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諦め展開


 修治や和歌の時には無かった、厳しいリュウへの尋問が終わった所で、四人目は乃蒼です。

 私としてはこの中で乃蒼が一番心配でしたが、やはり思った通りの事が起きました。


教頭「次は・・・・・今日の最後ですね。乃蒼さん・・・・あぁ・・・貴方か・・・・お父さんが極真空手の先生の・・・。」

るみ「弓塚ゆみづか 乃蒼のあさん」


 名前を呼ばれ反射的に乃蒼は答えます。

乃蒼「るみ先生、私はもう退学でしょう?」

 修治、リュウ、和歌の三人は出鼻の乃蒼の発言に驚いた表情を見せます。


修治「馬鹿か。・・・それは、学校側が決める事なんだから、自分から言うな」

乃蒼「もしも私の退学が決まっているんだったら、この場で今直ぐ言って欲しい。この学校で一番厄介者になるわけだし、みんなの邪魔になってもいけない、帰るから。」


 好戦的な空手家の表情、態度を示す乃蒼。・・・というか恐らく諦めています。もう退学処分が自分に下ると彼女は決め込んでいるのです。

 自分一人だけの事になるとそういう悪い展開に持って行く人間だから、私はこいつの事が少し苦手だったんです。警察官を目指すのであれば高校卒業は必須なのです。何故悪い方向に行こうとするのでしょうか。


教頭「弓塚さん、貴方は過去に二度停学になっているね。喧嘩と煙草による補導。その二回の停学から一体何を学んだのかな?」

乃蒼「だから三回目の停学はもうさすがに反省の色が無いから、退学って事ならここで帰ろうかと。また変に教室に戻って、クラスメートや他の生徒にもみくしゃにされるのが嫌だし。野次馬で髪がグシャクシャになってしまって朝学校来た時、凄い嫌だった。荷物は後で取りに来るから帰らせて下さいよ」


教頭「・・・一体誰が停学になると思っていますか?世間を騒がせた殺人事件を乗り越えて帰って来たあなた達に『危害を加えたり、同じ学校の仲間に対して不利益をもたらすような生徒』が居れば、その時は相手の生徒を停学処分とします。校長の話を聞いていなかったのですか?そういう生徒が居れば担任の城山か私に直接で良いから、言いなさい。」


 全校集会時、確かに最後に付け加えるような格好で校長は注意事項を生徒達に言っていました。

さらに教頭が言っていた事に加えて、『いくら勉学が出来てもスポーツが出来ても、そういう世間の気運に流されるような生徒は大学や企業に推薦はしない』という事も併せて言っていました。

 簡単に言ってしまえば、ダサい生徒をこれから先のセクションへ輩出したくないのです。



 もしかして学校は私達を擁護しようとしているのでは?・・・・・



教頭「これ、弓塚さん。貴方が暴力事件を犯した時の反省文です。あなたに呼んで貰おうと思いましたが、そういうタイプじゃない事が分かりましたので、私が代わりに読み上げます」

 手に持った原稿用紙を私達に見せました。

 確かにそこには「弓塚 乃蒼」と乃蒼が書いた字で記載されていました。


乃蒼「・・・はぁ??!!マジで言ってんの?!・・・・ちょっとやめて・・・・・」


 教頭は乃蒼の事を気にせずにその反省文を読み始めました。

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