心配が
私は何も言わず、仲村の部屋を後にしました。
無表情でした。顔は完全に無表情だったと思います。衝撃的な事実を仲村から聞いてショックはありましたが、殺すだなんてそんなどうしようもない事をずっと言っているのです。しかも手製のガスガンのようなもので。
ガスガンであればそんな事は無理に決まっているし、考え方がおかしいです。仲村はまともな考え方が出来なくなっていました。
話を散々聞いてバカバカしく思ってしまった為、さっさと家に帰ることにしました。仲村に関してはマシな考えを持っていると信じていました。こんな事ならいつも通りリュウと約束して遊んでおけばよかった。嫌な気持ちにならなくて済んだのに。なんだか裏切られたような気分になりました。
そう思いながら、帰宅した私は自分のベッドに寝転がりました。
特にすることもなく、ただただ寝転がっていました。
「西原を殺す」・・・・その言葉がいつまでも頭の中から離れませんでした。
冗談だと信じたいのですが、誰かに言った方がいいんだろうか・・・・相談した方がいいんだろうか・・・・。そういう気持ちだけが頭の中にありましたが、出てくるたびに消して、何度出て来ても消して、決して受け付ける事はしませんでした。この繰り返しをベッドの上でやっていました。
そういった不安を抱えながら、翌日を迎えました。変な夜更かしでしっかり寝る事が出来ず、起きたのはいつもより遅めの昼前でした。この日は宿題と月曜の授業の予習の日です。予習をしなければ間に合わず、先生任せにしてしまうと本格的に勉強が分からなくなり、思いっきり無視して置いていかれてしまいます。
土曜は前日の復習。塾や家庭教師を雇って勉強している者も居ました。そうしないと間に合わないのです。本当は遊んでいる暇など無いのです。
というわけで本日は昨日全く出来なかった授業の復習、そして予習の日です。しっかりとノートを見ながら振り返ります。
最初はこのサイクルに慣れませんでしたが、毎日やれば意外と慣れます。人間とは慣れる事が出来る生き物なのです。
でも仲村の考えには慣れる事が出来なかったな・・・。
そんな中勉強以外の事が頭をよぎりました。
どうしよう、自分はこんな事している場合ではないんじゃないか・・・・。
私は、気づくと家を走って飛び出していました。
向かう先は仲村の住んでいる寮です。
本当にそんな事・・・・していないよな・・・・。
今日は確かに西原と会うと言っていたけど・・・・・。
夕方になり、時間が迫り、急にこれまで考えていなかった事が急に浮かんで来て、実は自分は異常な心配性であった事に気付きました。何もない事を祈っていますが、いや何も無いに決まってる。
決まってる・・・・・・
いつも通りだ・・・・・
決まってる・・・・・・
決まってるんだ・・・・・・・
いつも通り・・・・・
いつも通り・・・・・
寮が見える角にバリケードがしてありました。警察官が立っていました。
柴田「・・・・・何があったんですか?」
警察官「ちょっとこの先で事件があってね。この筋は今通行禁止だよ。他の道を使ってくれるかな」
寮の前の通りには沢山のパトカーが停まっていました。
あああ・・・・・・・
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