処遇は
教頭は乃蒼の詭弁を聞いて、ジッと乃蒼の方を向いています。
乃蒼も乃蒼でジッと教頭と目を合わせて微動だにしません。
教頭「・・・なるほど。それでは貴方はボディガードのつもりで行ったということですね」
乃蒼「そういうこと、私は人を守る為に空手を習っていたから。何かあれば私が・・・・という気持ちは常にあったよ」
リュウ「実際に俺は乃蒼に助けられました。もしあの時乃蒼が一緒に居なかったらどうなっていたか」
リュウも乃蒼を助けようと必死です。
言い逃れが出来ない今、こちらもしっかりとした明確な言葉が必要でした。ここで乃蒼は産まれて初めて自分を守る為の言葉を発したのです。
教頭「分かりました。後残るは・・・柴田君・・・そして早川さんだったね?」
るみ「そうです。しかし彼らは怪我が悪化して療養中です、会う事は親類か或いは、高校生蛇頭ヶ丘事件に関わる関係者しか会う事が出来ない状況です。私もまだ担任として会いに行く事が出来ていません」
修治「柴田も美恵も、今日学校が終わったら会って来ようと思っている」
和歌「私達も修治と一緒に行きます」
教頭「わかりました。それでは二人の怪我の具合はどうなのか確認して学校に居る私に連絡をして貰ってもいいですか?因みに今直ぐにあなた達の処遇が決まるわけではありません。今日皆さんと話した事を今晩ここで行われる役員・職員会議で私が伝えます。もし自宅謹慎が決まった後ではお見舞いに行けないので、学校が終わったら速やかに病院に行って確認して来て下さい」
リュウ「了解致しました。柴田と早川の病状の報告は責任持って俺が代表で学校に電話入れますので」
教頭「後最後に一つだけ。理事長先生の指示で、こちらの指示が無い限り事件の事をマスコミや他の人間にこれから話すのをやめて欲しい。これまで話してしまった事は仕方ないから、今後確実にそれだけは守って下さい。最後にもう一度言います、理事長先生の指示です」
リュウ「・・・・・・・・・・・」
教頭は話が終わると立ち上がり、そのままゆっくりと部屋から出ていきました。
るみ「みんな、お疲れ様。緊張したよね。今日は教室には行かれないのよ。処遇が決まるまでの間、何もしないんじゃなくて補習科で通信教育を受けて単位を取る勉強をして貰う予定にしているから、授業の方は安心してね。特に修治君は、卒業の為には一日だって無駄に出来ないからね」
修治「今から??しかし補習科って・・・・ここから校舎外に出ないといけないんじゃ・・・・・」
乃蒼「・・・るみ先生、どうやってここから出る気?校門にはわんさかマスコミが居るのに・・・・完全に塞がれてるよ?」
るみ「裏門から出られるように手配しておくから・・・・・。補習科の場所はね・・・・・・・・」
るみ先生の指示通り、私達はこれから裏門から下校し、直ぐに龍ヶ丘高校補習科がある郊外のビルに向かう事になりました。裏門を使用した事が無いので状況がよく分かりませんが、暫くは学校の全日制では授業を受けさせないという方針だけは少し前からもう固まっていた様子でした。
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