんかないもの。私服で行ってる人も居るよ」
リュウ「・・・・それじゃあ俺達も、よりリアルに、授業サボった上に頭も悪い、悪い事した補習の生徒っぽく、体操服に着替えるか?制服より目立つかもだけど、この昼前の時間帯で生徒が外に出るのは不自然過ぎないか?よほどの急用か、早引き以外は基本外出禁止だぞうちの高校は」
乃蒼「えっ、そこまでする必要あるの?補習科の授業をジャージや体操服で受ける気?」
リュウ「いや、今着てるブレザーを持って行って、向こう(補習科があるビル)でまた着替えればいいんじゃないかな」
修治「もしもの時のことを考えると、体操服の方が単純に走りやすいかもしれない。制服着ていくよりも」
和歌「・・・こうなったら全員で着替える?もし着替えるなら乃蒼も一緒に来て。体操服の長袖が部室にあるからそれを着てよ」
私達のグループの中で、あの手この手で学校に居る大量のマスコミを巻く案が出ていました。他の生徒たちの混乱を防ぐ為と、全日制での授業が受けられなくなった為の処置ですが・・・・明らかにこの場面、外に出るという事は私達にとってリスクが高いのです。獲物が勝手に学校から出てくるわけですからあっという間に囲まれてしまいます。理事長から事件のことを話すなという指示も出ている中、引率も無い生徒四人だけで外に出るのです。
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